花並木走者ペースを緩めけり

 

「方円」2022年6月号円象集掲載。

桜の季節。全国津々浦々、桜並木が賑わってくる。暖かくなると、散策に出掛ける人が増える。景色を楽しみながら歩く人、おしゃべりを楽しみながら歩く人と、思い思いの楽しみがある。ジョギングにいそしむ人は、たいてい前を向いて一心に走っているが、桜並木を通る際、ふとペースを緩めて、桜を愛でる人もいる。それほど鮮やかな桜の花。誰もが穏やかな時を過ごす風景を切り取って詠んだ句。

昨日は夕方からずっと怒っていた。一国の主の不用意で不躾な発言と、それを感情的に伝える人々。そして情報に操られる自分自身に腹が立ち、何とも言えない感情が沸き上がった。翌朝、どうしてそんな事に腹が立ったのかと、冷静に自分を見つめている自分がいる。朝の散歩で満開の桜を見て、さらに心が落ち着いた。人間とは単純なものだ。どうしようもない感情が沸き上がったとき、心の中でこう呟こう。

「腹が立ったら横にしなはれ」と。

 

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今日から新年度

蒲公英や慈しむ眼の露座仏

 

「雲の峰」2024年6月号青葉集掲載。

この時期、道端や土手など、どこでも見かける、おなじみのタンポポ。最近は背が高く繁殖力が高い西洋タンポポに圧倒されて、日本古来のタンポポはすっかり見かけなくなった。それでも人々の目を楽しませてくれる、可憐な花。いつも歩く散歩道にも沢山咲いている。タンポポに目を落とすと、ふと目に入ってくるのが、小さなお地蔵様。その表情が実に柔和で、慈悲の目をしている。暖かい季節にぴったりの花に、そんな光景を喜ぶような顔でそこにいるお地蔵様の風景に惹かれて詠んだ句。

そんな穏やかな光景のさらに奥に見えるのは、JRの線路。お気づきの方もいらっしゃるかもしれない。お地蔵さまが立っているのは、人身事故の現場。供花やお供えが今も絶えない。人生に疲れて、人間関係に疲れてなど、様々な背景があったのだろう。勝手なことを言わせて頂けるなら、思いとどまって生きてほしかった。今日は4月1日。今日から新年度。気持ちも新たに前に進む人が多いだろう。どうか一人で悩まず、新年度のまっさらな心を持ち続けてほしい。

 

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霾や視界にひとつ竹生島

 

「方円」2009年5月号雑詠掲載。

「霾」一文字で「つちふる」と読む。3月から5月、強風に乗って黄砂が飛んできて、空がどんよりと黄色っぽくなる様子をこう呼ぶ。竹生島は、琵琶湖北部に浮かぶ小島。琵琶湖国定公園特別景勝地に指定されており、島全体が国の名勝・史跡とされている。島には宝厳寺、都久夫須麻神社があり、長浜、彦根、近江今津の各港から出る定期船で参拝に訪れる人も多い。そうした事から、「琵琶湖とその水辺景観- 祈りと暮らしの水遺産 」の構成文化財として、2015年に日本遺産に指定されている。この島は湖岸からよく見える。黄砂飛ぶ季節、訪れた場所は忘れてしまったが、恐らくつづら尾崎か。遠くにかすむ竹生島が実に幻想的。霞んだ琵琶湖の風景全体を俯瞰して詠んだ句。

竹生島には二度訪れている。一度目は小学生の頃。今は現役を退いている「はり丸」に乗って向かったが、強風のため上陸できなかった。二度目は社会人になってから。彦根港からの定期便で、念願の上陸を果たした。今はオーバーツーリズムで、どこへ行っても人の群れという印象が強く、どうしても誰も知らない穴場的な場所を選んで訪れるが、それでも外国人観光客をちらほら見かける。私は元来、人の多いところがあまり得意ではない。しかし、島からの風景、島全体の自然、対岸から島を望む風景など、絵になるところが沢山あるので、機会を見つけてぜひもう一度訪れてみたい。

 

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今日は散歩にゴーの日

テーマ:

暫くは空を楽しむ春の雲

「方円」2017年5月号円象集掲載。
実に単純明快な句。恥ずかしながら、どこでこの句を詠んだのか、どういうシチュエーションだったのか、全く覚えていない。晴れた日、ふと空を見ると、雲がゆっくりと漂っている姿をよく見る。その様子は確かに「空を楽しむ」ように見える。「雲が楽しむ」という表現がいささか引っ掛かる部分があるが、詠んだ本人が場面を忘れてしまうぐらい、雲の様子を素直に読んだ句。</p>
3月35日は「散歩にゴーの日」との事。全く知らなかった。これに因んで、近所を散歩しているような情景の句を、過去の作品から探してみた。俳句を始めた30代前半の句は、明らかに句作のために遠出をして、そこでの情景を詠んだ句が多かった。また、「どこかへ行って新鮮な風景を見なければ詠めない」という固定観念があった。それが最近の句になると、そうした句は少なくなっていった。単純に、目の前にある風景を、素直に表現すればいい。それに気づくのに、20年以上かかってしまった。ようやくリラックスして風景が見えるようになったので、これからも気楽に、あまり難しく考えずに句作に臨みたい。

 

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古の想像力

小綬鶏に誘はれ山の社まで

 

「雲の峰」2024年5月号青葉集掲載。

小綬鶏はキジ科の鳥で春の季語。もとは中国から持ち込まれたという。2024年3月16日、以前亡父が歩いた十三峠を歩いた。近鉄平郡駅から十三峠を越えて近鉄枚岡駅まで歩くコース。途中いくつか寺社を訪れるが、比較的山の麓に近い白山神社に近づいた際、山の奥から小綬鶏の声が聞こえてきた。この鳥の囀りは独特で、大きな声で「チョットコイ、チョットコイ」と鳴き続ける。それが神社へ自分を呼ぶ声のように聞こえて詠んだ句。

この鳥の声は知っていたが、「チョットコイ」と聞こえるというのはネットや図鑑で知った。言われてみれば確かにそう聞こえる。昔の人の耳と想像力は、実に逞しいものがある。自分も見習わねば。

鳥に関して言えば、「頂を欠く石塔や杜鵑」という句を詠んだことがある。この句を故・中戸川朝人氏は「ホトトギスの『テッペンカケタカ』という鳴き声に、この石塔がぴったり合っている」と評した。詠んだ本人はそんなつもりはなく、あくまで偶然なのだが、現代の人間の想像力も捨てたものではない。

 

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