ただ一言で良い、血は争えない(BMW 6シリーズ カブリオレ)

BMWは正直こう思ったはずだ

「BMW 6シリーズは、再び世界一の称号を手に入れる事が出来るだろうか」


世界一美しいクーペ

1977年に生まれた、BMW 6シリーズ(E24)

今回ご紹介する6シリーズ(E64)の旧モデルが手に入れた愛称だ。

↓E24 BMW 6シリーズ クーペ

さて、今回 世界一美しいクーペの比較対象として

6シリーズ クーペ(E63)を選択するのが正当な意見だろう。

だがしかし、筆者は、カブリオレ(オープン)モデルの6シリーズを選択した。


その理由は、カブリオレは、ソフトトップという布でルーフ部分が造形されている。

そう、ソフトトップのオープンカーは、どうしてもデザインが作りにくい。

そのデザインが作り込みにくい中で

BMWが「世界一のクーペ」をどう描いたのか。そこに興味を抱いた。

オープンカーは屋根を空けた時には、当然格好が良い

だが、今まで出会ったオープンカーは、屋根を閉じた時

「うーん、何か残念だ」と思う車両が多かった。

良い意味で血は争えない

世界一美しいは、見事に継承されていた。

通常ソフトトップのオープンカーは、リアガラスは、ソフトトップ側に固定されているが

E64は、ボディ側にリアガラスを残した事により、ボディーラインを造形していたのだ。

文章で説明するのは少々難しいので、良く見るオープンカーと比較してみよう。

赤枠部分を見ると、お分かり頂けたと思う。

通常であれば、ルーフからトランク部分まで流れる様に造形されているが

あくまでも、ソフトトップであるため、感情の無いボディラインが生まれる。

E64は、従来のオープンモデルの感情の無いボディラインを改良していた。

そのため、ソフトトップであっても、落ち度の無いデザイン性を作りあげていた。

世界一美しいクーペの子供であるが故、カブリオレにも手を抜いていない。


ドアを開けBMWらしい、分厚いシートに座り込む。

BMWの計器は、飛行機の計器と似た精度で作られていると聞く。

内装の質感ステアリングを触った感じ、他のBMWと大差ない。

ん?内装に関して言えば、5シリーズなどと変わらない。

だがしかし、考えようによっては、6シリーズや7シリーズの高級感を

低ランクの5シリーズなどに利用しているのだろう。


走り出してみる。

コーナーに差し掛かった際に違和感を覚えた。

普通の車は、コーナー時遠心力によって、車体が傾くのだが

コーナーを曲がる際にあまり車体が、傾かないのだ。

足回りに秘密があった。

車体の傾きに合わせ、サスペンションが、傾きを補正しているのだ。

その補正により、コーナー時のストレスを軽減されている。

やはり、5シリーズでは無く、6シリーズ1段ランクが上なのだ。


BMWのコンセプトである

「Freude am Fahren」駆け抜ける喜び

充分に堪能させてくれる。

ただこの6シリーズに至っては

駆け抜ける喜び だけでは勿体無い気がする。

乗って喜び、車から降りて美を楽しむ「堪能」する事を喜ぶ車だ

Freude am Kompetent

という言葉なのでは無いだろうか。


ドイツのBMWが生んだ車、いや車というのも勿体無い、アートだろう。

環境に合わせて、様々な顔を見せてくれる。

ソフトトップを開け、夕日を眺め温い風を浴びドライブを楽しんでる時。

ふと、車から降りカメラを構えたくなる。

あなたのカメラのデータに残るのは、6シリーズでは無く

風景に溶け込み、風景に車というエッセンスを加えたアートになるだろう

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