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ニッポンの数字 ――「危機」と「希望」を考える④

2024年05月19日 | 日記
『ニッポンの数字 ――「危機」と「希望」を考える』(ちくまプリマー新書・2024/2/88・眞淳平著)、

「殺人事件」は多いのか?
「殺人事件」、が毎日のように報道されます。日本は殺人大国なのでしょうか。
警察庁によれば22年、「殺人」の「認知件数」(警察などによって、犯罪の発生が明らかになった事件の数)は853件。過去を見ると、第2次世界大戦の終結(1945年)以降、増加を始め、頂点は54年の3081件。以降は、概ね減少傾向にあります。近年は、15年に1000件を割って以来、800~900件台で推移しています。
 世界各国・地域との比較では、国連の21年(同年の統計データがない国は20年)の数字で、日本は、人囗10万人当たりの殺人被書者数がO・23人。統計データのある世界136か国・地域のうち、これを下回るのは、バチカン(0人)、中東のバーレーン(0・07人)、シンガポール (0・10人。監視国家として有名)だけです。統計データのない国は、国内の統治体制が整備されていないところでしょう。被害者数は、多いと思われれます。日本はおそらく、殺人事作が、世界でも4番目に少ない国、なのです。また厂殺人の「検挙件数」を見ると22年の数字で、817件。ここには、21年以前の殺人事件の検挙件数も含まれています。そのため、同年の認知件数と検挙件数とを単純比較して「検挙率」を算出するのは、分析として正確さを欠きますが、この割合は約96%。21年には101%でした。つまり、ほとんどのケースで、容疑者が逮捕されているのです。
 近年は、監視カメラが、全国の市街地などのあちこちに設置されています。また捜査には、DNA鑑定を含む最新の科学技術が投入されます。殺人事件が発生し、もしそこに凶悪性があれば、担当者100名以上から成る「捜査本部」が立ち上がることもあります。とても逃げ切れるものではありません。
 では日本では、通りを歩いていたり、公共交通を利用したりしているときに、見ず知らずの人間に殺されるような事件、は多いのか。
 警察庁によれば21年、殺人で検挙した件数のうち、既遂(被害者が亡くなったケース)は231件(未遂は577件)。既遂事件のうち被害者と被疑者が面識のあった事件は、210件(91%)。その被疑者の上位5つは、親47件(20%)知人・友人42件(18%)。配偶者37件(16%)。子22件(10%。交際相手16件(7%)。
 親、子、配偶者、兄弟姉妹、その他からなる「親族」は、合計127件(55%)。殺人で亡くなった人の半数以上が、親族によって命を絶たれていました。
 一方、面識のない犯人による事件は、16件(7‰)でした(あとの5件は、被害者が特定されていない事件)。
 今挙げたそのどれも、痛ましい数字です。しかし日本では、知らない人にいきなり襲われ、命を奪われるというケースは、ゼロではないにしろ、かなり少ないこしかわかります。(以上)

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