五十九話 2010年9月 破滅への階段
不安で一睡も出来ない。
※この日を境に不眠症が発症し未だに苦しんでいる。
どうしよう…。
お金が足りない…。
なんとかならないかな…。
もう部屋を見渡しても売れる物はない…。
頭が混乱し、精神状態が自分では抑えきれない程おかしくなってきている…。
朝が来れば仕事に行かなくてはならない
職場に個人の名前で電話が来るのが怖くて常に自分が電話を1番の速さで取っていた。
前に何度か消費者金融の返済を忘れていた時に在籍確認と返済のメドを会社の電話で受け答えしていたので同僚からは怪しまれた記憶がある
オーナーのテルさんが私の顔面蒼白で目が虚な姿を気にしてか夜に呑みに行こうとなった。
テル『最近、様子がおかしいけど何があったの?』
私『個人的な事何ですが、実は…少々借金がありまして…(初めて人に借金を話した、しかも400万で少々は無い)』
テル『そうか…薄々は気付いてたよ…
俺が個人的に君を信じて肩代わりしようか?』
私『えっ?いや、テルさんが大変になるから大丈夫ですよ(全然、大丈夫では無い。土下座する場面を模索中)』
テル『200なら足りるでしょ?俺も家のローンがあるし、子供も2人いるしなぁ…』
私『いや、大丈夫です(俺は何を言ってんだ?今だろ土下座するタイミングは!)
テルさんは大変な時期ですよね?家を購入したばかりの人から、んな大金を借りる訳にはいきませんよ(その前に200万じゃ足りないとは恥ずかしくて言えないし…)』
テル『そっか、借金の額は聞かない事にするけど原因は何?女?風俗にでもハマったの?』
私『まぁ〜恥ずかしながら、そんなとこですかね…なんか気づいたら少しづつ負債が増えた感じですかね…。』
(んな訳ねーだろ!と突っ込みたいがパチンコとパチスロで400万の借金を作ったとは情け無さすぎて言えない…)
テルさんの行きつけの小料理屋さんから出る帰り際に…
テル『とりあえず10万貸しとくよ給料から毎月1万引くけどいいかな?』
私『これは…ありがとうございます助かります(うぉぉぉぉぉ、やった!)』
1人帰り道
嗚呼…何故オレはビックチャンスの200万を借ります!と言わなかったの?
人の奴隷になるのは己に虫唾が走るのでつい拒否反応で断ったのが理由だろう(って言ってる場合か?このアホンダラぁ!)
でも懐に10万円があると何か世界が違って見えてくる(気がする)
このお金は大事に返済に充てよう。
そして休日の朝
休みは必要以上に早起きしてしまう体はアスリートのルーティンと同じだ(ただのパチンカーだけどね…)
まずは返済が遅れないように返しに行こう
一社づつ返済している途中にふと目に入ってしまったパチ屋の新台入替の看板…
ラスト一社に6万の返済で終了のはずが…
返すだけのカードで借入出来ないんだよなぁ…
少しだけ増やしたいなぁ(熟考)
ひと勝負!
これが悪い癖なんだと思いながらも条件反射には逆らえない
朝イチからわずか2時間で3万円が溶ける…
まだ昼前じゃないか?
まだまだ!
2時間後
おい!どうなってんだよこのクソ台は!
遠隔だろ?
78000円負け…
大事に使う予定でテルさんから借りた10万円がたった数日なのにこの期に及んでのこのザマ…
胸がえぐられるほどの自責に駆られる
もうダメだ…
もうどうなったっていい、アレに頼ろう…
覚悟を決めた
『俺は借金の螺旋階段から降りる』
※バガボンドの辻風黄平のように潔く
『助けてくれ…救ってくれ…』
心の底からそう願っていた…
この国で唯一の救いの方法は
【任意整理】
私は長い期間、博打との死闘を繰り広げたが遂に破滅したんだ…
【ギャンブルでの借金は破滅への一歩】
借入4155000円
借入件数7件(知人1人)
毎月の支払い30万