お腹ニコニコの基本
消化機能は、生きる大基本の一つです。
当然ながら消化機能が弱い人は、栄養が体に十分取り込めず元気が出ません。
消化吸収の悪い人は物理的な食べ物の消化吸収のみならず、物事の消化吸収すること、すなわち一般に私たちが「理解」という言葉で表しているような事が苦手なケースが多いのです。俗に言う「もの分かりの悪い人」は消化周りのエネルギーが弱っていることが多々あります。
このシリーズの最初2回は、あまり一般的に知られていない少々上級者向けの話をしましたので、ここで、基本に戻って消化機能向上で大切なポイントを何点かあげてみたいと思います。
- 繊維質
消化は腸によって行われます。腸では大々的な分別作業が行われますが、その時にいらないものや、毒素を繊維にくっつけて腸から大腸へ送り、最終的に便として排泄します。ちなみに、50年前には、1日に平均一人1キロの便を排泄していましたが、現在では週1キロが平均となっています。また、繊維質摂取も1日に100 – 150グラムが平均であったのに対し、現在では15グラムと10分の1に落ちています。
これが、人間の体に毒素を溜める大きな原因の一つとなっており、腸の消化機能を大きく落としています。
ですので、繊維質を多く摂取することを心がけることが、消化機能向上に貢献します。
繊維質の多い食べ物:
- 野菜(ブロッコリ、キャベツなど)
- 芋類
- 穀類(玄米、キヌア、など)
- 豆類(レンズ豆、ひよこ豆など)
- ナッツ類
- 果物(りんご、ベリー類、オレンジ、アボカドなど)
- ダークチョコレート(カカオ含有量70%以上のもの)
- 善良バクテリア(マイクロバイオーム「微生物叢」)
腸には良くも悪しきも大量のバクテリア、ウイルス、細菌などが棲みついています。それらの微生物叢について大々的な研究がアメリカで行われたのは比較的最近のことで、それまでわかっていなかった膨大な事実が判明しました。まずはバクテリアの数ですが、それは人間の平均細胞数をはるか10倍を超える数だったのです。そして、それらのバクテリアたちが人間の消化機能のみならず、さまざまな情報を脳に伝達したり、免疫力を制御したりしていることがわかりました。
また、マイクロバイオームでも悪玉菌として人間に悪影響を及ぼすものも含まれており、これが増加することによってさまざまな不調や病気を起こす原因や、肥満の一因ともなっていることがわかっています。
ですので、悪玉菌を減らし、善玉菌を増やしそれを育ててやることが必要です。
日本人にとってその方法は特に難しいものではありません。なぜなら、元々日本の食事には、味噌、納豆、麹、漬物といった発酵食品が多く存在するからです。
プロバイオティク・サプリを摂取することも悪くはないですが、それらのほとんどは品質が悪く、実際に腸まで生き延びないことが多いので、あまりお勧めはしません。発酵食品などを頻繁に摂取することが望ましいです。
また、これら善良バクテリアには、餌を与えましょう。彼らの餌は、繊維質です。繊維質を摂取することで善良バクテリアは繁殖し、あなたの腸に定住します。
- 咀嚼(よく噛む)
他にもいくつかあげたいものがありますが、ここでは「よく噛んで食べる」ことをベスト3としてあげたいと思います。
口は食べ物が最初に通過する消化工場です。噛み砕いて食べ物を小さくするだけではなく、噛んでいるときに口内で唾液を混ぜ合わせ、必要な酵素が分泌され消化の準備を始めます。よく噛むことで、胃の負担が軽くなり、よりスムースな消化を促すことができます。
面白い研究報告があります。
咀嚼が脳の下垂体、視床下部などを刺激し、ストレス耐性が高くなるという報告があります。ネズミの実験でもストレスを誘発する因子を与えた際に、木片などを齧らせることで潰瘍の形成、ストレスによる認知減退、不安や恐怖感を防ぐ効果があったと報告されています。
とりあえず、消化を向上させるために重要だと思うものを3つあげてみました。他にも色々ありますが、この3つを積極的に取り入れることによって消化機能が格段上がるケースは少なくありません。
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