新たな『戦前』に備えよ

 

間もなく2023年が終わろうとしていますが

新聞を読めば今も世界は『平和』『安定』とは遠いことが起きています。

 

ロシアによるウクライナ侵略はウクライナの反転攻勢がおもわしくなく、

イスラエルとガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織「ハマス」との戦闘も

終結の兆しが見えないまま、年を越そうとしています。

中華人民共和国による脅威は増し、尖閣での闘争を強化する指示が出されています。

 

2024年は今以上に日本の安全保障環境が厳しくなることが考えられます。

 

私は、日本人はもっと戦争について語るようになるべきだと考えています。

好戦的になった方がいい、というのではありません。

「日本が再び『敗戦国』にならないようにするためにはどうすればいいか」

について、もっと国民が考えるべきだと考えています。

 

そう、私の望みは

「日本が再び敗戦国とならないこと。再び国土や国民が焼かれることなく、30年後も50年後も日本が豊かで反映し続けること」

にあります。

 

 

日本人は戦争を

1.昔話

2.地球の裏側で起こるもの

3.戦争について語ることは好戦的な行為であって、戦争を誘発するものであること

4.戦争を回避するためには、ひたすら『平和』を訴え続け、戦争について語ることをタブー視すること

5.日本が自主的に戦争を始めたり終わらせることが出来るもの

 

と思っているように、私には感じられます。

特に5.は要注意で、戦争外交は相手があって起こるものだという当たり前の前提を無視しています。

だから今でも日本の言論界は「日本はどうして無謀な戦争に突っ走ったのか」「どうして終戦を早めることが出来なかったのか」などの議論は日本側の事情のみで語る愚を犯しているのです。

 

私はもうこれらの考えは修正しなければならない時期に来たと思います。

 

今それを修正しないと現時点ではまだ何も起きなくとも、

私達の次の世代の人達には重大な危険が及ぶことになると

私は確信しています。

 

過去の戦争についても、日本は民間人80万人を含む310万人の犠牲を出し敗れました。

これについて今の日本は「だからもう二度と悲惨な戦争を起こしてはならない」以外の話は出来ませんが、

それだけに終わるのではなく、では旧軍の失敗はどこにあったのか、どこに日本としての勝筋があったのかの軍事研究を

もっと広く民間ベースで行う必要があると思います。

 

そして、表題にもしましたが、

日本はチェンバレンよりチャーチルを手本とすべき、です。

第二次大戦勃発前後のイギリス首相チェンバレンは戦前、第一次世界大戦の反省からヒトラーという独裁者の登場に対しても戦争回避のための宥和政策を取り、

ヒトラーによるチェコスロバキアのスデーテン地方の帰属を全面的に認めミュンヘン会談の後にはイギリス帰国後に「話し合いによって戦争は回避された」と平和宣言までしています。

 

その後首相となりイギリスを戦勝国へと導いたチャーチルはこれに否定的で

著書『第二次世界大戦回顧録』の中で「第二次世界大戦は防ぐことができた。宥和策ではなく、早い段階でヒトラーを叩き潰していれば、その後のホロコーストもなかっただろう。」と述べました。

合わせて事実は定かではありませんが、『平和主義者が戦争を起こす』と語ったと言われています。

 

日本においても、隣国の独裁者に対し「話し合いで問題を解決しろ」という主張は極めて多数を示します。

これについて私達は、歴史を正確を直視し、客観的な事実を踏まえ、次の世代の日本人を護るためにも

 

戦争について、歴史について、「悲惨だった」「もう繰り返してはならない」という感情論以外の議論を

活発化させていかねばならないのだと、私は考えます。