1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ヤクルト | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 8 | 0 | 1 |
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 3 | 1X | 6 | 17 | 1 | 1 |
勝利投手:マルティネス(1勝0敗0S) 敗戦投手:清水 昇(0勝1敗0S) 本塁打 |

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◆巨人が劇的なサヨナラ勝利。巨人は3点を追う9回裏、若林と吉川が適時打を放ち、土壇場で同点とする。続く延長10回には、再び若林の適時打が飛び出し、試合を決めた。投げては、4番手・マルティネスが移籍後初勝利。敗れたヤクルトは、救援陣が最大5点のリードを守れなかった。
◆ドラムボーカリストで女優のシシド・カフカ(39)がオープニングパフォーマンスを務めた。開幕セレモニーのオープニングアクトとして登場し、自身の楽曲「Get up!」を演奏した。熱いドラムパフォーマンスでスタンドのファンを沸かせ「あっという間のことで、ちょっとよく分からなかったなっていう感じはあるんですけど。これから何か大きなことが始まっていくんだろうなっていう期待感が高まっている感じが出てきている感覚は、すごくありました」と話した。さらに「今シーズンも含めて、けがなく完走していただきたいなと思っております」と巨人ナインにエールを送った。シシドはドラムボーカルのスタイルで12年にCDデビューした。18年には100種類近くのハンド・サインを出しながら即興演奏でリズムを奏でてセッションしていくリズム・プロジェクト「el tempo(エル・テンポ)」を主宰。21年の東京パラリンピック閉会式でも、ハンド・サインを使った即興パフォーマンスが話題となった。
◆丸の思いも背負って-。巨人戸郷翔征投手(24)が、シーズン開幕前に故障で離脱した丸佳浩外野手(35)の登場曲を使用した。0-0の2回1死一、二塁で打席が回ると、場内に丸が使用する「HONEBONE」の「夜をこえて」が流れ、戸郷が打席に向かった。ヤクルト奥川に対し、1ボールから左前打を放ち、1死満塁へとチャンスを拡大した。丸は、22日のロッテとのオープン戦(東京ドーム)の走塁中に右脚を負傷。都内の病院で検査を受け、「右大腿(だいたい)二頭筋筋損傷」と診断された。
◆つば九郎のぬいぐるみも共に戦う。ヤクルトは巨人との開幕戦で、球団マスコット「つば九郎」のぬいぐるみも一緒にベンチ入りした。試合前練習から三塁側後列ベンチの隅っこでナインを見守った。球団は2月19日、球団マスコットのつば九郎を担当してきたスタッフが永眠したと発表。Xでは「つば九郎が高津監督の隣に座ってる」「ベンチにつば九郎いたね」「ベンチにいるの泣ける」といった投稿が寄せられた。プロ野球開幕!スコア速報はこちら
◆今季も名物コーナーで子どもたちがスピードを競い合った。3回終了時の「江戸前すしレース」は、まぐろ、こはだ、たまご、えび、あなごのコスチュームに身を包んだ小学生以下の子どもたち5人がレースに参加した。開幕戦のこの日は、あなごがぶっちぎりのトップでゴールした。プロ野球開幕!スコア速報はこちら
◆今季からミスターが若返った!? 東京ドームの右翼スタンド後方のセコムのビッグ看板がリニューアルされた。長嶋茂雄終身名誉監督の写真が現役時代のバットを構えてる写真に変更された。精悍(せいかん)な顔つきで若かりし頃のミスターが「セコム、してますか?」と問いかけている。またグラブをつけたドジャース大谷翔平バージョンもあり、時代を超えたスーパースターが見事にコラボしている。プロ野球開幕!スコア速報はこちら
◆ヤクルトが、4回までパーフェクトに抑え込まれた巨人先発の戸郷翔征投手(24)から最初に訪れたチャンスで先制した。0-0で迎えた5回、サンタナがチーム初安打を放ち、オスナの打球を一塁手の岡本が失策し、無死二、三塁から赤羽由紘内野手(24)の左前適時打で先制した。さらに、茂木栄五郎内野手(31)が四球を選び、無死満塁から中村悠平捕手(34)の2点適時打で追加点を挙げた。巨人は1回無死二、三塁から吉川、岡本、ヘルナンデスの中軸が凡退。2回1死満塁では若林、キャベッジが凡退し、無得点に終わったが、ヤクルトは対照的にサンタナの初安打から突破口を開き、相手のミスも絡め、一気に4点を奪った。プロ野球開幕!スコア速報はこちら
◆巨人先発の戸郷翔征投手(24)が、5回4安打4失点でKOされた。4回までヤクルト打線をパーフェクトに抑え込んだが、5回に浴びた初安打から4点を失った。0-0で迎えた5回、サンタナにチーム初安打を浴び、オスナの打球を一塁手の岡本が失策。無死二、三塁から赤羽由紘内野手(24)の左前適時打で先制を許した。さらに、茂木栄五郎内野手(31)に四球を与え、無死満塁から中村悠平捕手(34)の2点適時打で追加点を許した。9番奥川恭伸投手(23)の犠打で1死二、三塁とされ、西川遥輝外野手(32)の適時打で4点目を奪われた。巨人は1回無死二、三塁から吉川、岡本、ヘルナンデスの中軸が凡退。2回1死満塁では若林、キャベッジが凡退し、無得点に終わった。エースにかかる重圧が高まる中、0-0の5回に均衡を破られた。ヤクルト奥川に粘りの投球で好投を許す中、戸郷は5回無死で代打を送られ、マウンドを降りた。降板後、戸郷は「仕事ができなかった。それだけです。次、しっかり頑張ります」と悔しさをにじませた。
◆歌手でタレントのDAIGO(46)が君が代斉唱を務めた。バックネット裏に姿を見せると、スタンドは騒然。そのまま、その位置から君が代を歌い上げて開幕戦に華を添えた。DAIGOは球団を通じ「日本のプロ野球の開幕、そして、ずっと物心ついたころから大好きな巨人軍の国歌斉唱ということで、大変光栄な大役を務めさせていただきました。大事な開幕戦で、東京ドームにいる皆さんと一緒に歌うことができ、ペナントレースのスタートにふさわしい国歌斉唱になったのではないかと思います。ここから日本のプロ野球、そして巨人軍がリーグ連覇、日本シリーズ悲願の優勝に向けて突き進んでいってほしいです」とコメントした。プロ野球開幕!スコア速報はこちら
◆動画は下記Xロゴをクリックすると見られます同期の笑顔を引き出した長岡秀樹ファインプレー奥川恭伸がここまで5回無失点"野球一本" 「DAZN BASEBALL」月々2,300円 (年間プラン・月々払い)初月無料!4/14まで登録はこちら?https://t.co/xuxqErhJa9?プロ野球 (2025/3/28)??巨人×ヤクルト??Live on DAZN#オレをみろ#swallows pic.twitter.com/NXwi96BqwF
◆動画は下記Xロゴをクリックすると見られますスイングも打球もエグいキャベッジが来日初本塁打"野球一本" 「DAZN BASEBALL」月々2,300円 (年間プラン・月々払い)初月無料!4/14まで登録はこちら?https://t.co/xuxqErhJa9?プロ野球 (2025/3/28)??巨人×ヤクルト??Live on DAZN#オレをみろ#ジャイアンツ pic.twitter.com/Q8U2k2978m
◆巨人トレイ・キャベッジ外野手(27)が来日初本塁打を記録した。5点ビハインドの8回無死一塁。フルカウントからヤクルト3番手山本の128キロスライダーを完璧に捉えた。確信歩きの1発は、打球速度169キロ、飛距離120メートルの痛烈な打球だった。
◆巨人阿部慎之助監督(46)の予言が的中し、新外国人のトレイ・キャベッジ外野手(27)が来日初安打初アーチを含む猛打賞と大暴れした。1回無死一塁、ヤクルト奥川から来日初安打となる右翼フェンス直撃の二塁打をマーク。5回にも二塁打を放ち、5点を追う8回には無死一塁から1号2ランを放った。阿部監督は、開幕前日の27日の取材でキーマンを聞かれ「キャベッジ君じゃない? そこが一番のポイントだと思うよ。あまり期待しちゃうとかわいそうだからね」と話したが、初戦から存在感を発揮した。この日の試合後、阿部監督は「いや、あのー、とても素晴らしい結果で、ちょっとびっくりしたんですけど、これをね、続けていってほしいなと思います」と今後にも期待した。お立ち台に上がったキャベッジは「本当に興奮して、今日の開幕を迎えた。神様に感謝したいと思いますし、チームが勝ったことが何よりもうれしいです」と笑顔で話した。来日初本塁打については「とにかくホームランを打とうという気持ちで打席に入って、高めに浮いたボールをうまくとらえられた」とコメント。記念のボールは「今までも節目のヒットの度に父親に渡してきたので、今回も同じように父に渡したいと思います」と父に贈ることを話した。昨年は、主軸で期待されたオドーアがシーズン開幕前に電撃退団。不穏な空気の中で開幕を迎えたが、キャベッジは開幕戦から快音を響かせた。
◆動画は下記Xロゴをクリックすると見られます#尚輝たまらん9回土壇場で吉川尚輝が同?点打"野球一本" 「DAZN BASEBALL」月々2,300円 (年間プラン・月々払い)初月無料!4/14まで登録はこちら?https://t.co/xuxqErhJa9?プロ野球 (2025/3/28)??巨人×ヤクルト??Live on DAZN#オレをみろ#ジャイアンツ pic.twitter.com/99Sne2wQ7o
◆巨人トレイ・キャベッジ外野手(27)が、ヤクルト田口から死球を受け、叫び声を上げた。2点を追いかける9回1死一、三塁、田口の抜けたボールが右手甲付近に直撃し、顔を真っ赤にしながら声を張り上げた。キャベッジは、1回無死一塁、ヤクルト奥川から来日初安打となる右翼フェンス直撃の二塁打をマーク。5回にも二塁打を放ち、5点を追う8回には無死一塁から1号2ランを放ち、3安打猛打賞を記録した。チームは9回にキャベッジに続く吉川が中前に2点適時打を放ち、3点を追う最終回に同点に追いついた。さらに岡本の左前打で1死満塁とサヨナラのチャンスをつくったが、ヘルナンデスが浅い右飛、坂本が三ゴロに倒れ、延長戦に突入した。
◆動画は下記Xロゴをクリックすると見られます1番起用が大当たりこの試合4安打目若林楽人がサヨナラ打"野球一本" 「DAZN BASEBALL」月々2,300円 (年間プラン・月々払い)初月無料!4/14まで登録はこちら?https://t.co/xuxqErhJa9?プロ野球 (2025/3/28)??巨人×ヤクルト??Live on DAZN#オレをみろ#ジャイアンツ pic.twitter.com/GHypiCa8kZ
◆巨人は、「阿部采配」が的中し、最大5点差をひっくり返し、ヤクルトにサヨナラ勝ちした。同点の延長10回2死二塁、1番で起用された若林楽人外野手(27)が、左越えのサヨナラ打を放ち、劇的な勝利に導いた。3点を追いかける9回1死一、三塁から若林が反撃の適時打。1死満塁から吉川が同点の2点適時打を放った。6回までに5点をリードされたが、7回以降はリリーフ陣が無失点リレー。8回にキャベッジが来日初本塁打となる2ランで3点差に迫って、9回の同点劇に結び付け、延長10回に若林が試合を決めた。延長10回に登板し、1回を無失点に抑えたマルティネスが、移籍後初勝利を挙げた。
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◆巨人は、「阿部采配」が的中し、最大5点差をひっくり返し、ヤクルトにサヨナラ勝ちした。同点の延長10回2死二塁、1番で起用された若林楽人外野手(27)が、左越えのサヨナラ打を放ち、劇的な勝利に導いた。巨人が0-5から逆転サヨナラ勝ち。開幕戦の5点差以上の逆転勝利は、22年ヤクルトが阪神戦で7点差をひっくり返して以来、史上7度目。巨人では98年ヤクルト戦、14年阪神戦の過去2度あった4点差を上回り、球団史上最大の開幕戦逆転劇だ。また、巨人の開幕戦サヨナラ勝ちは21年DeNA戦以来5度目で、延長では53年国鉄戦(12回)90年ヤクルト戦(14回)に次ぎ35年ぶり3度目。過去2度ともヤクルト相手に劇的勝利を飾ってリーグ連覇へとつなげたが、今年はどうなるか。
◆「阿部采配」が的中し、巨人がヤクルトにサヨナラ勝ちした。同点の延長10回2死二塁、1番で起用された若林楽人外野手(26)がサヨナラ打を放ち、チームを劇的な勝利に導いた。3点を追いかける9回には1死一、三塁から若林が反撃の適時打。1死満塁から吉川が同点の2点適時打を放った。6回までに5点をリードされたが、8回にキャベッジが来日初本塁打となる2ランで3点差に迫り、9回に同点。延長10回に劇的な勝利を飾った。若林はお立ち台で「うれしいです」と笑顔。開幕戦での4安打に「明日が逆に不安です」と笑わせた。
◆初の開幕投手に任命されたヤクルト奥川恭伸投手(23)が、6回7安打無失点と粘投した。この日最速の151キロ直球とフォーク、スライダーを織り交ぜ、3度のピンチをしのいだ。1回は無死二、三塁、2回は1死満塁と攻められたが、粘り切った。オープン戦では中盤以降に球威が落ちていたが、この日は5回以降も150キロに迫る球威を保ち、巨人打線を相手に力で負けなかった。5回には2死からキャベッジに二塁打を浴び、一打同点のピンチを背負ったが、吉川の抜けたかという当たりを遊撃の長岡がジャンピングキャッチ。ピンチを切り抜け、安堵(あんど)の表情で野手1人1人をベンチ前で出迎えた。「みなさんに点を取ってもらって守ってもらって。野手のみなさんに感謝です」と口にした。プロ6年目。21年に9勝を挙げてリーグ優勝&日本一に貢献。以降は離脱が相次ぎ「実績的にも全然、そんな開幕投手に選ばれるようなピッチャーじゃない」と謙遜していた。だが大一番のマウンドでは不安を見せることなく、役割を全うした。奥川は勝利投手の権利を持ったまま降板したが、チームは9回に追いつかれ、延長戦でサヨナラ負け。開幕戦勝利はならなかったが、高津監督は「(抜てきは)本当に正解だった。よくゲームをつくったと思います。スタートとしてよく頑張った」と振り返った。【佐瀬百合子】
◆楽天からFA移籍したヤクルト茂木栄五郎内野手が、移籍後初安打を放った。「7番三塁」で先発出場し、6回2死で巨人堀田から右前打。一挙4得点を奪った5回無死一、三塁では四球を選び、追加点のホームを踏んだ。主力の村上、山田が離脱する中で、攻守で躍動。「勝ちたかったです。1本出るのと出ないのじゃ全然違うので良かった」と話した。
◆巨人は、「阿部采配」が的中し、最大5点差をひっくり返し、ヤクルトにサヨナラ勝ちした。同点の延長10回2死二塁、1番で起用された若林楽人外野手(26)が、左越えのサヨナラ打を放ち、劇的な勝利に導いた試合後、阿部慎之助監督(46)は「いや、もう興奮しました、はい。ナイスバッティングでした」と若林の一打を称賛。「1番バッターとして、最高の働きをしてくれたなと思いますし、最後ね、オープン戦の終盤、調子が良かったんで、抜てきさせてもらった」と1番起用の理由を説明した。3点を追いかける9回1死一、三塁から若林が反撃の適時打。1死満塁から吉川が同点の2点適時打を放った。ともにイニングの先頭で甲斐が安打で出塁。阿部監督は「甲斐の出塁で、あきらめないんだっていうね、そういうのがチームに伝わった逆転劇だったなと思います」と評価した。チームは6回までに5点をリードされたが、7回以降はリリーフ陣が無失点リレー。8回にキャベッジが来日初本塁打となる2ランで3点差に迫り、9回に同点に追いつき、延長10回に若林が試合を決めた。
◆巨人が最大5点差をひっくり返すサヨナラ勝ちで、開幕戦を飾った。3点差で迎えた9回に追いつき延長戦へ。延長10回2死二塁、1番で起用された若林楽人外野手(26)が左翼にサヨナラ打を決めた。先発したエース戸郷翔征投手(24)の負けを、全員野球で帳消しにした。2年連続で開幕投手を託されたが、5回4失点で降板。5回を投げ終えると、ベンチで阿部監督からねぎらわれたが、表情一つ変えることなく座ったままだった。直後の攻撃で代打を送られ交代し「仕事ができなかった。それだけです。次、頑張ります」と短い言葉に反省と次回への決意を込めた。5回に悪夢が起きた。先頭のサンタナに、この日初安打となる左前打を浴びると、続くオスナの強烈な打球を一塁手・岡本が後逸。無死二、三塁としてから赤羽に先制の左前適時打を許した。その後も中村悠、西川にも適時打を打たれ、この回だけで4失点。4回まで38球で無安打とテンポの良い投球を見せていただけに、突然崩れた。より一層の自覚を持って行動してきた。菅野がオフに米大リーグ・オリオールズに移籍。「柱として何か伝えることは伝えたいですし。強くなることが一番なので、その1つ手助けになれば」と、キャンプ初日から新加入の田中将と積極的にコミュニケーションを図るなど、投手陣のリーダーとして役割を全うしてきた。そんな姿に打線が奮起。昨季のセ・リーグ王者が連覇に向け、劇的なスタートを切った。【水谷京裕】
◆ヤクルトが5点差をひっくり返される苦しい試合で、25年シーズンをスタートした。初の開幕投手を務めた奥川恭伸投手(23)が昨季王者の巨人打線を相手に6回7安打無失点。1回無死二、三塁、2回は1死満塁のピンチをしのぎ、90球を投げて、リリーフ陣につないだ。だが勝利間近の9回に5番手田口が5安打を許し、3失点で同点に追いつかれた。延長10回には清水が巨人若林にサヨナラ打を浴びた。高津臣吾監督(56)は「もろに出ましたね、心配しているところがね。今ベンチ8人入れているので、いろいろ相性とか見ながら登板は今後も考える」と話した。今年2月には代表取締役会長CEOオーナー代行の衣笠剛さん(76)、球団マスコット「つば九郎」の担当者が相次いで死去。この日も東京ドームの三塁側ベンチにつば九郎のぬいぐるみを置いて戦った。チームは弔い、感謝を示す特別なシーズンとなったが、開幕戦白星発進とはならなかった。敗戦投手の清水は23年7月28日DeNA戦から10連敗。同投手は19~21年にも10連敗しており、2度の2桁連敗は76~77年に10連敗、78~80年に12連敗の堂上(中日)以来6人目。ヤクルトでは61~63年に11連敗、64~66年に11連敗の森滝に次いで2人目。
◆巨人は、開幕戦で最大5点差をひっくり返し、ヤクルトから劇的なサヨナラ勝利を飾った。「あきらめない姿勢」を結果で示したのは、ソフトバンクからFAで新加入し、3安打猛打賞と活躍した甲斐拓也捕手(32)だった。3点を追いかける9回、先頭で打席に立ち、中前打で出塁。1死一、三塁から若林の適時打でホームに生還すると、1死満塁から吉川の2点適時打で同点に追いついた。延長10回にも先頭で打席に立ち、ヤクルト清水から中前打をマーク。代走に増田大が送られ、2死二塁から若林のサヨナラ打で勝利を決めた。阿部慎之助監督(46)は「甲斐の出塁で、あきらめないんだっていうね、そういうのがチームに伝わった逆転劇だったなと思います」と評価した。先発戸郷が5回4失点でKOされ、打線は1回無死二、三塁の絶好機に中軸が凡退した。2回1死満塁でも無得点に終わり、阿部監督がスタメンを託した坂本勇人内野手(36)も2併殺を含む5打数無安打。7回まで5点のリードを奪われたが、甲斐の一打が打線に勢いを与えた。
◆巨人甲斐拓也捕手(32)がデビュー戦を猛打賞で飾った。「7番捕手」でスタメン出場。2回の第1打席に移籍後初安打をマークするなど、5打数3安打も「今日は今日で終わったということなので。また明日しっかりリセットしてやっていかないといけない」と気を引き締めた。守備では扇の要として開幕戦勝利に導き「こういったゲームを勝てたのはチームにとって大きい勝ちだった」と安堵(あんど)した。
◆巨人ライデル・マルティネス投手(28)が移籍後初勝利をつかんだ。延長10回から登板。最速153キロの直球を軸に3者凡退に抑えて直後のサヨナラ勝ちを呼び込み「本当にすごい歓声で、自分を受け入れてくれたファンの歓声に感謝したい」と振り返った。「1年間チームに貢献するために頑張る。やっぱり日本シリーズに行って勝ちたい、そのために来たので、頑張りたい」と力を込めた。
◆昨季リーグ王者の巨人が、球団史上最大の大逆転劇で開幕戦を制した。7回まで5点のリードを許すも、終盤の8回、9回に驚異的な追い上げで試合を振り出しに戻した。延長10回に離脱中の丸の代役として1番に抜てきされた若林楽人外野手(26)のサヨナラ打で勝負を決めた。2番の新外国人のトレイ・キャベッジ外野手(27)は来日1号を含む3安打2打点の大当たり。就任2年目の阿部慎之助監督(46)の選手起用がさえ渡った。ちょうど1年前と同じで、嵐のような雨だった。都内の自宅周辺ではソメイヨシノのつぼみが満開を目前にしている。阿部監督は、今年もランニングウエアに着替えて自宅を飛び出した。「6時出走。去年と同じで雨だったね。雨にも風にも負けないで走ってやったわ」。午前5時過ぎに起床し、天気予報は眼中にない。何食わぬ顔で暴風雨の中、淡々と約8キロを走破した。ベンチでは変化を恐れなかった。1番若林、2番キャベッジはオープン戦では1度もない組み合わせだった。「いろんな選択肢がある中で2人とも脚力がある。足が使えるから」。機動力を重視した上位打線が5点差からの大逆転を引きよせた。8回無死一塁で、キャベッジが反撃ののろしを上げる1号2ランを放った。延長10回2死二塁には、若林が清水から左翼へサヨナラ打を決めた。序盤は我慢が続いた。1回無死二、三塁の絶好機は無得点。2回は下位打線が単打でつないで1死満塁も、1点が遠かった。「ほとんどバントするとかあんまり。とにかく、打て打てでやってるので。打ち勝つんだっていうね。みんなこれで分かってくれているだろうし」と、犠打を多用した昨季の攻撃から様変わりさせた。一方で、勝負どころの延長10回は犠打で得点圏に走者を進めた。昨季のリーグ王者らしい、試合巧者の戦いぶりでもあった。試合時間3時間26分はこの日の最長だった。最後の最後まで諦めず、球団史では絶望的な開幕戦での5点差の劣勢をもはね返した。「とにかく、勝負事なんで勝敗はあるし、そこに一喜一憂しないで。味方もミスするかもしれないけど、みんなでカバーして、全員が同じ方向をまた向くんだっていうね。(試合前は)そういうミーティングさせてもらいました」と大きくうなずいた。長丁場のペナントレースが幕開けした。少々の苦難は想定内。あと142試合を走り抜く。最後の最後に待つ歓喜を渇望する。昨季からスローガンに掲げる"新風"に今季は加えた「2ND CHALLENGE」に挑む。【為田聡史】
◆巨人トレイ・キャベッジ外野手(27)が、ヤクルト田口から死球を受け、叫び声を上げた。2点を追いかける9回1死一、三塁、田口の抜けたボールが右手甲付近に直撃し、顔を真っ赤にしながら声を張り上げた。試合後、キャベッジは「ぶつけられたから怒ったっていうよりは、打ちたかったのに打たせてもらえなかったからちょっとイライラしたりしてしまったんですけど、それでチームが結果的に勢いがついたのであれば、それはすごい良かったなというふうに思います」と理由を話した。キャベッジは、1回無死一塁、ヤクルト奥川から来日初安打となる右翼フェンス直撃の二塁打をマーク。5回にも二塁打を放ち、5点を追う8回には無死一塁から1号2ランを放ち、3安打猛打賞を記録した。チームは、9回にキャベッジの死球の後、次打者の吉川が中前に同点の2点適時打を放ち、延長10回に若林のサヨナラ打で劇的な勝利を飾った。
◆巨人は阿部慎之助監督(46)が指揮を執る2シーズン目が幕を開ける。新外国人のトレイ・キャベッジ外野手(27)は2番に入った。ソフトバンクからFAで加入した甲斐拓也捕手(32)は「7番・捕手」で新天地デビューを果たす。
◆ヤクルト・奥川恭伸投手(23)がプロ6年目で初の開幕投手を務める。主将の山田哲人内野手(32)、主砲の村上宗隆内野手(25)が故障離脱する中、楽天からFAで新加入の茂木栄五郎内野手(31)が「7番・三塁」、育成出身5年目の赤羽由紘内野手(24)が「6番・二塁」で先発する。
◆敵地での開幕戦前、本拠地で「シーズン完走」を祈願した。ヤクルト・田口麗斗投手(29)は巨人戦前、神宮球場の正面入り口前で「一年間よろしくお願いします。けがなく、最後まで乗り切れますように」と頭を下げた。「東京ドームで開幕ですけど、自分たちの本拠地、ホームグラウンドにあいさつをしたいなと」オープン戦は4試合で防御率0・00(3回?を無失点)で「ようやく自分のイメージみたいなものがつかめてきた」と開幕に照準を合わせてきた。相手は2020年まで7年間所属した古巣。「去年優勝しているチームなので、このカード取って勢いをつけたい」と意気込んだ。
◆?巨人・岡本が2019年から7年連続通算7度目となる開幕戦4番先発出場。巨人で開幕戦の先発4番を通算7度以上任されたのは、長嶋茂雄の15度、川上哲治の13度、原辰徳の10度に次ぐ、中島治康と並ぶ歴代4位で、王貞治の6度を上回った。7シーズン連続で36年秋-40年の中島(7季)、52-58年の川上(7年)、63-74年の長嶋(12年)に次いで4人目で、2位タイ。?坂本が通算17度目となる開幕戦先発出場。巨人で17度は王の20度に次ぐ、長嶋と柴田勲に並ぶ歴代2位。川上と高橋由伸の16度を超えた。
◆球界屈指の捕手が、ついにジャイアンツデビューの日を迎えた。ソフトバンクからフリーエージェント(FA)権を行使して巨人に移籍した甲斐拓也捕手(32)が、開幕戦に「7番・捕手」で先発出場。2年連続2度目の開幕投手を務めた戸郷とバッテリーを組んだ。「独特な雰囲気があるのは間違いない」と臨んだ開幕戦。ソフトバンクでは2018年から開幕スタメンで出場し、昨季まで7年連続で勝利に貢献した。二回1死無走者で迎えた第1打席。1ストライクから奥川の150キロ直球を右前にはじき返し、移籍後初打席初安打をマークした。新天地で迎えた春季キャンプ。現役時代は同じ背番号「10」で巨人の扇の要を担った阿部監督から、熱のこもった打撃指導を受けた。フォームのトップから、バットスイングの軌道、出し方まで、時に身ぶり手ぶりをまじえながら助言を受け、甲斐も沖縄・宜野湾でのオープン戦出場後に一人、那覇に戻って打撃練習を行うなど指揮官の熱意に応えた。移籍に伴い離れて生活していた家族も「開幕からは見に来ると思う」と明かした。昨季、リーグ優勝を果たしたチームに加わった経験豊富な新戦力。パ・リーグの常勝軍団で培ったエキスをセ・リーグの伝統球団に注入し、13年ぶりの日本一のピースとなる。
◆ヤクルト・赤羽由紘内野手(24)が「6番・二塁」で自身初の開幕スタメンを勝ち取った。五回無死二、三塁の第2打席。先制の左前適時打を放ち、起用に応えた。「内野が前進していましたし、甘い球は積極的に打ちにいきました。最初のチャンスだったので先に点が取れて良かったです」。巨人の開幕投手、戸郷が投じた初球だった。145キロの直球を捉えると、走りながら「おっしゃー」と叫んだ。2021年に育成ドラフト2位で独立リーグのBC信濃から入団。22年に支配下登録された苦労人だ。山田や村上ら主力が故障で開幕に間に合わない中、チャンスをつかんだ24歳がさっそく躍動した。
◆2年連続で開幕投手を務めた巨人・戸郷翔征投手(24)が5回4安打4失点でマウンドを降りた。四回まで一人の走者も許さず、ヤクルト打線を寄せ付けない完全投球を披露。五回、先頭のサンタナに左前打で初安打を浴びると、無死二、三塁から赤羽の左前打で先制点を献上。さらに8番・中村悠に中前2点適時打、西川に右前適時打で4失点を喫した。直後の攻撃で代打を送られた。
◆ヤクルト・中村悠平捕手(34)が「8番・捕手」で先発し、五回無死満塁の第2打席に中前2点打を放った。巨人の開幕投手、戸郷の直球をはじき返し「(7番の)茂木が最高の形(四球)で回してくれたので、打つことができて良かった」。扇の要が、開幕投手の奥川を援護した。
◆ヤクルトのドミンゴ・サンタナ外野手(32)が「4番・左翼」で先発し、今季のチーム1号を放った。カウント3―1から巨人の2番手右腕・堀田が投じた直球を捉えると、打球は左翼席中段に吸い込まれた。主砲・村上が上半身のコンディション不良で開幕に間に合わない中、4番を任された助っ人は「バッティングカウントだったので思い切って打ちにいきました」とうなずいた。
◆巨人の新外国人、トレイ・キャベッジ外野手(27)=前パイレーツ=が「2番・右翼」で先発し、来日1号本塁打を含む猛打賞デビューを飾った。2本の二塁打を放ち、0-5で迎えた八回無死一塁の第4打席。カウント3-2からヤクルト・山本のスライダーを一閃。打った瞬間確信の打球は右翼席へ2ランとなって突き刺さった。
◆来日1号含む猛打賞を放っていた巨人の新外国人、トレイ・キャベッジ外野手(27)=前パイレーツ=が3-5と詰め寄った九回の第5打席で死球を受けた。好機での死球に、キャベッジは一塁へ向かう間に叫ぶなど感情を露わにした。この後の満塁に広がったチャンスで吉川が同点の2点打。試合は延長に突入した。
◆チームに〝刺激〟を-。2年連続5位からの巻き返しを期すチームの旗手として、ヤクルト・奥川恭伸投手(23)が並々ならぬ覚悟を持って開幕戦のマウンドに上がった。「やっぱり勝たなきゃ意味がない。開幕を任せてもらえる以上は絶対に勝ちたいなという気持ち」プロ6年目で初の大役。5回4安打無失点と好投した広島とのオープン戦(マツダ)の翌日の9日に、高津監督から監督室に呼ばれて、直接伝えられた。指揮官からは「チームに刺激を与えてというか、アクションを起こしたかったので〝ヤス〟しかいないと思って」と思いが込められての抜擢(ばってき)だった。昨季3勝に終わった剛腕にとってはサプライズ指名。背番号18は「自分としても、チームとしてもいいスタートが切れるように何とか勝ちたい」と指揮官の期待を粋に感じないわけがなかった。主将の山田、主砲の村上が不在のチームを鼓舞するように腕を振った。勇気を与えたいのは、チームだけではない。昨年1月に発生した能登半島地震で被害を受けた故郷の石川県の人々だ。オフも10月からハードなトレーニングに励む傍ら、野球教室などに積極的に参加。すべては野球を通じて地元の子供らに元気を与えたかったから。「活躍していいニュースを届けるのが一番。もっと憧れてもらえるような選手にならないといけないと、すごく思った」と子供たちから向けられるまなざしで覚悟を決めた。燕の背番号18がさまざまな思いを背負ってマウンドで躍動した。奥川は6回7安打無失点で勝ち投手の権利を持って降板。しかし救援陣が炎上する。0-5の八回に2失点すると、九回には一挙3失点でまさかの延長戦突入。奥川の今季1勝目は土壇場で消滅した。そして迎えた十回、6番手の清水が2死二塁から若林にサヨナラを浴びた。5点リードを守れず最悪の開幕戦となってしまった。
◆巨人が劣勢をはね返しサヨナラ勝ち。0―5の八回にキャベッジが2ラン。九回は若林と吉川の適時打で追い付き、延長十回2死二塁から若林の適時打で勝負を決めた。ヤクルトは奥川が6回無失点と好投したが、救援陣が崩れた。
◆6回無失点の奥川恭伸。チームは悔しいサヨナラ負け=東京ドーム(撮影・佐藤徳昭)
◆巨人の新外国人、トレイ・キャベッジ外野手(27)=前パイレーツ=が「2番・右翼」で先発し、来日1号本塁打を含む3安打で勝利に貢献した。3-5の九回1死一、三塁で迎えた第5打席。死球を受けたキャベッジは絶叫。感情を露わにして一塁へ歩いた。そのシーンについて「ぶつけられたから怒ったというよりは、打ちたかったのに打たせてもらえなかったからちょっとイライラしてしまった」と和やかな表情で説明した。試合はその後の吉川の2点打で追いつき、延長十回には若林が劇的サヨナラ打。5点差を跳ね返した勝利に「それでチームが結果的に勢いがついたのであれば、すごく良かったなと思います」と語った。
◆ソフトバンクからFAで加入した巨人・甲斐拓也捕手(32)は新天地でのデビュー戦で3安打を放った。九回は先頭で中前打を放ち、同点劇を演出。阿部監督は「甲斐の出塁で『諦めないんだ』というのがチームに伝わった」と絶賛した。
◆中日から4年総額50億円規模の大型契約で加入した巨人の新守護神マルティネスは延長十回を三者凡退に抑え、移籍後初登板で白星をつかんだ。球場が暗転する演出でド派手に登場した右腕はお立ち台で「正直、緊張した。まずはファンに感謝したい」と語り、「日本シリーズで勝つために来た」と宣言して場内を沸かせた。
◆?巨人が開幕戦でサヨナラ勝ちしたのは、2021年(○8-7DeNA、九回に亀井のサヨナラ本塁打)以来4年ぶり5度目。延長でのサヨナラ勝ちは1990年(○4-3ヤクルト、十四回に山倉の四球)以来35年ぶり3度目。?若林がサヨナラ安打を含む1試合4安打。巨人の選手が開幕戦で4安打を放ったのは、72年の王貞治(対阪神、5打数4安打2打点、1本塁打)以来53年ぶり。サヨナラ打を含む4安打は球団史上初めてで、球界全体では98年の近鉄・武藤孝司(○5-4ロッテ、十回のサヨナラ単打を含む5打数4安打2打点)以来27年ぶり。?開幕戦での5点差以上の逆転勝ちは、22年のヤクルト(四回裏終了1-8→最終10-8阪神=7点差)以来3年ぶり。巨人では98年(一回裏終了0-4→最終6-4ヤクルト)と14年(三回表終了0-4→最終12-4阪神)の4点差を上回る最大差逆転勝ち。
◆苦しみながらも役割を全うした。ヤクルト・奥川恭伸投手(23)が自身初の開幕投手を務め、6回7安打無失点。チームが逆転負けを喫し、今季初勝利はお預けとなったが「何とか粘って、ゼロで終われてよかった」と堂々たる投球を披露した。粘り強さが光った。一、二回は得点圏に走者を背負う苦しい立ち上がり。「開き直ってアウトを重ねることを考えた」と最速151キロの直球とスライダーで要所を締め一気に流れに乗った。6回を無四死球。高津監督から「チームに〝刺激〟というか、アクションを起こしたかった」と期待を込めての指名に最高の形で応えた。石川・星稜高から2020年にドラフト1位で入団して6年目。背水の覚悟で臨む今季を「自分の中で分岐点の年」と位置づける。昨季は、度重なる故障から復活勝利を挙げるもわずか3勝。それだけ「あそこ(開幕戦のマウンド)に立てる喜びとか、楽しめた場面もあった」と充実の表情を浮かべた。入団時から指導してきた〝まな弟子〟の快投に指揮官は「(序盤は)どうなるかと思ったけどね、よく踏ん張った。(開幕に抜てきして)本当に正解だった」と目を細めた。昨季のリーグ覇者、巨人打線の反撃に屈し、4年連続の開幕戦勝利こそ逃したが、2年連続5位からの巻き返しを期すチームに、背番号18が一筋の光をともした。(樋口航)
◆ミラクル開幕!! 巨人は28日、ヤクルト1回戦(東京ドーム)に延長十回の末、6―5でサヨナラ勝ち。故障離脱の丸佳浩外野手(35)に代わり「1番・左翼」で出場した若林楽人外野手(26)が左越えに決勝打を放った。七回終了時に0―5とリードを許しながら大逆転勝利を飾り、昨季の王者がリーグ連覇、日本一へ好スタートを切った。悔しさの分だけ、打球は遠く、飛んでいった。開幕戦で0―5からの大逆転劇。前進守備の左翼手の頭上をはるかに越える決勝打でフィナーレを飾った若林は、仲間の手荒い歓喜のウオーターシャワーを浴び「あまり実感がないのが正直。全部出し尽くしました」と万感の思いを語った。昨季、不動の1番を担った丸が開幕直前に右脚を負傷して離脱。チームの非常事態に開幕1番で起用された背番号59は、「独特な雰囲気の中でチームに勇気を与える」と一回の第1打席でいきなり中前打を放った。九回にも反撃の適時打を右前へ放ち、最後は十回2死二塁。カウント1―1から清水の内角直球を振り抜き、試合を決めた。昨年6月に西武からトレードで加入した。史上初の同一シーズン2球団でのサヨナラ打を記録する意外性を発揮するなど攻守で戦力となったが、9月に自然気胸を発症。「息苦しくて、胸と背中にすごく痛みが走った」と入院し、胸に管を入れる胸腔ドレナージという治療を受け痛み止めを飲み生活した。リーグ優勝がかかる勝負どころでグラウンドに立つことすらできず「悲しさが大きかった」と明かした。リハビリを経て、今春のキャンプは2軍ながらも進化して、来たるべきときを待った。ベンチスタートのときでも、主力打者の打席をじっくりと観察。「僕の場合は1打席で結果を残さなきゃいけないので、そういうときに自分がどうなっているかを見比べた。レギュラーの人はリラックスしながら懐がある。緊張感のある中でもそれを意識すれば、素直にバットが出る」。得た学びを大一番で体現してみせた。開幕戦での4安打は、1972年の王貞治以来球団53年ぶりの快挙。お立ち台では「明日が逆に不安です」と繰り返したが「きょうがゴールじゃない。成長できるシーズンに」と気を引き締めた。大型補強の中で伏兵も力を発揮し、連覇ロードを明るく切り開いた。(浜浦日向)
◆ビンタを張られた感じではないかな。もともと巨人にいる選手たちにとって、だよ。よそから来た選手たちに、こうも活躍されると、刺激を受けないわけがないからね。昨年途中から加入した若林が、左越えにサヨナラ打。甘いまっすぐとはいえ、しっかり呼び込んで、コンパクトな素直なスイングではじき返した。九回の右前タイムリーは、一貫して逆方向を狙ったもの。素晴らしい仕事だった。ヒーローインタビューで「明日が心配です」ともらしたところも、謙虚でよろしい。気分のいいコメントだった。新加入のキャベッジと甲斐も、それぞれ役割を果たした。なにより、こんな戦い方は昨年まで見られなかった。岡本が打たないと、つながらなかったからね。これで生え抜きが目を覚まし、全体が底上げされれば、いうことなし。もうひとつ。とりあえず大勢かな...と予想した十回、阿部監督がマルティネスを投入すると、わずか8球で封じ、サヨナラ劇につなげた。ベンチの勝負カンもさえていた。もろもろあって、巨人は絶好のスタートを切ったと思うよ。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 巨人 |
1 | 0 | 0 | 1.000 | - | 142 | 6 | 5 | 1 | 0 | 0.395 | 2.700 |
1 | 阪神 |
1 | 0 | 0 | 1.000 | 0 | 142 | 4 | 0 | 1 | 0 | 0.235 | 0.000 |
1 | DeNA |
1 | 0 | 0 | 1.000 | 0 | 142 | 5 | 0 | 0 | 1 | 0.321 | 0.000 |
4 | 広島 |
0 | 1 | 0 | 0.000 | 1 | 142 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0.133 | 4.000 |
4 | ヤクルト |
0 | 1 | 0 | 0.000 | 1 | 142 | 5 | 6 | 1 | 0 | 0.216 | 5.590 |
4 | 中日 |
0 | 1 | 0 | 0.000 | 1 | 142 | 0 | 5 | 0 | 0 | 0.129 | 5.630 |
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