真っ黒い絵の具
粉団に混ざり込んだ
妙に艶めかし過ぎな
ソフトクリームを
溢して破茶滅茶に
塗りたくられた空の下
正気を取り戻した
見慣れる緑の景色
いつか途切れたままの
白昼夢の情景と
リンクして不自然な
鮮やかさを帯びる
少しだけ先の未来に
踏み出し歩く感覚
頭ではくっきり
捉えているようで
曖昧さは否めない
丸裸で森の中を
彷徨っているようで
無意識に進めば
このまま望みの
場所まで辿り着けそな
操られているのか
そっちの方向へ
いやそれとはまた違う
気持ちは宙に
ゆらり翻し返した踵
冷やかな風が
そおっと身体を撫ぜ
水面を騒がせ始める
いつも陽の昇りを
迎える丘の池畔に立ち
僅かばかりの
濃い光が零れ照らす
眼下の田舎町を眺め
道草をくってまた
この風景から抜けだし
食い倒れ人形宛ら
毎度の工事現場
粧し込み佇むついで
本当はもっと
気儘放題にやりたい
心を密かに押し殺し
皆に愛想を振り撒く
滑稽な自分の姿を
やるせなく思い浮かべる
※In a sweet pale shade
…甘やかな淡い影色で