熱中症で亡くなった人に対する責任は誰にあるのか?

環境・自然
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以前、夏場のエアコン使用を禁止すべきという記事を書き、当然ですが賛同する人はほぼいませんでした。

夏場のエアコン(冷房)使用を法律で禁止せよ! 熱中症を誘発するエアコンについて
今年の夏は、関東地方から中国地方にかけて、最高気温が40℃手前の日が1週間異常続く異常な暑さとなっています。 こんな異常な暑さの中、私は極めて異常な提案したいと思います。 それは、 エアコン(冷房)の使用禁止 です。...

近年起こっている夏の気温上昇は地球温暖化ではなく、都市部に人が集まりすぎるヒートアイランド現象が原因と言われています。
このヒートアイランド現象は、主に

・地表面のコンクリート・アスファルト化
・高層ビルの大量建設による浜風の弱まり
・交通量増加による排熱の増加
・人口増加に伴う生活熱の増加
・エアコン(冷房)使用による排熱とそれに伴う悪循環

などが原因とされているのですが、この中でエアコンの使用だけは『気温が上がる→エアコンの使用頻度が高まる→排熱によって外気温が上がる→エアコンの使用頻度が更に高まる』という悪循環が生じてしまいます。
エアコンの使用より夏における都市部の平均気温は1℃や2℃、最高気温に関しては上記した悪循環の影響が強く出るので3℃以上高くなっていると個人的には考えます。

では、ここで観測開始から2022年までにおける東京都の猛暑日日数を御覧ください。


引用:大都市における猛暑日日数の長期変化傾向 – 気象庁

このグラフを見る限り猛暑日が極端に増え始めたのは1990年代からで、それまでは東京で35℃を超える日はめったにありませんでした。
実感としても、1980年代と比べて最近の最高気温が上がった感覚があります。
70年以上も守られていた1933年の山形県山形市で観測した40.8℃という日本の最高気温記録が2007年に破られて以降、何度も更新されていることからも近年の最高気温上昇が顕著であることがわかります。
※名古屋、大阪、福岡なども同じような状況である。

2014年に気象庁の観測地が大手町から北の丸公園に移動してるが、上記データに大きな影響はないものと思われる。
ちなみに、グラフには反映されていないが東京における2023年の猛暑日日数は記事投稿(8月30日)時点で22日となり、昨年記録した16日という記録を大幅に更新している。

上記したヒートアイランド現象を招く5つの項目の内、地表面のコンクリート・アスファルト化は1980年代には既に広がっており、逆に現在は屋上緑化などが進んでいます。
高層ビルも都心部では1980年代までにかなり数が建てられていました。
交通量は1980年代よりも今の方が増えていますが、電気自動車やハイブリット車はもちろん通常のガソリン車でも昔よりも効率的にエネルギーが使われ排熱が抑えられるようになっているほか、圏央道や外環自動車道などといった環状道路の完成により東京の渋滞はバブル期に比べ1/3程度に減っているそうです。(参照:渋滞イライラ度はかつての100分の1に!? 日本の渋滞問題、実は大幅改善されていた?
人口の増加で見ても、東京23区の人口は1960年代後半からほとんど増えていませんし、現在は全都道府県で人口の減少が起こっています。

一方、エアコンの使用頻度は1980年代よりもかなり増えていると思われます。
エアコン(クーラー)は1960年代半ばに普及し、当時は3C(クーラー、カラーテレビ、車)と呼ばれる庶民が手に入れたい代表的なものでした。
1980年には家にエアコン(クーラー)がある家が大半になったと思いますが、1家に1台という家庭が多かったようです。
それが現在は1部屋に1台のような感覚でエアコンが設置されているようになりました。
更に核家族化も進んでいるため1人で1つのエアコンを使うようなケースが増えているほか、使用頻度も昔は1日中エアコンを付けるようなケースは稀でしたが、今は部屋に人が1人でもいれば朝から晩までエアコンをつけっぱなしというケースが増えています。
中にはペットのために人もいないのに1日中エアコンをつけているという話も聞きます。
また2022年9月に公表されたデータによると、現在、公立小中学校及び特別支援学校・幼稚園の普通教室における冷房設置率は95.7%、公立高校では94.1%と、ほぼ全ての学校教室でエアコンが設置されるようになりました。
増加率は、ここ12年で76%ということです。(参照:公立小中等の普通教室、冷房設置率95.7%…12年で76ポイント増
以上のように、ここ20年30年でエアコンの使用頻度は急速に高まっている様子が窺えるのです。

東京では、ヒートアイランド現象を起こす要因の内、猛暑日の少なかった1980年代までと比べ著しい変化があるのはエアコンの使用率だけがと思います。
以上のことから、近年における最高気温の上昇理由はエアコンの使用増加と関係性が強いと考えていいのではないでしょうか?

さて、本題はここからです。
上記したような最高気温上昇の影響もあってか、近年、熱中症で亡くなる人が増えていますが、その多くは高齢者でありエアコンの使用をしていない場所で起こっています。
高齢者は、エアコンが家にあるにも関わらず使用を我慢しているケースも多いようなのです。
昨今、こういったエアコンを付けずに熱中症で亡くなる人に対し、エアコンを付けないことが悪いという主張がよくされています。
マスメディアでも夏場はエアコンを使用しろと頻りに言います。
しかし熱中症に対して本当に責任があるのは、

エアコンを付けないで我慢している人ではなく、エアコンを付けて外の気温を上げている人

です。

現在の気温状況で夏にエアコンを消して過ごせとは言いません。
ただ、熱中症に関する問題の責任が自分たち(エアコンを付けている人たち)のほうにあるということは認識してほしいと思います。
そもそも都市部にだって人間以外の動植物は存在しているのですから、外気温を大幅に上げるような行為(エアコンの過度な使用)は本来避けるべきです。
野良猫を見て可愛いと言いながら動物が好きと主張する人が、エアコンの効いた部屋で過ごしているなんてことは本来ありえない話なのです。

今年は猛暑日を記録する日数が各所で最高となる非常に暑い夏でしたが、私は当然エアコンを一切付けずに過ごしたことを報告します。

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