ノーメンテで40年もたせる!ウッドフェンスの作り方(1/3)構想~設計、材料の仕入れ

2024/03/24

ウッドフェンス

耐久性を旨としたウッドフェンス(板壁)作るど~!
こういうの、作りたいッ(ご近所のガーデン)

フェンスづくりのコンセプト

さて我が庭は、接道に対して非常にオープンで……

丸見えがすぎる

目隠しが欲しいッ!!!
生け垣もいいけど、手入れが大変そうなので、やはり板壁(ウッドフェンス)を作っておきたい。自然素材で、高さは160cm。我が庭人生に伴走してもらうには40年もってほしい塗装の塗り直しもしんどいのでやりたくないッ。ということで、フェンスづくりのコンセプトは、

一度作ったら何もしない。ノーメンテで40年もたせる。

将来楽するためやったら、多少の課金はいとわへんでぇ〜と、調べまくって悩みまくって、数年がかりでようやく計画が錬成されたので、その思考過程を記録しておこうと思う。

デザイン

まずは全体のデザイン決め。ざっくり分けて3種類あると思われる。


・横への広がり感あり
○製作は易しい
○地面に近い部分から朽ちやすいが、下部の柵板数本の交換ですむ

・縦への勢いあり
○製作は易しい
▲地面に近い部分から朽ちやすく、その際は柵板すべて交換しなければならない
▲狭い場所で高い塀に使うと圧迫感を生じるおそれ

バイアス

・おしゃれ感あり
▲製作は難(○市販品は入手しやすい)
▲占有面積、周囲の植栽如何でゴチャゴチャした印象になるおそれ

選んだのは…

ぱっと見で一番好みなのは、横フェンス。特にデメリットもなさそうなので即決。隙間は9mm程度にしてみた。
※2cmの隙間だと中の様子が透けて見える。目隠し>防犯ならば1cm以下が良い(自分調べ)。

支柱の仕様

フェンスの心臓部、うちでは施工しやすさよりも「耐久性」「強度」を優先したい。
(→台風の場合に受ける風圧の計算はこちらのサイトが便利)

掘っ立て柱

○施工は易しい
▲地際から腐食しやすい(ソフトウッドなら10年程度?)
▲固定強度は弱め
○柱の交換は易しい

モルタル+柱

▲地際から腐食しやすい(ソフトウッドなら10年程度?)
▲柱の交換時、モルタルに埋まる木材を撤去しずらく、既存モルタルは再利用困難(邪魔になる)

モルタル+足下金属部材

▲地際から腐食しやすい(ソフトウッドなら10年程度?)
○柱の交換時、モルタル・金属部材は再利用OK
▲高いフェンスを建てるには柱の固定強度に不安あり(金属部材の長さが短い)
▲鉄製のものはサビる心配あり

市販の束ブロック+柱

▲地際から腐食しやすい(ソフトウッドなら10年程度?)
○柱の交換時、束ブロックは再利用OK
▲柱の固定強度に不安あり(四つん這いで低く構えるウッドデッキには向くが、一列で自立すべき高いフェンスには不向き)

モルタル+アルミ(or人工ウッド)支柱


○柱は朽ちない(交換必要なし)
▲見た目は自然木には劣る

選んだのは…


基本的にはアルミ支柱、そして、見た目などを考慮して、


アルミ+ハードウッドの自作ハイブリット支柱!(本体はアルミ、ハードウッドで覆う)。
ここが一番の悩みどころだった。支柱は足下から地上部まで丈夫に作っておかなければならない。そうすると、自然木だけでは耐久性に不安がある。かといって、人工ウッドは好みでない。となると、アルミ支柱しかない。アルミは耐久性あるけど、木の質感が欲しい&アルミ本体への穴あけも最小限にしたい……ということで、こうなった。ちなみに地際はアルミ柱のみで木部は接しない(=モルタル基礎を土に埋めて隠せる)。

※DIY系書籍やWeb記事等では、何故かこういう「耐久性あるフェンス支柱の仕様」について突き詰めた記述を見つけられない。各自でいろいろ考えるしかないようだ……。

フェンス板材の素材

続いて、フェンスの顔、板材をどうするか。

ハードウッド(ウリン、イペ、イタウバ等)



公園やアスレチックで使われている木材
○耐候性に優れる(耐用年数30年)
▲コストは高(杉の6倍~)

人工ウッド


木の粉とプラスチックを混合して作られた素材
○耐候性に優れるらしい
▲コストはかなり高(杉の10倍~)
▲見た目は自然木には劣る
▲使用後の廃棄物問題(再資源化できるのか不明)

ソフトウッド(杉・SPF・赤松など)


▲耐候性はハードウッドに劣る(塗料の塗り替え必要、耐用年数10年程度?)
○コストは安

焼杉でウッドフェンスを作れないか?
「焼杉の外壁は60年もつ」といわれており、自分で杉を焼いて板材に使うのはどうかとも考えた。しかし(薬剤処理ではなく)本物の焼杉外壁の炭化層は1cm程度。フェンスでは両面に炭化層が必要なため、板の厚さは全部で3cm以上になる。板壁としては厚くなりすぎ、かつ材料費もかさみ、さらに杉を焼く手間を考えると、ハードウッドを購入する方が賢明。


△耐候性はハードウッドには劣るが、杉の無垢材よりはやや優れる
▲コストは高(杉の4倍~)
○竹を貰うことができれば無料だが、▲油抜き加工の必要あり(結構大変)

 選んだのは…

ウリィィィィィィィーーーンッ

ってことで、ハードウッドのウリン耐候性に定評があり、現時点で価格・供給が安定している。12mm厚の板材を使う予定。
ウッディモリタさんのハードウッド耐久レースを参考にさせて頂いた。

長期ランニングコストでみると、ハードウッドはお得
ソフトウッド(杉・SPF・赤松など)の価格はウリンの約6分の1。今回、ウリンを使えば81,000円のところ、ソフトウッドならば13,500円。ただし、ソフトウッドの耐用年数10年とすると、今後の40年で3回張り替えが必要となり、最終的に合計54,000円になる。ウリンとの差、たった27,000円。3回分の張り替えの手間・防腐剤やペンキ塗り替えの手間・塗料代を考えると、ウリンの方がコスパが良いとの結論に。将来的に長く使う構造物については、ハードウッドで作っていこうと思った次第。

コート剤

無塗装

○木部の風合いを残せる
▲素材の耐候性は落ちる(ただし、ハードウッドの場合は無塗装で問題ない)

ペンキ

○好きな色にできる
▲厚塗りの場合、木部の風合いを残せない
▲劣化した場合、ぽろぽろ剥がれ落ちる(再塗装の場合はぽろぽろ除去が必要)

オイルステイン

○木部の風合いを残せる
○再塗装の場合は、上から塗り直すだけ

表面を炭化させる

○耐候性は有機コートよりも優れる(が、炭化層はそれなりの厚みが必要)
▲手や衣服に炭が付着する

選んだのは……

ハードウッド(ウリン)無塗装!

ハードウッドは、初めブラウンでも、色あせて灰色に。でも、こういう風合いは好みなのでむしろOK。どんとこい!

さらに耐久性を高める小ワザをプラス

ということで、ハードウッドで板壁を作ることにした。その耐用年数30年……さらに寿命を伸ばす技があるらしい。これで40年を狙う。

接合部に隙間をあける

ウッディモリタさんのウッドデッキ製作ページ、特に腐れ防止関連の内容は必見。


腐朽菌の繁殖を防止するには、木と木の接合部を(面では無く)点で接触するようにして隙間をあけ、雨水が抜けるような構造にする。これはウッドデッキや板壁のみならず、全てのガーデン木製品に使える技。
木部が接する部分について、数ミリ隙間をあけて留める。具体的には、①コーススレッドを打つ際に木と木の間にスペーサーをかませて打つ→その後スペーサーを外す方法、②間にナットを挟んで隙間をあける方法など。

笠木を付ける

てっぺんにずらっと笠木を付ける。紫外線や雨水を第一次的に受け止めてくれるので、板壁本体の耐久性が上がるらしい。これも簡単なので取り入れたいと思う。

設計

具体的な設計は、リーベさんの目隠しフェンス、DIYのボーダーフェンスの作り方!を参考にした。本やWebであれこれ作り方を物色したが、こちらの図解が最もわかりやすく、必要充分な情報でまとめてあるのでおすすめ。これを参考に、我が家のフェンスは高さ160㎝と高めで、長いところでは6mで自立してほしいので、控柱も入れることにした(控柱の作り方まで抑えてあるハウツー記事はほとんどないので貴重!)。

 こんな感じに建てる予定。

材料の仕入れ

ハードウッド

ホームセンターでは手に入らない。ネットショップを検討し、この2店で購入。

木工ランド……木材価格・送料ともに比較的安い。1本ごとに送料が明記してある。最低送料をクリアする必要あり。
ウッドデッキネット……木材価格が安い。倉庫に直接取りに行ければ送料無料でお得(我が家は大阪南港の倉庫まで引き取りに行った)。

アルミ支柱用の角パイプ

こちらはウッドデッキの基礎材なのだけれど、フェンスの支柱に使うのもOKとのこと。黒くて目立たないので気に入っている。専用のキャップも購入。

SE20【法人宛・支店留め限定で5000円以上送料無料】アルミ大引2メートル

SE24アルミ大引きキャップ

寸切ステンレスボルト

控柱と本柱をつなぐ部材は、寸切ステンレスボルト(M12×長420mm)にした。任意の長さかつお手頃価格で寸切ステンレスボルトを用意してくれるお店はモノタロウだけだった(ホームセンターではカット加工NGだった。金属カッターがステンレスボルト非対応とのこと)。
モノタロウ 寸切 荒先(ステンレス)

その他の部品

ステンレス製コーススレッドやボルトナットなど諸々の部品はホームセンターにて購入。

かかった費用

フェンス総長8.5mで資材費は約10万だった。

1m1諭吉くらいか……。


つづく!
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著者:なおと

著者:なおと
関西在住の主婦。2017年より1人庭を開墾し始める。愛読書は「月刊現代農業」、ドゥーパ! ブログ記事へのリンクはご自由にどうぞ〜画像・記事を引用される場合の引用元は、該当記事またはhttps://woniwa.blogspot.comでお願いします(いずれも報告等不要)。

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