筆記試験 技法についての解答例

筆記試験問題は、合気道の歴史や基礎知識が問われるものの他、指定された技法について述べる出題があります。

単に技法の手順のみを説明するのではなく、その技法の理合などについても言及するようにしたいところです。


出題と解答例


下記のような項目から出題されます。

なお、あくまでも “解答例” であり、正解というわけではありませんので、ご注意ください。

参考にされる方は、自己責任でお願いいたします。


Q.「四方投げ」について述べよ


剣を四方に切り分ける動作を体に表し技法としたもので、一方の足を軸に回転し、相手の腕を肩口に折りたたんで後方、あるいは四方に投げる技です。
剣を振りかぶり、切りおろす気持ちで行うことが大切で、重心の乗った伸びのある力を作用させることが重要です。



Q.「一ヶ条抑え」について述べよ


剣の振りかぶり、切りおろし、槍術の突き、入り身の動きを体術に表したもので、相手の肘関節を中心として体全体を崩し、肩、肘、手首を制し抑える技になります。
「一ヶ条抑え」を学ぶことにより、相互の間合いの取り方、斜行法、腰の入れ方、前進に出す力、流し方などが修得できます。
また、受けの動作を行うことにより、手首、肘、肩関節を鍛錬することができます。



Q.「ニヶ条抑え」について述べよ


相手の腕(手首、肘、肩関節)を「くの字」型に曲げ、手首関節を締めて相手を崩し、うつ伏せに制し抑える技です。
受けの動作を行うことにより、柔軟で、しかも強い手首、肘、肩関節を鍛錬することにもなります。
また、末端神経を刺激し、健康法としてもの意味も深いです。



Q.「三ヶ条抑え」について述べよ


相手の腕(手首、肘、肩関節)を「カギ」型に曲げ、手首関節を締めて相手を崩し、うつ伏せに制し抑える技です。
受けの動作を行うことにより、柔軟で、しかも強い手首、肘、肩関節を鍛錬することにもなります。



Q.「四ヶ条抑え」について述べよ


相手の手首内側(脈部の線上)に、自分の「人差し指」つけ根を当て、力を集中して、相手に激痛を与え戦闘力を奪い、相手を崩し、うつ伏せに制し抑える技です。
単なる握力、腕力ではない、強い足腰の線に乗った、伸びのある集中力、固定力を作用させることが重要です。



Q.「入り身投げ」について述べよ


相手の力をはずし、線を逸らして体を捌き、相手の側面から攻撃をかけ、身を入れて投げる技です。
「入り身」は合気道独特のもので、すべての技がこの「入り身」から成り立っていると言っても良いかもしれません。すなわち、真正面からぶつかりあって力を競うものでなく、人間の体の弱点とされている側面を攻め、体を崩して制するのです。
非常に小さな力でも相手を充分倒すことが出来る合気道の代表的な技の一つであり、「側面入り身投げ」と「正面入り身投げ」の二種類があります。



Q.「肘締め」について述べよ


合気道における「締め・極め」は、相手の関節を曲がる方向に力を加えて曲げ、制する技が大半ですが、「肘締め」は、相手の肘関節を完全に伸ばしきり、自分の肘と胸ではさみ固定し、回転動作により肘関節の曲がらない方向に力を加え、肘を締める技です。
合気道の締め技の中でも数少ない、一般に言われる「逆技」の一種になります。



Q.「小手返し」について述べよ


相手の手首を外側に返し極め、投げ、抑える技です。
合気道の技は、相手を持ち上げて投げたり、むりやり倒したりすることはなく、ごく小さな力で大なる威力を発揮できるようにできています。
「小手返し」も同様に、手首という一部分を攻めることにより、相手の体を崩し倒すことが出来る技です。



Q.「天地投げ」について述べよ


相手の力に合わせ左右の手刀を上下(天と地)に切り分けながら、相手を自分の動きと呼吸力の流れに同化させて崩し、入り身投げの要領で体を進め、切り崩し、倒す技です。
合気道特有の体捌き、呼吸力(集中力)のタイミングなどを修練するのに欠くことのできない技法と言えます。



Q.「呼吸法」について述べよ


合気道の技はすべて呼吸力によって施し、相手と力を競ったり、無理にねじ伏せたりすることはありません。技を施すときに、相手と呼吸が合えば制し易く、呼吸が合わなければ相手に乗ぜられます。
気を合わすことが合気であり、気を合わせ、呼吸を合わせ、すべての力を合わせ集中して技を施すのです。
「呼吸法」は、相手と呼吸、気を合わせ、呼吸力を養成するための合気道の代表的な修練方法です。