flickr_Tomas Roggero

中国でカナダ国籍の4人が死刑にされていたことが、先日明らかにされた。

今年の初めに死刑を執行

カナダ政府によれば死刑が執行されたのは今年の初めで、全員がカナダと中国の二重国籍を有していたという。

4人はいずれも麻薬関連で死刑判決が言い渡されていたが、名前は明らかにされていない。

カナダのメラニー・ジョリー外相は「何カ月もの間、これらの事件を非常に注意深く監視し、トルドー元首相を含む他の当局者らとともに、死刑執行を阻止しようとしてきた」と述べた。

またカナダ外務省のシャーロット・マクラウド報道官も、「（カナダ政府は）中国政府の最高幹部に、これらの人物への恩赦を繰り返し求めており、あらゆる事件で死刑を適用することに断固として反対している」と語った。

中国大使館はカナダ政府を非難

この発表に対し、カナダ駐在の中国大使館は、カナダ政府に「無責任な発言をやめる」よう要求。4人の犯罪について「確固とした十分な」証拠があるとし、カナダ政府に対し、「中国の司法主権」を尊重するよう求めた。

中国外務省も3月20日、「法律に従って」行動（死刑執行）したと述べたという。

中国政府は二重国籍を認めておらず、麻薬や汚職、スパイ活動に関連するものを含む重大犯罪に死刑を科している。

また死刑の執行数は秘密にされているが、人権団体は、中国が世界で最も高い死刑執行率の国の1つだと考えているそうだ。ただし、外国籍を有する人物に死刑が執行されるのは稀だという。

国際人権NGO「アムネスティ・インターナショナル・カナダ」のケティ・ニビアバンディ氏は、次のように述べている。

「中国当局によるカナダ国民に対する、これらの衝撃的で非人道的な死刑執行は、カナダにとって警鐘となるべきだ。私たちは犠牲者の家族に心を痛めており、想像を絶する現実を受け入れようと努力する彼らを、心から見守っています。また中国で死刑囚として拘留されている、または中国の刑務所で所在が不明となっている、カナダ国民の愛する家族にも思いを寄せています」

カナダと中国の関係は、カナダがアメリカの身柄引き渡し要請に基づき、中国の通信会社「ファーウェイ」の孟晩舟副会長を拘束した2018年以来、冷え込んでいる。（了）

出典元：BBC：China executed four Canadians for drug crimes, says Ottawa(3/20)