東証版HDV「(2013)iシェアーズ 米国高配当株 ETF」、東証版DGRO「(2014)iシェアーズ 米国連続増配株 ETF」の発表もつかの間。SBIアセットマネジメントから、年4回分配の投資信託「SBI・SPDR・S&P500高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)」と「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)」の設定が発表されました。それぞれ投資先はSPYDとVYMで、すでにVYMに投資する投資信託は「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド」が存在していますが、こちらは分配金が再投資されるので、年4回分配金が支払われる投資信託として新登場します。
「本家VS日本版」経費率対決
東証ETFと投資信託の登場により、ドル円の両替をしなくても、米国高配当株式のVYM・SPYD・HDV・DGROに投資し、円で分配金を受け取れるようになります。気になる経費率は以下のようになります。
「SPYD投信(0.1338%)」VS「本家SPYD(0.08%)」
「VYM投信(0.1238%)」VS「本家VYM(0.06%)」
「東証HDV(0.121%)」VS「本家HDV(0.08%)」
「東証DGRO(0.121%)」VS「本家DGRO(0.08%)」
当然のことながら本家の米国ETFの方が経費率が安く、ドル円両替の煩わしさに対する手間賃として許容できるかどうかが判断の分かれ目になりそう。また、今回設定された「SBI-SPYD」と「SBI-VYM」は投資信託なので、少額から投資できることをメリットと捉えられるのであれば活用する人も増えそう。それぞれギリギリ許容できるかなと思える信託報酬に抑えられているものの、この差を考えると長い目で見ると米国ETFに直接投資したほうがいいのでは?と思える差額。特にVYMは経費率が約倍になることから、さらなる経費率の低下を期待したいところ。
VYM・SPYD・HDV・DGROの違いは?
次に気になるのが、VYM・SPYD・HDV・DGROの比較。
「VYM」
一般的に平均より高い配当金を支払う企業の普通株式で構成されるFTSE高配当利回りインデックスのパフォーマンスに連動。4つのETFの中で最も銘柄数が多く分散がきいている。分配金とキャピタルゲインの両狙いが可能。
「SPYD」
S&P500指数内の高配当利回り企業80社のパフォーマンスに連動。普通株式だけでなく、REITも含む。
「HDV」
相対的に高配当の米国株式で構成されるモーニングスター配当利回りフォーカス指数に連動。企業の品質と財務の健全性に優れるかどうかをスクリーニングされた適格インカム収益証券で構成。
「DGRO」
モーニングスター米国配当成長株インデックスに連動。過去5年以上連続して増配していること、予想ベースでの利益成長がプラスであること、配当性向が75%未満であることを採用条件。
※配当性向
その期の純利益(税引後利益)の中から、配当金をどのくらい支払っているかをパーセンテージで表したもの。会社の利益ををどれだけ配当金として株主に還元しているかの目安になる。
配当性向(%)=1株当たりの配当額÷1株当たりの当期純利益×100
とはいえ、新NISA元年。米国ETFが東証や投資信託で購入できるようになる事が確定し、今後のさらなる新ファンドの登場や信託報酬の引き下げに期待が持てる状況。しばらくはインデックスファンドに投資しつつ、タイミングを見計らって高配当ファンドにも徐々に資金を回していく戦略を構築していこうと思います。