【【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】
そう、いつもの幾ヶ瀬とは何かが違う。
圧倒的にツッコミにキレがないのだ。
だからといって心配する様子もないのは相変わらずか。
シレッとした表情で有夏は紙面に視線を落とした。
放っておくと「エナジー切れ」になるまで、またゴロゴロとマンガを読むのだろう。
「あのさぁ、有夏……」
寝転がる有夏の傍らに座り込んだ幾ヶ瀬。
お茶で濡れた唇を見つめながら、ぽつりと呟いた。
「有夏はいつか……俺から離れてくの?」
「は?」
あまりに唐突な言葉に、有夏が雑誌から顔を上げる。
大きな目を見開いて、ポカンと口を開けて。これは見慣れた間抜け面だ。
「もぅ……何か俺、ツラすぎるんだけど? 有夏がちゃんと大学に行ってたなんて」
「はぁ?」
「引きこもりで学校どころか、人と会話なんてできない有夏なのに……」
「はぁ?」
「おやくそく4」につづく
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