重症筋無力症治療薬の注射剤、第二弾はジルビスクです。

 

○ジルビスク皮下注16.6mgシリンジ/23.0mgシリンジ /32.4mgシリンジ

 

 

全身型重症筋無力症、初の自己注射可能な製剤:日経メディカル (nikkeibp.co.jp)

 

「ジルビスクは補体成分C5を阻害する、15個のアミノ酸から構成される大環状ペプチドである。既存のC5阻害薬エクリズマブやラブリズマブが静注製剤であることに対し、日本初の自己注射が可能な皮下注製剤である。全身型重症筋無力症(MG)は、主に自己抗体がAChRに結合することでC5などの補体が活性化し、シナプス後膜に膜侵襲複合体(MAC)が形成される。MACが蓄積することで運動終板が破壊、神経伝達の抑制により発症する。ジルビスクは補体C5に結合し、C5aおよびC5bへの開裂の阻害による下流の補体活性化の抑制、並びにC5bとC6の結合阻害によりMAC形成と細胞溶解活性を抑制する」

 

正直、さっぱりわかりませんでした(苦笑)。アセチルコリンの神経伝達にかかわる部分(シナプス後膜)に働くようですね。その結果、アセチルコリン↑ということだと思います。

 

【効能・効果】

全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)

 

【効能又は効果に関連する注意】

 ・本剤は、抗アセチルコリン受容体抗体陽性の患者に投与すること。

・本剤は、補体C5の開裂及びC5bとC6の結合を阻害し、終末補体複合体C5b-9の生成を抑制すると考えられるため、髄膜炎菌をはじめとする莢膜形成細菌による感染症を発症しやすくなる可能性があることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与の是非を慎重に検討し、適切な対象患者に使用すること。また、本剤投与に際しては、原則本剤投与開始の少なくとも2週間前までに髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること。

 

【用法・用量】

通常、成人には下表に示す用量を1日1回皮下投与する。

体重

投与量

56kg未満

16.6mg

56kg以上77kg未満

23.0mg

77kg以上

32.4mg

 

【重要な基本的注意】(抜粋)

膵炎、血清アミラーゼ、血清リパーゼの上昇があらわれることがあるので、本剤投与中は、定期的に膵酵素(血清アミラーゼ、血清リパーゼ)を測定し、上昇が認められた場合には、適切な処置を行うこと。

 

【特定の背景を有する患者に関する注意】(抜粋)

・髄膜炎菌感染症の既往のある患者

・感染症の患者又は感染症が疑われる患者(髄膜炎菌感染症の患者を除く)

・膵炎の既往のある患者

 

【適用上の注意】(抜粋)

○投与前

・本剤投与前に冷蔵庫から取り出し、30分以上平らな場所に置き、室温に戻してから投与すること。その他の方法(電子レンジ、温水、直射日光等)で本剤を温めないこと。

○投与時

・投与部位は大腿部、腹部又は上腕部とし、投与毎に投与部位を変えること。同じ投与部位に注射する場合、新たな注射箇所は、前回の注射箇所から少なくとも2.5cm離すこと。

・臍部から5cm以内に本剤を投与しないこと。

 

【取扱い上の注意】

・凍結を避けて、冷蔵庫で保存すること。室温(30℃以下)で保存する場合には、3ヵ月以内に使用すること。

・本剤は外箱にいれた状態で遮光保存すること。

 

(参考)

 

 

JP-ZL-2300009_ZIL_0.pdf (ucbcares.jp)

 

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2021年8月に発売されました

「服薬指導のエッセンス改訂第4版」ですが

2023年8月に売り切れました

本当に、皆さんのおかげです。

ありがとうございます。

 

ただ今、改訂版の作成に取り組んでいます。

まだ具体的なことは公表できませんが、お待ちください。

 

なお、この度、初めて原稿を依頼され、

「新薬情報オフライン」の書籍作成に参加させていただきました。

今後もよろしくお願いします。

 

 

 

日頃の小ネタはツイッターを参照して下さい。

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