今年になってから注射剤の新発売が多く、そのなかでも重症筋無力症の注射剤がいくつかあり、気になっていました(気になっているなら早く書けという…苦笑)。

専門医の処方に限られるので、あまり接することがないかもしれませんが、在宅自己注射が可能となっていますので、サックリと触れておきます。

 

○ヒフデュラ配合皮下注

 

 

全身型重症筋無力症、浸透性高めた自己注射薬:日経メディカル (nikkeibp.co.jp)

 

「ヒフデュラは、抗FcRnフラグメント製剤エフガルチギモドアルファ(販売名:ウィフガート)にボルヒアルロニダーゼアルファを配合した製剤である。エフガルチギモドアルファはFcRnを標的とするアミノ酸残基を改変したヒト免疫グロブリンG(IgG)1抗体のFcフラグメント。内因性IgGのFcRnへの結合を競合阻害することによって、内因性IgGのリサイクルを阻害して、IgG分解を促進し、IgG自己抗体を含む血中IgG濃度を減少させる作用を有している。そして、ボルヒアルロニダーゼアルファはヒアルロン酸を加水分解することで、薬剤の皮下組織への浸透性増加作用を示す。ヒフデュラは、ボルヒアルロニダーゼアルファを配合することで、点滴静注製剤ウィフガートに比べて薬剤調製手順を簡略化し、投与時間の短縮によって自己注射可能な皮下注製剤となっている

 

難しいですが、IgG自己抗体を減少させます。すでに点滴静注剤のウィフガートがありましたが、それを自己注射可能にする工夫をした製剤と考えて良いでしょう。

 

【効能・効果】

全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)

 

【用法・用量】

通常、成人には本剤1回5.6mL(1バイアル)を1週間間隔で4回皮下投与する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。

 

【用法及び用量に関連する注意】(抜粋)

・本剤を投与する場合に、何らかの理由により投与が遅れた際には、あらかじめ定めた投与日から3日以内であればその時点で投与を行い、その後はあらかじめ定めた日に投与すること。あらかじめ定めた投与日から3日を超えていれば投与せず、次のあらかじめ定めた日に投与すること。

 

【特定の背景を有する患者に関する注意】(抜粋)

・感染症のある患者

・肝炎ウイルスキャリアの患者

 

【併用注意】(抜粋)

・生ワクチン及び弱毒生ワクチン

本剤による治療中の接種を避けることが望ましい。
接種が必要な場合は本剤投与開始の少なくとも4週間前までに接種することが望ましい。
本剤による治療中の場合、最終投与から2週間以降にワクチンを投与することが望ましい。

 

【適用上の注意】

○投与前

・バイアル中が帯黄色の澄明又は僅かに乳濁した液であることを目視により確認すること。異物が認められる場合は使用しないこと。バイアルは振盪しないこと

○投与時

・注射部位は腹部又は大腿部とし、同一箇所へ繰り返し投与することは避けること。

・本剤5.6mLを通常、30~90秒かけて投与すること。

 

【貯法】

2~8℃

 

(参考)

 

 

JP-VDJMG-24-00111(2024年4月作成)_総合製品情報概要_新発売.pdf (vyvgart.jp)

 

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2021年8月に発売されました

「服薬指導のエッセンス改訂第4版」ですが

2023年8月に売り切れました

本当に、皆さんのおかげです。

ありがとうございます。

 

ただ今、改訂版の作成に取り組んでいます。

まだ具体的なことは公表できませんが、お待ちください。

 

なお、この度、初めて原稿を依頼され、

「新薬情報オフライン」の書籍作成に参加させていただきました。

今後もよろしくお願いします。

 

 

 

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