旅する骨董屋 喜八

チベット圏を中心にアンティークや古民芸・装飾品を旅をしながら売買する喜八の、世界の様々な物や人その文化を巡る旅のブログ。

日々 回顧録

2024年04月16日 | 日記



少し前、用事があり東京の下町へ足を運んだ。

用事を終えて、次の約束まで時間があったので、
門前仲町あたりから東京駅まで散歩をした。

商店街を通り、
川を越え、
橋を渡り、
映画「パーフェクト・デイズ」で出てくる橋はこの辺りかと思いながら、
高そうなスーツを着たビジネスマンが行き交う兜町を抜け、
東京駅に到着した。

丸の内口の趣のある顔とは異なる、
八重洲口の味気ない近代的な風景

溢れかえるほどの、
大勢の外国人観光客を傍目にJRの改札へ向かう。

駅中のコンコースの路上に座る中国人団体客。
通路は、事故があったかと思うほどの大渋滞。

それを怒り、怒鳴り散らす日本人の中年男性。

やれやれ、だ

僕はホームへと上がる

騒がしい音声案内が響き渡り、
人で混雑したホーム

週末の午後

けたたましい音を立てて電車がホームへ勢いよく滑り込む。
僕は人混みに紛れ、電車に乗り込み、窓際に立つ

窓から見える風景は、
大きなビルが並ぶ東京駅周辺から、
中規模のビルと広告看板が隙間なく建つ風景となり、
やがて、
同じ様な外見の戸建の家々へと変化する。
そして、
再び大きな街へと電車は走る

淡々と過ぎる風景

それぞれの日常がそこにあるのだろう、と思いながら
車窓から流れる風景を見て、
僕は電車を降りる

改札の近くで
偶然、知人に出会う

地元が同じ知人だ

「今、日本に居るんだ?」と知人は僕に言い、
僕は、
「最近、どーなの?」と聞く

知人は、
地元の議会議員が如何にクソか、という話題を話す

相変わらずそうなのか、と思いながら、
僕は知人と別れを告げる

用事が終わると、
帰路の途中、
知人のバーでワインを飲みに立ち寄る

「正直、最近は本当に厳しいよ」と知人は言う

その店のすぐ近く、
年配の女性が趣味でやっていた居酒屋は、
コロナで給付金をたくさん貰ってから、
早々にやめてしまった。

僕が知る限り、
知人は真面目な性格で、
経営も正直にやっていたが、
誰かが言っていた
「正直な人が損する時代だよ」と言う言葉を思い出す。

どんな世界、
どんな業界でも同じかもしれない。


先日、偶然会った友人に、
「キハチさん、優しさ疲れしてるんじゃない?」と言われたっけ。

そうか、俺は疲れているんだ。


下町で見た巫女さんは、
日本の美しい文化だったな

彼女達もオナニーはするのだろうか

下衆な感想だろうと我ながら思う


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昨年末

日本へ帰国した翌日に、
旧知の友人たちと忘年会をし、
その足でクラブへ行った

彼ら彼女らとは、
もう25年以上の付き合いになるのかな

終電前に帰るつもりだったが、
「最近の東京の夜はどうなんだろう?」と思い、
クラブへ行くという友人たちと一緒に行った

友人の力で案内された、
V.V.I.Pという、VIPの上のランクの特別室の隣のテーブルには、
音楽関係か広告関係者、
または、IT関係と思える若い服装をした中年男性2人と、
若いスタイルの良い女性2人のグループが座っていた

見下げるダンス・フロアは若い男女のグループで満員だった

友人が言うには、今日は有名なパーティとの事だ。

そうなのか、と思いながら、
フロアに降り、
少し踊る

何かが足りない

何処か、
勢いを感じない

タトゥーだらけの若い女の子も居るが、
何処かが
整頓されている

何処かに
見えない枠、
見えない制限、を感じてしまう

刺激的だった90年代、
イスラエル人などのパーティ・フリーク達が、
世界中からこぞって集まっていた、
2000年から2006,2007年頃の東京

渋谷近辺では、イラン人達の闇の商売も横行していた

今、
そのイスラエルとイランはミサイルを撃ち合っている


そして、
当時の、
ヨーロッパの狂ったクラブの数々

数年前にも、
ジョージアの盛り上がっていた、
無軌道なクラブ

インドの
無茶苦茶な人々

今の東京と、
何かが違う


僕が変わってしまっただけなのだろうか

僕以外の何かが、日本が、変化したのだろうか

それとも、

僕が知らないだけなのだろうか

分からない




深夜の東京

なんか小さく見えたな


日本

もう、だいぶ前に飽きちゃったよ

耳に入るのは悪いニュースばかりだ

日本は快適なんだけどね
素晴らしい部分、
美しい文化も沢山あるし、
好きなところも多い。
そして、
僕は日本人である

でも、
今は、
居心地が悪いし、
退屈だよ


遠くを想う



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