年収およそ1200万円とほぼ同額の借金を抱え、多重債務者となった私。
サンク総合法律事務所で任意整理の手続きを取って貰い、復活への道のりを歩み始めたものの、月12万円を副業(アルバイト)で稼ぐ様に妻から厳命されている。
とりあえず母の好意に甘え、実家の片付けを手伝うことで4万円、家の近くの物流倉庫で荷物仕分けの早朝バイトをすることで、4万円。
足らずまいの4万円をどうやって稼ぐかについて色々頭を悩ませるが、ビル掃除や飲食系と云ったリアルの副業(アルバイト)は時間的制約が厳しく、時間的制約の少ないネット系副業は時給が安い。
本業(サラリーマン)に変な影響が出てしまうのは避けたいので、ネット系副業を一生懸命探しているが、どうも良い仕事が見つからない。
例えば、最大手のクラウドワークスで、運営主のクラウドワークス自身が時給850円〜1200円で仕事を募集していた。
実際に仕事が有るのか、それとも運営主がクラウドワークスを盛り上げようとして募集しているのか。
どっちかは判らないが、取り敢えずありがたい。
応募人数を見たところ、募集から3日しか経っていないのに、既に200人が応募している。
一方の募集人数は「一定人員数になったら締め切り」とだけ書いてある。
うーん、行くべきか行かざるべきか迷ったが、取り敢えず応募することにした。
私でも出来そうな総務・経理系の仕事と記事ライティングの仕事に応募。
自己紹介文を作成し、履歴書を添付。
その後、ブラインドタッチの速さを測るゲームをやらされた。
回転寿司の皿の上に単語が並んでおり、その単語を次々とブラインドタッチで打っていく。
事務系20余年。ブラインドタッチには自信があるが、、、
判定はBプラス。まじかよ。
真ん中より少し上程度?らしい。
応募フォームに「Bプラス」と入力し、応募ボタンを押す。
だいたい所要時間で30分位。
それから数日、クラウドワークスからのレスポンスを待つが、待てど暮らせど連絡は無い。
待ちくたびれてもう一度募集のページに行ってみたら応募人数が1000人を超えていた。
これは無理だな、、、
ということで、次の仕事探しに移る。
次はパワポ作成のお仕事。
私は最近はパワポ(パワーポイント)を作成していないが、昔居た会社では結構得意な方だった。
提案書から社内資料まで結構幅広く作成していたので、大抵のものは作成出来る自信が有る。
クラウドワークスで「提案書 作成」で検索すると、結構ヒットする。
その中で、提案書1ページ当り2500円〜という魅力的な募集が有った。
早速応募してみると、お試しの提案書作成を依頼される。
報酬はもちろんゼロ円。
内容は簡単で、こなれていない数枚の提案書を自分なりにブラッシュアップしてくれとのこと。
チャチャっと作て送ると合格通知が来て、クラウドワークスとは別のツールでコミュニケーションを取る様に依頼された。
恐らく、クラウドワークスで支払うとシステム手数料として25%(高い!!)持って行かれるので、支払う側・貰う側双方ともクラウドワークス内で仕事をするメリットは少ない。
募集主はパワポ作成代行会社で、恐らく1ページ当り5千円位で提案書作成の仕事を取り、私の様な下請けに1ページ2000円位で作成させて中抜きをするビジネスモデル。
恐らく社長は元投資銀行員かなんかでしょう。
数日待つと、手頃な提案書作成の依頼が来た。
枚数は10ページ程度の人材派遣会社の提案書作成。報酬は1ページ2000円。期間は3日間。
3日間はタイトだな、と思ったので、交渉して4日間にして貰う。OKが出た。
私の場合、パワポ作成は初日が勝負と考えている。
初日にだいたいの流れを作成してしまい、残りの数日は微調整に回すのが王道。
初日、8時過ぎに帰宅してから夜中の2時まで頑張って、メインの箇所と大まか流れを作成した。
これで後は微調整のみか?と思ったら甘かった。
募集主の管理職の人の注文が結構細かい。
表紙はインパクトを大きくしろだの、画像はアイキャッチ風にしろだのと注文を付けてくる。
初日に頑張りすぎた反動で寝不足で頭が働かない中、細かい注文に対応するのは結構骨が折れる。
しかも翌朝仕分けのバイトが入る場合、前日は結構早く寝なければならないので、時間が相当制約される。
結局5日目に納入と1日遅れの納入となった。
時間的には25時間位掛かって、2万円を稼いだ計算になるので、時給は800円。
ネット系副業としてはまあまあ良い金額。
精神的には相当キツイが、1週間に1件取れれば一月8万円と相当ゲイン出来ると思い、これを続けようと心に決めた。
しかし、世の中それ程甘くなかった。
次の案件がなかなか取れない。
日中に私も含めた全ての作成代行者に案件紹介のメールが飛ぶ。
「○○株式会社様の案件。社内向け資料25枚。期日4日後」
「株式会社○○様の案件。営業向け資料30枚。期日3日後」
みたいな感じ。
私以外でどんどん仕事受けている人はフリーランサーな感じで、案件紹介のメールが飛ぶとすぐにオファーする。
私は日中仕事なので、余りタイムリーにメールをチェック出来ないし、たまに気づいてトレイに駆け込んでも、既にオファーが殺到している。
基本期日がきついので、「1日2日伸ばして貰えるなら受けれます」というオファーを出すが、まず来ない。
しかも、初回の案件で結構指摘されたので、4段階中3段階目にランクされてしまった。
単価は1枚当り1,750円とちょっと安く設定されてしまい、高ランク者とオファーが競るとまず受注出来ない。
10件〜20件位オファーし続けて、1件も来なかった。
最初にサクッと受注出来たのは、私の実力を見極めるためも有ったのだろう。
パワーポイントは自信が有っただけに、結構プライドをへし折られた。
パワーポイントもネイティブ並みの英語で作れる位にエッジが利いていないと、仕事としてやって行くのは辛いのだろうと感じた。
言い訳をかますつもりはないが、私の場合、副業で一月に12万円稼げなかった場合、妻から三行半を突きつけられてしまう可能性が有る。
そんな状態の人間には、パワポ作成の仕事は「ネット副業の割には高単価だが、競争率が激しいので向かない」と思った。
例えば、パワポ作成に自信の有る20代後半の投資銀行員やコンサルが、武者修行の場として小遣い稼ぎにやるのは良いバイトかもしれない。
繰り返しになるが、世の中それ程甘くないとつくづく思った。