育児介護休業法改正で4月から何が変わりますか？ | ガルベラ・パートナーズグループ

Ｑ、育児介護休業法改正で4月から何が変わりますか？

Ａ、これまでの制度に比べて対象者の拡大や取得理由の追加、企業の義務強化が行なわれるためより柔軟な働き方ができるようになります。

 

解説（公開日：2025/03/21）

 

4月施行される育児介護休業法で改正される大きな変更点は以下の３つになります。

が柱となりますが、4月と10月に2段階で施行されます。そのうち4月改正される内容について説明します。

 

そもそも育児介護休業法とは、育児や介護をおこなう労働者が仕事と家庭を両立できるよう支援する法律です。そして今回の改正の目的は、男女ともに仕事と育児・介護を両立できるようするため多様な働き方の選択や男性の育児参加促進、仕事と介護の両立支援を重視した内容となっています。

 

4月1日から施行されるものは以下の6つになります。

 

１．子の看護休暇の取得事由や対象者の拡大

内容	施行前	施行後
対象の範囲拡大	小学校就学の始期まで	小学校3年生修了まで
取得事由の拡大	① 病気・けが ② 予防接種・健康診断	① 病気・けが ② 予防接種・健康診断 ③ 感染症に伴う学級閉鎖 ④ 入園（入学）・卒園式
雇用（勤続）期間	除外できる労働者は ① 週の所定労働日数が2日以下 ② 継続雇用期間6ヶ月未満	除外できる労働者は ① 週の所定労働日数が2日以下 ② を撤廃
名称	子の看護休暇	子の看護等休暇

 

２．残業免除（所定外労働の制限）の対象拡大

内容	施行前	施行後
対象の範囲拡大	３歳未満の子を養育する労働者	未就学の子を養育する労働者

 

３．短時間勤務制度の代替措置

３ｰ１．短時間勤務制度の代替措置としてのテレワーク追加

短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務があり、その業務に従事する労働者がいる場合のみとなります。

内容	施行前	施行後
代替措置	① 育児休業に関する制度に準ずる措置 ② 始業時刻の変更等	① 育児休業に関する制度に準ずる措置 ② 始業時刻の変更等 ③ テレワーク

 

３-２．育児のためのテレワーク導入の努力義務化

３歳未満の子を養育する労働者がテレワークを選択できるように措置を講ずることが努力義務化されます。

 

４．育児休業取得状況の公表義務適用拡大

男性労働者の育児休業取得率等の公表が、これまで従業員数1,000人超の企業から従業員数300人超の企業へと対象が拡大されます。

 

５．介護休暇を取得できる労働者の要件が緩和されます

現在、①週の所定労働時間が2日以下　②継続雇用（勤続）6ヶ月未満の労働者は、労使協定により介護休暇の対象化が可能としていましたが、②の要件が廃止されます。

 

さらに、介護休業や介護両立支援制度の申出がしやすいように事業主は以下①～④のいずれかの措置を講じなければなりません。ただし、複数の措置を講ずるのが望ましいとしています。

そして、事業主は、介護に直面した旨の申出をした労働者に対して介護休業制度に関する周知と介護休業の取得・介護両立支援制度利用の意向の確認を個別に行わなければなりません。また、労働者が40歳に到達する前後１年間の早い段階で介護休業、介護両立支援の制度、制度の申出などについての情報提供を実施しなければなりません。

 

６．介護のためのテレワーク導入

要介護状態の対象家族を介護する労働者が、テレワークを選択できるように措置を講ずることが、努力義務として事業主に求められます。

以上、2025年4月1日から施行される内容についてまとめてきました。

 

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