「ここはなに?

 ファンタジーランドでしょ?

 ピーターパンでは、ウェンディと弟たち。

 ピノキオでは、町の子供たち。

 みんな…何らかの方法で、連れ出されているわよね!」

 チラッと、ショータの方を向いて、

「そうでしょ?」と確かめるように聞く。

「そうだな」

ショータとアキの推理に、

「よく気が付いたねぇ」とニコニコする。

「これは、私たちの出る幕じゃあなさそうだなぁ」

ナイトも嬉しそうに、うなづき合う。

「キミたちは…地下室へ。

 我々は、上へ向かおう」

全員の顔をグルリと見渡すと、

「よろしく頼む」

軽く杖を振り上げた。

 

「地下室?」

「そうだ」

 ホントにそれで…見つかるのだろうか?

 アキはピリリ…と、顔を引き締める。

「大丈夫だ」

なぜか自信たっぷりに、ナイトは余裕の笑みを浮かべる。

「ホント?」

本当に、これでいいのだろうか?

アキはまた、不安になってくるけれども。

「早くしないと…キミの友だちが、どうなるのか、わからないぞ」

 ナイトがちょっと大げさに、目を見開いて、アキに向かって

顔をしかめてみせる。

「そうなのかなぁ」

 ケイタが本当に、ここにいるかどうかも、まだわからない、と

いうのに。

ナイトはにこやかな笑みを浮かべると、

「キミの友だちは、とても勇敢な子なんだろ?」

そう簡単に、やられてしまうはずがない…

四人に向かって、声をかけた。

 

 

 

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