バサッバサッ…
大きく翼の音が聞こえる。
「やっぱり…ペガサス?」
だが…そのシルエットは、馬とは似ても似つかぬものだ。
「あ~あ!せっかくいいところなのに…
お迎えが来たようだわ」
つまらないこと!
ひょいっと、メアリーは軽くカマを持ち上げる。
キラリ!
そのカマは、鈍い光を帯びる。
「キミたち、こっちへ!」
サッとマントをひるがえすと、ナイトとルークが、四人を
かばうように、そっと肩を押す。
「えっ、なに?」
二人は一体、何を警戒しているの?
アキはけげんな顔をする。
フフッとメアリーが笑うと、
「ルシフェル!」
白い動物に向かって、大きく声を上げる。
「ルシフェル?」
「なに?」
「それって…」
キョトンとするアキとカガリをよそに、ショータだけは、
「えっ?」と顔をこわばらせる。
「ふーん」
いち早く、ショータの反応に、メアリーが気が付くと、
「キミ…やっぱり、賢い子のようねぇ」
みぃつけた!
にぃっと微笑む。
だがショータは、険しい表情のまま、それには答えない。
「どうしたの?ショータ」
そんなに、おっかない顔をして…
アキには、ショータが何を気にしているのか、見当もつかない。
ショータはササッと、アキとカガリの腕を引っ張ると、
「ルシファーだ」と、アキにささやいた。