魚鳥木、申すか?申さぬか?

ぎょ・ちょう・もく、申すか?申さぬか?
申す!申す! 魚⇒ニシキゴイ。鳥⇒ニホンキジ。木⇒制定無し、花は桜と菊

百人一首の和歌の原文・現代訳・英訳を紹介します。「49」

2018年01月12日 | 百人一首
百人一首の和歌の原文・現代訳・英訳を紹介します。「49」

※英訳については、1909年にWilliam N. Porterが書いた百人一首の本
『A HUNDRED VERSES FROM OLD JAPAN』を参照しています。

和歌番号049 
作者:大中臣能宣朝臣
author of waka:THE MINISTER YOSHI-NOBU, OF PRIESTLY RANK(ŌNAKATOMI NO YOSHI-NOBU ASON)

原文
みかきもり 衛士のたく火の 夜はもえ 昼は消えつつ 物をこそ思へ
(みかきもり ゑじのたくひの よるはもえて ひるはきえつつ ものをこそおもへ)

現代訳
禁中の御垣を守る衛士のかがり火は、夜は赤々と燃えているが、昼間は消えるようになって、まるで、(夜は情熱に燃え、昼間は思い悩んでいる) わたしの恋の苦しみのようではないか。

英訳
MY constancy to her I love
I never will forsake;
As surely as the Palace Guards
Each night their watch-fire make
And guard it till daybreak.

The author was the son of the Minister Yorimoto, and he lived during the latter part of the tenth century. The illustration shows the watchman outside the Palace tending his fire.

解説
 大中臣能宣朝臣(おおなかとみのよしのぶあそん・延喜21年~正暦2年 / 921~991年)は藤原公任が選んだ三十六歌仙の一人で、蔵人から讃岐権掾などに任ぜられています。
 能宣朝臣は優れた歌人で、平安御所に置かれた和歌所の寄人である「梨壷の五人」のひとりとして「後撰集」をまとめたり、「万葉集」のを研究などを残しています。

 能宣の和歌は「拾遺和歌集」の59首のほか、それ以降の勅撰和歌集にも120首以上が伝えられているほか、61番の作者・伊勢大輔は能宣の孫にあたっています。

 この和歌は、当時は身近であったかがり火に、恋に悩む心の内を見出しています。
 「昼」と「夜」、「燃える」と「消える」など、巧みな対比だけでなく、「夜は~消えつつ」で、「かがり火」と「恋に悩む自分」とをうまくつないでいます。




★おススメ本★  

A Hundred Verses from Old Japan: Being a Translation of the Hyaku-Nin-Isshiu
Tuttle Pub


図説 百人一首 (ふくろうの本/日本の文化)
河出書房新社


百人一首の歌人列伝(業平、定家に西行…人気二十歌人の面白エピソードと代表歌を知ろう! )
歌林苑


本書は「平成和歌所」のウェブコンテンツ「一人十首の歌人列伝」を再編集したものです。
http://wakadokoro.com/

厳選した百人一首歌人の「おもしろエピソード」と「十首の秀歌」を分かりやすく解説した読み物は、幅広い層の和歌ファンに人気を博しました。
これを読めば「はるか昔にいた正体不明のオジサン」だった歌人たちが、グッと身近に感じられることでしょう。

そして本書を読み終わった後、あらためて百人一首を一番から眺めてみてください。
王朝の歴史絵巻が紐解かれ、つまらなかったあの百首歌たちが息吹を宿し、断然おもしろく感じられるはずです。

※読みやすい文字サイズ文章で、約200ページがあっという間に読み終わります!

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