ゆらゆら荘にて

このごろ読んだ面白い本

「弥生人はどこから来たのか」

2024-05-13 | 読書日記

「弥生人はどこから来たのか 最新科学が解明する先史日本)」(藤尾慎一郎著 2024年3月 吉川弘文館 220p)を読みました。

地図をぐるりとひっくり返して日本列島を上にすると
日本海はまるで湖のようで
韓半島と日本列島はつながっているように見える。
わたしたちは無意識に目に見えない「国境」線を引いているけれど
そんなものがなかった時代
半島からちょっと足をのばせば
そこは日本列島だ。

半島から伝わった「素晴らしい」稲作という技術に
みんなが飛びついて
あっという間に広まった?
はて?
そんなことはあるのだろうか……

「英雄たちの選択」という番組で磯田道史さんは
「米の味の魅力」と言っていたけれど
色々なものを食べていた縄文人たちは
豆(アズキ、ダイズ)や雑穀(キビ、アワ)の中に
コメも取り入れて
徐々に稲作が広まったのか(網羅的生業構造)
それとも一気にコメ中心食が広まったのか(選択的生業構造)
(リスクが大きのでは?)

調査する方法は飛躍的に進化している。
炭素14年代測定法
酸素同位体比年輪年代法
DNA分析
レプリカ法
古気候学
……

半島から来た人がすぐに縄文人と混血したのではなく
渡来人たちだけの集団として長く生活した人たちもいた
こと
渡来人たちの中に既にかなりの多様なDNAがあった
こと
が分かっているそうです。

(弥生時代の初期に
津軽平野で稲作が行われた痕跡もある)
(その後放棄)

毎日まいにち
コメを食べているわたしたち。
コメって何なんでしょう……

弥生人より稲作の話が多い本でした。

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