今年の初沢である。私にとっては、2016年以来の同じ5月の遡行である。
朝7:40に武蔵五日市駅を出たバスは、払沢の滝入口を過ぎると乗客は疎らになり、終点の藤倉で降りたのは我々3名のみであった。バスを降りて十字路を西に進むと、以前、空き家(?)と思われた民家の玄関には食堂を思わせる看板が立てかけられていた。以前はその空き家(?)に降りる階段を使わせてもらって河原に降りていたが、「私有地に付き立入禁止」の看板もあったため、少し道を遡った先のガードレールの隙間から河原に降りていく踏み跡を発見。かなり急で滑りやすい場所であったが、一部、補助ロープが付けられていて何とか無事、シンナソー出合の河原に降り立つことができた。
▼降り立った河原の対岸にあるシンナソー出合
出合にある小滝を越えていくと、取水用と思われる黒いホースが何本か横たわっていた。以前来た時は、何やら産業廃棄物的なものが散在しておりあまり良い印象の無かった出合付近であったが、今回はすっきりとした感じで、水も綺麗であった(水量はやや少なめ)。
シンナソーは行程こそ短いものの、そこそこの滝やゴルジュ、小滝、ゴーロなどバラエティに富んだ渓相を楽しめるコンパクトな沢であった。
▼水量は少なめ。
▼傾斜の強めの滝では、ロープを出して越えた。
新緑の若葉が茂る中、無事遡行を終え、源流上部の二俣を左に進み、正面の小尾根を直登して、流域最上部を目指して詰めを登る。無事稜線には出たものの、期待していた登山道が見当たらず、地図を見ながら少々戸惑った。結局、出くわすはずだった浅間尾根登山道は、稜線南側を巻いて通っており、我々が到達した稜線から南側に降りることでようやく現在位置の確証を得ることができた(詰めの際には、正面を直上せずに、シンナソーの左側に常に並行している藤倉方面に下る登山道を目指して、早めに左側の斜面を詰めて行った方が良いようだ)。
浅間尾根に出た後は、新緑や藤の花を愛でながら登山道を降り、途中、木庵という民宿兼食堂(入浴もできるらしい)で太く腰の強い蕎麦と上品な薄味で味付けされた煮物を堪能した。帰りのバスの時間がだいぶ空いていたので、最寄りの浅間尾根登山口バス停には向かわず、対岸の藤の花を観賞するなどして檜原街道を下って笛吹(うずしき)入口バス停まで歩き、その後バスで武蔵五日市駅まで戻った。