「やばい!早くここから脱出しよう」
天井を見上げていた、ナイトの声が響く。
「えっ?」
つられて見上げると…
天井からパラパラと、しっくいが落ちて来る。
「うそっ!まだケイタを見つけていないのに!」
我に返って、アキが叫ぶ。
「アキちゃん、早く!
ケイタくんなら…きっと、自力で逃げ出しているわ!」
カガリがグィッと、アキの手を引っ張る。
ケイタは?
あぁ~こんなことなら、もっと早く探しに来ればよかったのに…
後ろ髪を、思いっ切りグンと引っ張られる思いで、アキは
その場から離れる。
「アキちゃん、早く、早く!」
カガリがアキの手を引っ張る。
(ねぇ、カガリちゃんは、平気なの?)
カガリに手を引かれながら、アキはそう思うけれども…
「アキちゃん、大丈夫よ」
黙り込むアキの様子に気が付くと、カガリが明るく声をかける。
「そうね」
内心、そうじゃない…と思うのに、アキはあえてそう返す。
確かに、ケイタは強いから、案外今頃、逃げ出しているのかも
しれない…と思い直す。
「あっ」
パラパラと、天井のしっくいが落ちて来る。
この屋敷は、どのくらいもつのだろう?
そんなことを考える。
「待たせたな!みんな、大丈夫か?」
するとフワッと、ペガサスがアキたちの前に、舞い降りてきた。