何で、こうなるんだ?
まるでルシフェルに、追い立てられるようにして、アキたちは
城の中を進む。
以前見た時と、何かが違う…
アキは奇妙に感じて、カガリを突っつく。
「ねぇ~ここって、あのお化け屋敷よね?」
確かめるように聞く。
「そうだと思うけど…なんで?」
カガリもアキに向かって、ささやく。
「それがね、おかしいの!
何だか別の所にいるような…仮ものの場所にいるような
気がするんだけど…」
だけどもうまく、説明することが出来ない。
「え~っ?」
頭をかしげるカガリに代わって、
「そうだよね?ボクもそう思う」
いきなりユウジが、クルリとアキを振り返る。
「えっ?」
「ユウジも?」
いつもはボーッとして、目立たないと思っていたけれど、
意外とユウジは、見ているんだ…と、アキはひそかに感心する。
「だって…これがゲームだったら、次々と敵が襲って来るのに…
全然来ないから…」
ポソッとつぶやくユウジに、
(前言撤回)と思う。
「えっ、なによ、それ…」
変なユウジ!
思わずアキが、バン!とユウジの背中を叩く。
「えっ?なぁに?楽しそうねぇ」
後ろから、アリスがひょいっと、顔をのぞかせる。
「え~っ、別に、なにも!」
アキは笑いながら、アリスの方を向く。
「ねぇ~このお城って…昔からあった?」
もしかして、アリスが何か、知らないだろうか…と、ふと思う。
「えっ?私はよく、知らないけど?」
(まさか…スペードの女王のお城じゃあないしねぇ)
そんなことを、アリスはボンヤリと考える。
「ねぇ~もしかして…
これも、あのファンタジーランドの続きなんだよね?」
いきなりショータに向かって、話しかけた。