姿勢と症状の関係 | しちふくのひとやすみ

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獣医師&獣医鍼灸師&レイキヒーラーである
しちふくの感じたいろんなこと

二足歩行の人間と

四足歩行のモフモフたちでは

身体の構造が大きく違います。


頭蓋骨、胸郭、骨盤の

大きさを比較すると

人間は胸郭>骨盤>頭蓋骨の順です。

⬆️青が頭蓋骨、赤が胸郭緑が骨盤
人間の骨格画像はEisaiWEBサイトからお借りしました



モフモフさんの骨格の大きさは

胸郭>頭蓋骨>頭蓋骨

の順になっています。

⬆️青が頭蓋骨、赤が胸郭緑が骨盤




モフモフさんの骨格は
重い胸郭と頭蓋骨を前肢が支え、
後肢は一番軽い骨盤を支えるだけ、
になっています。

そのため、健康な子でも
体重の60-70%が前肢にかかっています。

後肢が弱ってくると前傾姿勢になり、
前肢にかかる体重がさらに増えます。


上の写真の子は
後肢が弱って体重を支えられず
体重のほとんどが前肢にかかっています。

そのため、
体重のかかっている前肢が短く見え
体重のかかってない後肢が浮いて
長く見えます。



あしあとあしあとあしあと



以下は獣医界の定説ではなく
私の勝手な憶測なので
話し半分のつもりでお読みください。



前傾姿勢になると体重が
前方にかかります。

すると、
体重のほとんどが胸方向にかかるため
気管・食道・心臓などが圧迫されます。

また、内臓の重みが横隔膜にかかるため
腹腔の最前部にあって
横隔膜に接している肝臓が
内臓の重みで圧迫されます。


⬆️青が横隔膜黄色が気管



体重が前にかかるために
気管・食道・心臓が圧迫されます。

圧迫されることで
気管虚脱・食道拡張(巨大食道症)・
心疾患などが悪化することが
あるように感じています。

中には椎間板ヘルニア発症直後に
気管虚脱を発症した子もいました。



また、内臓の重みが肝臓にかかるため
肝臓や胆嚢のトラブル、
またその近くにある膵臓のトラブルを
起こす子もいるように思います。



更には、
前方に体重がかかるために脳圧が上がり
発作が悪化する子もいるように
感じています。



後肢が弱って前傾姿勢になることが
様々な症状の悪化要因に
なっているように思います。


もちろん、姿勢が改善するだけで
それらの症状がすべてなくなる
訳ではありません。



ただ、前傾姿勢をそのままにして
内臓の治療だけするより

姿勢を改善させることと
内臓の治療を同時進行で行うことで
症状の改善がより早くなるのではないか
と感じています。


実際、
気管虚脱と巨大食道症を
併発しているワンコさんに
組織細胞療法と
整体マッサージによる
姿勢改善の両方を行ったら
食後に立った姿勢でいなくても
大丈夫になった例もあります。

(巨大食道症の子は、通常、
    食道の食べ物がすべて胃に落ちるまで
    数十分間 立った姿勢を保たなければ
    なりません)




内臓疾患と後肢虚弱の両方がある場合、
内臓優先で治療することが
ほとんどだと思います。

でも、後肢虚弱も一緒に治療することで
内臓にもいい影響が出ると思います。



(先にも書きましたが
   これは私の個人的な考えです)


どなたかのお役に立てますようにわんわんにゃー




今日も皆さまが穏やかな
ほっこりした気持ちで過ごせるよう
祈っていますハート