絵本に任せてください | ほんとうのピコットさん

ほんとうのピコットさん

子どもの本屋「夢文庫ピコット」店主です。
タイトル「ほんとうのピコットさん」については、
http://ameblo.jp/pikot/archive1-200711.html をどうぞ!

本屋の店頭では、

赤ちゃんへの読み聞かせ相談も多いのですが

赤ちゃんのママさんに
びっくり えー?そうなんですかぁー?

ガーン わたし、それやってたかも・・・
と驚かれることがあります。

 

それは、わたしがこんなことをお話しした時。



読み聞かせを始めた頃のママ&パパは、
わが子が聞いてくれているのか
内容は伝わっているかと心配になって、

つい言葉を挟んでしまうのですね。
その気持ちはわかるんですけれど…
でもね、
そこは、絵本に任せてほしいんです。

赤ちゃんは絵本を

くり返し読んでもらっているうちに、
ある日、あるページの

その部分に気が付いて・・・
次の日には、耳に届く読み手の言葉が

その部分とつながって・・・
というように、

絵本への理解がすすんでいく。
赤ちゃんと絵本の関係って、こんなふうです。

たとえば、この絵本の場合。
くだもの  の平山さんが描いた
いちごが実るまでのお話です。

 

 

いちご


平山和子 文・絵

福音館/本体¥900.


雪の下で眠っていたいちごは、
暖かくなるにつれ、白い花を咲かせ
緑の小さな実がついて
やがてその実が赤く色づきます。
おいしそうないちごが実るまでを、
わずか24ページの絵本の中に

簡潔なことばと細密な絵で

見せてくれる絵本です。

いちごがだんだん色付いていく展開の途中で

赤はどこ?と聞いては、

物語の流れを遮ってしまいます。
絵本を見ているお子さんが、

ニコニコ あ!いちごあかくなった!
と気付く時を、読み手は待ってほしいのです。

絵本は動画と違い、
絵が動いたり音楽が聞こえたりはしませんが、

読んでもらったちいさい人たちの中には、

その子自身のイメージ世界ができます。
そして、それを助けてくれるのが
絵と文章のチカラです。
だから、丸ごと絵と文に任せましょう。

 

けれど、読み聞かせを始めた時には

そんな戸惑いのあったママさんたちも、

お子さんが大きくなられる頃には、

もはや、読むのも選ぶのもプロ級に。

ピコットのお客さまには

読み聞かせボランティアとして

活躍されてる方も多いですよ~。


ところで、
指さしたりおしゃべりしたりするのに、
ぴったりの絵本もあるんですよ。
もののえほん と分類される、
身近なものがカタログのように並んだ絵本です。



 

ぼくとわたしのせいかつえほん

 

つちだよしはる作

グランまま社/本体¥1,700.

 

 

 

 

どこかな?どこかな?

 

今福理博文 やすのなほ絵

エンブックス/本体¥1,200.



もののえほんは、指差して楽しむ絵本です。
好きなページをめくって、指さして
存分におしゃべりしてください。


あ、そうそう、大切なことを忘れていました。
絵本いちごに戻ります。

もし、聞き手のお子さんが

いちごの赤くなっていく様子をみて
驚き あ!あ!

と声を上げた時は、すかざず、
ひらめき そうだね~、あかくなったね!

と答えてください。
赤くなってきたいちごを見て口をすぼめたら、
ひらめき すっぱいかな~

と言ってあげてください。

絵本を読む時に

何一つ言葉を挟んではいけない

という事ではありません。
聞き手が絵本から読み取ったことを伝えて来たら
読み手もその気持ちに共感する、というのが
絵本の楽しみの一つだと思います。

 

 

 

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