地震!!<3>ブラックアウト
こんにちは。本日もお立ち寄り有難うございます。
余震はだいぶ減って来ましたが時々ありますね。
震度3クラスがグラっとくると焦ります。
間隔がだいぶ空いて来ているので油断している時など本当にびっくりします。
さて本日のお話も前回の続きになりますね。地震の時のお話です。前回のお話をお読みで無い方はこちらもお読みくださいませ。↓
ishikoronosippo1029.hatenablog.com
家族が揃いました。主人が一度会社に出かけましたが自宅待機になり戻って来ました。
信号がつかず交差点に直進車、右折車、左折車全てが入り乱れ、道路も波打っているところや陥没しているところがあるとニュースが流れる中、無事に帰って来てくれたことにホッとしました。
北海道は前日に台風が直撃し、道路の街路樹や公園の街路樹などが根元からなぎ倒され道路を塞いでいたりしていました。その中での地震です。道路の状態は最悪です。
地震後警察官も各地の対応で忙しかったのでしょうか?
本当に大きな交差点にしか警察の方が手信号で立っておらず、ほとんどの交差点は各自のモラルに頼るのみ。
右折しようとしてもタイミングをはかれず渋滞を作ってしまう車があったり、無理やり突っ込んでくる車もあったりと大変だったようです。
歩行者が道路を横断することは大きな道路だと無理な状況でした。
家族が改めて揃い情報収拾をします。子供達はツイッターやネットを駆使して情報を、私と主人はワンセグとラジオで。停電の復旧の見通しは全く立たず。断水は…。
あれ?断水しているのに地震情報の断水地区に我が家の住所が無い。でも水は出ていない!!おかしい。
その時はわからなかったのですがマンションに住んでいると水の循環をモーターで行なっているため停電になると水が出なくなる所があるのでした。我が家はまさにその状況だったのです。
「ちょと行ってくる」子供達二人は自転車で近所の様子を見に行きがてらスーパーの様子を見てくると言います。「気をつけて」送り出しながらカセットコンロを出し圧力鍋を使いある水を使ってご飯を炊きました。おにぎりでも作っておこうかと思ったのです。カセットコンロで圧力鍋を使ったことはありません。なんとかなるだろう…。
思った以上に美味しいご飯できました。火力とか心配でしたが本当になんとかなりました。食べ物はどうにかなりそうです。さて主人が給水所の情報を聞いています。区役所や水道局で臨時の給水所ができているようです。
「ちょっと距離があるな。んっ?公園?」主人が驚いています。そうなんです。公園は災害時給水ができるようになっているのです。近くの公園に水汲みに行ってみよう。
そこで近くの広域避難所の指定になっている公園に行って見ました。
公園には近くの人たちなのか御夫婦、おばあちゃん、若い男性…。様々な方が並んでいました。きっと皆さんラジオなどで聞きつけ並んでいるのでしょう。一人の方がボソッと言います。
「エレベーターが止まっているから、これを担いで8階まで階段を上がらなければならない。」
そうです。この近所で断水しているのは全てマンション暮らしの方。高層階にお住いの方は大変です。
停電が断水に繋がるなんて。それも一時的ではなく、復旧の見込みが立たないと言われているのです。近くの店に水、氷などが品切れになるのも無理もありません。
でも日本人っていいですよね。こんな時でもきちんと列を作って順番を待っています。割り込んで水を汲む人は一人もいませんでした。
長くなってごめんなさい。
続きは地震!!<4>へ続きます
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地震!!<2>ブラックアウト
こんにちは。本日もお立ち寄り有難うございます。
余震が続く中、今日も少し大きな余震がありました。
近くにいた人達の携帯電話が一斉に緊急地震速報が鳴り響きましたね。
あの音は本当にドキッとしますね。
さて、本日は前回の地震のお話の続きを綴っていきたいと思います。
前回のお話をお読みではない方は↓
ishikoronosippo1029.hatenablog.com
夜が明けました。期待を込めてテレビをつけます。
「つかない…。」
念のため電気のツイッチを入れてみます。「暗い…。」
確認のため予約セットしていた炊飯器を見てみます。
「コメ…。」
水は?蛇口をひねってみます。「出ない…。」
私は丁度、仕事が休み。次男は夏休み。長男はなんとか上司の方と連絡が取れ自宅待機。主人は出社してみる。とバタバタと支度を始めました。
なんの情報もないため、夜のうちに用意したラジオをつけてみます。
ラジオは地震の特別番組になっています。厚真で震度7私の住んでいる所も震度5強だったそうです。
「揺れたもんね…。」
そんな話をしながら主人のおにぎりを残りご飯で作りました。
「後で連絡する。」「気をつけて。」
作ったおにぎりを持って主人は会社へ向かいました。
さてどうしよう。ラジオによると停電は全道的。復旧の見通しが立たない。とのこと。
それにより地下鉄は運休。バスも信号が停電で消えているため道路の安全が保証されるまで運休。JRも停電のため運休。交通機関は完全にマヒ。車か自転車もしくは徒歩でないと外には出れないということだ。家にあるものを再度確認してしてみよう!そう思いまず食料を確認しました。
飲料水 6ℓ位冷蔵庫にある。あとヤカンとポットに湯冷まし。
飲み水がこれだけあるのは幸いしました。偶然にも前日に台風がくるということで念のために多めに水を用意していたのです。
氷も作っていたから解けたら水として使える。
そう思い自動製氷機で作られた氷をビニール袋に詰め替えました。
米はある。お弁当用に買っていた冷凍食品もある。(今は自然解凍で食べれるのでこれが助かりました。)昨晩作った豚汁の残りもある。野菜もそこそこある。肉類も少しある。まっなんとかなるかな。
電池 充電して使う電池は台風用にと全部満充電にしている。単三電池が多いけど単一に使用できるアジャスターは数個ある。おそらく懐中電灯とラジオはしばらく持つかしら。
トイレ用の水 お風呂の残り水がある。考えて使おう。
カセットコンロ ガス3本を買ったばかり。キャンプ用のコンロとガスもある。
明かり ランタン 懐中電灯など人数分ある。電池きれてもろうそくもある。
スマホ 満充電。モバイルバッテリーも満充電にしておいていた。でも極力使わないように。
ラジオ 2台。うち1台はダイナモ使える。
んっ?以前使っていたガラケー。今電話としては使っていないけれどカメラとして使っていたやつ。充電されてる。しかもダイナモのアジャスターある。これってワンセグ使えないかしら?
つけてみる。ワンセグ使えた!!
画面は小さいけど映像が飛び込んできました。
「テレビついたよ!」子供達に呼びかけました。小さな画面をみんなで覗き込みます。
「こんなになってる………。」映像を見て驚きました。
山が崩れ建物が押し潰され道路がゆがんでいる。ラジオを聞いていて想像していた以上にひどい状況でした。
避難所の情報、停電の復旧情報、断水の情報、給水情報、交通情報、次々と情報が伝えられます。
ラジオも大切な情報源ですが見る情報がどれだけのものか思い知らされました。
こういう日というのは時間が立つのが遅く感じます。
スマホがまだ繋がる段階で仕事仲間から次々とラインが入りました。
安否確認です。みんな元気でした。断水しているのは我が家だけでしたが、みんなが給水しにきていいから。と温かい言葉をくれました。本当に有り難かったです。
そうしているうちに会社に行っていた主人も自宅待機となり会社から水をポリタンクに入れて持って帰ってきてくれました。
このような時家族が揃っているのは安心です。ましてや状況がはっきりわからない時はなおさらです。
まだ午前10時長い一日が始まりました。
続きは地震!!<3>へ続きます
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地震!!<1>
こんにちは。
先日北海道で大きな地震がありました。被害を受けた皆さま心よりお見舞い申し上げます。
その地震、実は私も体験した一人でした。
これから数回その時の模様や体験して思ったことを綴りたいと思います。
地震大国と言われるこの国に住んでいる以上もしかしたら避けて通れないのかもしれません。何かの参考になればと思い綴りたいと思います。
あれは夜中の3時ごろ。突然ドスン!と突き上げられるような感覚で目が覚めました。
「地震!」隣で寝ていた主人も目を覚ましたようです。
「結構揺れているな…。」
カタカタカタ。ガラスが揺れる音が響きます。何秒揺れたのでしょうか?
長く感じられました。揺れが落ち着き電気をつけようとしてもつかない。
「停電?」テレビをつけようとしても反応せず。
「震度どのくらいだったかな?結構揺れたね」と主人と話していると隣の部屋で寝ていた息子が「震度4らしいよ」と。
スマホで調べたようです。
懐中電灯とキャンプ用のランタンを使い家の中の確認をします。
トイレに行った主人が「水が出ない!」
朝タイマーによりセットしていたご飯が停電により炊き上がらない!大変なことに気がつきました。
「朝ごはん買ってくる」ととりあえず24時間営業の近所のスーパーへ息子と共に出かけることにしました。
地震あって20分ほどたっていたでしょうか。
主人と次男が情報収集と家の中の確認、私と長男は買い物部隊となり外に出ました。
外はまだ夜が明けておらず真っ暗。外灯も信号も消えています。異様な静けさが広がります。
頼りは息子の持つ小さなライトのみ。
「おっ!星が綺麗たよ。明かりがないからすごいね。」
と息子の一言に空を見上げると満点の星空が広がっていました。
5分ほど歩きスーパーへ到着。
入り口には「地震のため臨時閉店しております。」
「あら。商品倒れちゃったかね?」と話しながら近くのコンビニへ。
店内は真っ暗。店員さんが中にいるお客さん達に大声をあげています。
「レジが使えないため、商品をお売りすることができません!お引き取りください!」
あら、ここもダメなのね…。じゃ、次行こっか。
次のコンビニへ。あえなく閉店。
さらに次のコンビニへ。そこはセブンイレブンさん。
真っ暗な店内の中、1台のレジを駆使し、店員さん二人でごったがえす店内のお客さんの対応をしてくれていました。
とりあえず私たちは、お茶と少しの調理パン、シリアルなど必要なものだけを買い店を後にしました。
(このセブンイレブンさんは後にも書きますが地震直後より近所の人たちにできる限りの対応をしていただいたお店でした。感謝しかありません。)
帰り道息子と二人「この道こんなにボコボコしてたっけ?」
そんな会話をしながら無事家に帰り着きました。
家の確認をしていた主人と次男は壊れているものの整理を簡単にやってくれ、懐中電灯、ランタン、などの確認。ラジオを探し出していました。
とりあえず、まだ暗く状況もはっきりしないため、もう一眠りしようと夜があけるまで寝ることにしました。
地震!!<2>へ続きます。
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ご無沙汰しておりました。
こんにちは。しばらくブログから遠ざかっていました。
ブログは以前やっておりましたが、試験勉強、2度の引越しなどなどで大忙し。
なかなかパソコンに向かうことができずにおりました。
全くの初心者から始めた介護の勉強。お陰様で3年かけやっと国家資格の介護福祉士を取得することができました。
50歳目の前にしての勉強がこれほど大変なことなのか…。
全くと言っていいほど覚えが悪いですね。こんなに衰えているのかと呆れるほどでした。
また息子より「新しいパソコンを買う!」ということでお下がりノートパソコンをもらったのをキッカケにまたブログを再開しようと思ったしだいであります。
私は介護施設に務めております。介護施設には個性的な方々がおられます。
面白エピソードあり。泣き、笑いあり。
介護というものを重く暗いイメージから少しでも明るく楽しいイメージに変えられたらいいと思って綴って行こうと思っております。
私のブログには沢山のモデルがおりますが男性は全て「じーちゃん」女性は「ばーちゃん」で表したいと思っております。親しみを込めての呼び方のつもりでいます。どうぞ御理解いただければと思います。
このブログは介護のお話、介護に携わっているときに知った健康情報、美容情報、そして私の独り言的なものを発信する予定であります。
更新は不定期になると思いますがゆっくり、まったりで進めていきたいと思います。
前置きが長くなりましたが次回より本題に入って行こうと思います。
どうぞよろしくお願いします。
どうしても上手く介助をしてあげたい!!
こんにちは。しばらくご無沙汰しておりました。
実は少々考え事をしておりました。私の職場の利用者様のことです。
その利用者様は昔大工の棟梁でした。バリバリの昔堅気の方でとても笑顔が素敵な利用者様です。その素敵な笑顔から「太陽さん」と他の利用者様から呼ばれる程とびっきりの笑顔を振りまいてくださいます。
その太陽さん、病気の影響でアッというまにレベルが落ちてしまいました。
私と出会ったときは一人で歩いてブラックコーヒーを飲みにデイルームまで来り、お風呂もお湯さえとってあげれば一人で入っていました。トイレだってオムツを使わずにいたのです。それが2年前の状態。
太陽さんはまず足が弱くなりました。転倒が続き次の一歩がなかなか出なくなりトイレに間に合わなくなってしまいました。手すりを使ったり歩行器を使ったりしていましたがとうとう車いすになってしまいました。次に手に力が入らなくなっていきました。すると食事のおはし、スプーンが持てなくなります。お食事のお手伝いを私たちがするようになりました。リハビリに励んではいるのですが思うように結果が出ないため本人もやる気がなくなり今では立位もとれず全介助になってしまったのです。
太陽さんはその急激な自分の体の変化を受け入れることができません。車いすへの移乗、トイレ介助、入浴介助の時は特に大変になります。
昔気質の太陽さんは「女の人の力は借りたくない!」という考えをお持ちです。
太陽さんは骨太で体格もしっかりとしており体重も重い。きちんとした姿勢や重心の移動をしないととても危ない状態になります。自分が壊れることもあります。現に数人のスタッフが太陽さんの介助の時に腰を痛めています。
でも太陽さん。どうしても女性の介護士に体重を預けることができません。
介護をされている方ならおわかりかと思いますが、利用者様が介護士に体重を預けることにより重心が一つとなり移動、移乗しやすくなります。
でも太陽さん、手に力が入り身体をそらしてしまいます。特に女性職員には「照れ」もあるのでしょう。身体に力が入りこわばってしまいます。
そのためトイレ介助、入浴介助では時間もかかりとても大変な時間になってしまいます。これは私たち介護士より太陽さん本人がとても大変な時間になってしまっていました。
そんなあるときコールがなり私が対応しました。
「太陽さん失礼します。どうされました?」
「トイレに行きたいんだけど…。」
「わかりましたよ。今用意するから少しお待ちいただけますか?」
「えっ??行っていいのかい?」
「えっ??トイレ出るんですよね。それならトイレ行った方がいいですよね?」
私は意味がわからずこう返答してしまいました。
「トイレ行くっていうと嫌な顔されるんだ…。」
悲しかったです。そういう対応をされていたのかと思うと胸が痛みました。
確かに太陽さんの介助は大変なのですが、私にはとても学びの多いことでした。
無意識のことでもそんな表情を浮かべていたのだろうか…。申し訳なかったです。
「こないだもお風呂をシャワーにするって言われたんだ。」
「えっ?太陽さんお風呂大好きじゃないですか!!」
「うん。大好きだからシャワーじゃ入らない。って言ったんだ。そしたら嫌な顔されたんだ。アンタくらいだったんだよ。お風呂いれてくれていたの。」
知らなかった…。私は夜勤が多いため、太陽さんの入浴介助にあたるのは月に1回ほど。私は太陽さんがお風呂の中で「あ~。」と満面の笑みを浮かべながら気持ちよさそうにするのを見るのが好きで道具を駆使してできる限り入浴をしていたのです。
「ごめんなさい。そうだったんですね。気が付かなくて本当に申し訳ございません。」
謝るしかなかったです。
トイレ介助をしてお部屋に戻ったとき太陽さんはいいました。
「こんな体になって…。早く死にたい。何もできない。」
私は介護士としては失格なのかもしれません。その言葉を聞いたとき無性に腹がたちました。
「ちょっとまって。何もできない?違うでしょ?トイレで用を足してるでしょ。ご飯だって普通のご飯を食べれてるでしょ。お風呂にだって入っている。何もできないとあきらめたら本当に何もできなくなりますよ。確かに太陽さんの介助は大変かもしれない。でもね。それは太陽さんの協力がなければできないんですよ。私はいつまでも太陽さんにお風呂に入って「あ~」って言ってもらいたい。だからどうやったら太陽さんが一番楽でおまけに私たちも楽になれるかを考えているんですよ。お互いが何も見つけてもいないのに諦めるのは早くありませんか?やれるだけのことをやりましょうよ。諦めるのはそれからでも遅くないじゃないですか。
太陽さん、私は経験もあまりなくてうまく介助できていないと思います。私も勉強しながらだけれども絶対太陽さんを上手に介助できるようになりたいんです。一緒にがんばりませんか?」
介護士としては利用者様に介護が大変なんていうのはありえないことです。禁句ですよね。でも人として心からぶつかってみたかった。
「できるかな?」
「まずはやるだけやってみましょうよ。なるようになるさ!」
太陽さんはとびっきりの笑顔をみせてくれました。久しぶりのこの笑顔。見れて本当によかったです。私たちの試行錯誤は現在進行形です。
介護をされているみなさん。どうか私に知恵をわけてください。
私は太陽さんをどうしても楽に介助をしてあげたい。楽というのはお互いに楽じゃないと意味がないのです。
沢山の動画を見ました。家で家族を相手に練習もしてみました。道具も使いました。
でもいまいちしっくりとくるものがないのです。どうか良い方法があれば教えて頂ければ嬉しいです。
お読み頂き有難うございました。
素敵な仲間にありがとう!
こんな素敵なプレートを作ってくれました。
この後美味しく頂きましたよ。ご馳走様でした。
そして…。
イイね!シェアよろしくお願いいたします。
ねぇ。チューしようよ。
こんにちは。本日もお立ち寄り有難うございます。
本日は私の施設にいるかわいいおばあちゃん。クレさんのお話です。
とても茶目っ気たっぷりのかわいいおばあちゃんです。
認知症を患っており時折不穏になってしまいますがとても優しい方です。
クレさんの毎日はホームシックで涙したり、施設のみんなとお茶をしたりゆっくり静かに流れていきます。
そんなクレさんにはお気に入りの介護士がいます。男性の若いお兄さん。
物腰柔らかな気の利く介護士です。
「ねえねえ、隣に座りなさいよ。」
「ちょっと、ちょっとこっちに来なさいよ。」
お兄さん介護士を見つけると相手をしてほしくて声をかけます。
ある日私とクレさんがテレビを一緒に見ていました。そこにお兄さん介護士が仕事をしながら前を通りすぎました。
するとクレさん。
「ちょっとあんた。あの人を呼んでちょうだい。」
「クレさん。何か用事ありますか?今彼はサービス中なので私が聞きますよ。」
「お仕事中なのね。」
「そうなんです。ごめんなさいね。」
「そしたらあんた。こういって伝えて頂戴。私が泣いているから傍に来てって。」
「あら、クレさん。泣いていないじゃないですか。私嘘ついてお兄さんを呼ぶことできませんよ。」
「わかったわ。ちょっと待ってて。今泣くから。」
「?」
クレさん。目にすごく力入れて一生懸命ナミダを流そうとしています。
「クレさん、そこまでしなくても…。」
「大丈夫よ、もう少しでナミダ出ると思うから。」
結局涙は出ずに呼ぶことはありませんでしたが仕事を終えたお兄さんがテーブルをはさんで向かいに座ってくれました。
「〇✖△□」
クレさんがお兄さんに何かを話したのですが声が小さくて聞き取れません。お兄さんは「何?」と身を乗り出しました。するとクレさん。
「チューしようよ。」
お兄さん崩れ落ちました。私は隣で大爆笑。
「クレさん。こんなみんないっぱいいるところでチューなんかしちゃったら僕仕事辞めなくちゃならなくなるじゃないですか!」
「あらそうなの?それもいいんじゃない?」
「仕事なくなったら僕生活できなくなりますよ!」
「そしたら私と一緒にここに住みましょ。」
「クレさん、僕結婚しているんですよ!僕の奥さんどうするんですか!」
「簡単よ。別れればいいじゃない。私と結婚しましょ。」
またもや崩れ落ちるお兄さん。そして私は隣で大爆笑。
「僕、奥さんに別れましょう、なんて言えないですよ。」
「ジタバタしないで覚悟決めて私と結婚しなさい!!」
とクレさんの一括!ごめんなさい。私お腹かかえて笑ってしまいました。
「ねえ。クレさん。そんな困らせるようなこと言っちゃだめですよ。お兄さんだって家族いるんですよ。クレさんにも大切な家族いるでしょう。もしクレさんとお兄さん結婚したらクレさんの息子さんのほうがお兄さんより年が上になってとっても複雑になってしまいますよ。」
「あら。そうなの。残念ね。」
クレさんようやく引き下がってくれました。クレさん意外と積極的なタイプでした。
いつもゆっくりと時間をすごしているクレさんの思わぬ一面と乙女心とを感じられる出来事でした。
ちなみに介護士のお兄さんはめちゃめちゃ焦りまくっていましたよ。
なんかホッコリとした気持ちになりました。