長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

アブさん。

2024年04月24日 03時08分16秒 | 近況
午後の稽古が一段落して、外に出していた植木を部屋に入れたのと同時に、黒くて素早く飛ぶ賓客が一匹、稽古場に入ってきた。
一頻り、中空をブンブン右往左往していたが、ピタリと静かになった。
何処へ…と見回すと、黒くて意外と大きい蠅に似た虻にも見える虫が、お弟子さんが譜面をのせるテーブルの上にこちらを向いてピタリと鎮座している。
どうしたものかと様子を見に近づくと、逃げるでもなく阿るでもなく、例によって手を摺り足を擦りながら安閑と、平べったい面上にデンと座を占めておりゃる。
顔を眺めると何やら鼻が長くて、狂言面の嘯き(うそぶき)にも似たご面相である。

仕方ないなぁ…何か仕出かしそうな悪人づれにも見えないので放っといて、次の予定まで自分の稽古をすることにした。
するとどうしたことか、小一時間、私が独り浚っている間に、彼の賓客はそのままの姿勢で、長唄…三味線の音色を静かに聴いているのだった。

…さて、我が係累に4月23日の今日が命日のものは居ただろうか…と不思議な気がして考えた。
3月19日に最初の一輪が花開いた胡蝶蘭も、持てる蕾の総てが咲き揃って、そろそろ株の為にも切り花にしなくては…と思っていた。
明日は供花にしよう。



※表題写真は3月22日、下は3月19日に撮影したものです。

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