壁の向こうになにがある? 19

 

 

 

おふどうさまカードは絶大なパワー

 

 

 

 

「生きている死者からの手紙 73」(1914年の出版、ノンフィクション)

        エルザ・バーカーによる記録

        金澤竹哲・訳

 

健康長寿&安楽死を、正心調息法&らくらく毛管運動で実現しましょ。

https://www.youtube.com/watch?v=TkUHQtQVZFc&list=PLbPRSTyFexIqLs9eYPCF84D4nS62I20vU

Raku Raku Workout (らくらく毛管運動)

 

らくらく毛管運動は、脳梗塞で両手が痺れたとき

 

「生きている死者からの手紙」(1914年の出版、ノンフィクション)

        エルザ・バーカーによる記録

        金澤竹哲・訳

 

 

手紙34 ライオネルの旅立ち(2)

 

 

「そうだったな。それで、その先生の話をもう少し聞かせてくれ」

「先生が恋をしてるのは、ぼくの遊び友だちのお兄さんなんだ。ぼくは小さい頃、そのお兄さんを知ってたんだ。お兄さんは、自分の磁石を使わせてくれたし、凧のあげ方も教えてくれたし、機械どう動くのか見せてくれた。お兄さんはエンジニアなんだ」

「そうかい。だったら、大好きな先生が彼と結婚するのは嬉しいだろうね」

 

 ライオネルは、大きな目をさらに大きくして言った。

「お父さんと別れるのはつらいけど、このチャンスを逃すわけにはいかないよ」

「なんだって!」

「戻るチャンスなんだ。こんなときをずっと待っていたんだ」

「しかし、準備はできてるの?」

「準備って? ぼくはとにかく行きたいんだ」

「私を残したまま?」

「また会えるよ。それに――あっ、そうか!――お父さんが地上に来たときには、ぼくの方が年上になってるんだね」。こう考えると、ライオネルは嬉しくてたまらないようだった。

 

 私にも人間だったころの気持ちが残っているので、ライオネルが自由意志で行ってしまうのは残念だった。しかし、意志はもともと自由なものなので、ひきとめようと思わなかった。ライオネルは子供のときこの希薄な素材の世界に来た。その後、体が成長するほどの時間はたっていないのだが、見た目は幼くても、心はもう大人なのだ。

 

「そうだな、今度は私が子供になっているから、おまえに助けてもらうことにしようか」

「それでね」ライオネルは話を続けた。「ヴィクターみたいな人がお父さんだったら、機械について知りたいことは全部――つまり、ヴィクターが知ってる限りのことは全部、教えてもらえると思うんだ。でも、ぼくが大人になったら、ヴィクターの知らないいろんなことを、自分で発見するんだ。パターンの世界でぼくが作ってた小さな機械のこと、覚えてる?」

「ああ」

「地上に戻ったら、あれを本物にするんだ。まあ、いまでもぼくの指から出る電気で動いてるんだからね!」

「しかし、おまえがあれを、鋼材かなにかで、なんらかの物質で作っても、ちゃんと動くかな?」

「もちろんさ。あれはぼくの発明なんだ。ぼく、有名になるよ」

「だが、ほかの人が先に発明したらどうするの?」

「誰かにできるとは思えないけど」