日曜日は育児放棄して(笑)ラモーナ・シリーズを一気読み。

「ゆうかんな女の子ラモーナ」

「ラモーナとおとうさん」「ラモーナとおかあさん」

「ラモーナ八歳になる」「ラモーナと新しい家族」

「ラモーナ明日へ」

 

ですね。いやーー面白かったーもっとじっくり読んでみたいけど。。挿し絵がなぁ。

アラン・ティーグリーンさんって「ベッドの下に何がいる?」の人かな。

これはこれで魅力的なんだけど、ダーリング絵のラモーナがめちゃめちゃキュートなのでもったいない。

だから手元に置いて読み返したい気はあるけど(はるちゃんにも読んで欲しいのだけど)うーん買わないかなぁ。。

 

松岡享子さんのあとがきも全部素晴らしい。児童心理学の専門家が「専門書を読むより本書を読め!」と言ってたそう。

ラモーナは小学生になっても歯磨き粉特大サイズをまるまる一本、洗面台にしぼりだしたりしています(笑)

 

どんどん大人になって淋しい反面、親友もでき、好きな男の子もでき(このダニーとのやり取りがホントステキだ)

アメリカももはや50年代ではなく80~90年代の厳しい時代?に突入、永遠の主婦と思われたクインビー夫人もフルタイムで働き。。。「ラモーナが持たなかったらドミノのように一家が倒れてしまう」ような状況にも。。。

 

ラストシーンの公園でのバースデーパーティー、まさかのスーザンが好きになるという神回。

これってついこないだのバカみたいな世の中みたいな例で^^; バースデーキャンドルを吹き消したから、ばい菌いっぱいで汚い(と母親に言われた)からケーキ食べないとかスーザンが言うのよね!(他の子も同調しだしたりして) まだ1年生の時スーザンがラモーナの工作を真似した件でおかあさんが「かわいそうなのはスーザンの方だわ」というのだけど、うーんおかあさん深いよ。

 

ところで、今さら私などが言うのは僭越なのですがーっっ!翻訳が素晴らしいんですよぉおお。。。

だいたい、「アバラー」(犬の名前)っていうのがすごくない??昨今の翻訳ならそのままひねりなく英語名を使いそう。

「ローズシティバイシクル」が「花園自転車店」とか!! ラモーナが電気スタンドと勘違いする「あかつきのほ」っていうのも、語感が「暁の穂」だから、「穂」って電気スタンドっぽいじゃないですか(私の感じ方だけです)

「あかつきの ほの白き光に」(国歌の歌詞)を「あかつきのほ」の、「じろき光」と勘違いする。。んだけど、この芸の細かさ!!まさに「芸」です。

 

これ、、原文は何だろう。ダウンライトと「ダウンズ ライト」と勘違いしただけだったら松岡さんに軍配。。

かの有名な「お前にかんけいナイフにはさみ!」(ヘンリーがスクーターに言う憎まれ口)も、元ネタなんなんだろう。

「まねーしごんぼ、ねしーまぼんご」からの「真似しごんぼ」(悪態)っていうのもなんかもうすごい自然です。

何を言ってるかわからねぇと思うが…(ジョジョ)読んでくれッ!

 

ちなみにアバラーは原作では「Ribsy」らしいです。リブ、スペアリブのリブ?つまり肋骨っぽいということ。。これを「アバラー」という名前にした松岡さん天才。私たち読者にとってあの絵の犬は「アバラー」でしかなく「リブシー」って言われても誰?って思いますものね。日本語のリブシー(「ラ行」)ってちょっとエレガントに聞こえてしまうし。

 

昨今の翻訳だったら「リブシー(肋骨のこと)」とかって注訳をつけて、そのままリブシーで押し通しそうで怖いっ!

そうすると全編台無しになるくらいのキャラ変。。。

 

いま、夜寝る前に「おはなしろうそく」を読んでいて、松岡さんと言えば家庭文庫やお話の人という位置づけでいらっしゃるのですが、松岡享子さんのファンの方でヘンリーくんを読んだことがない人(いないか)がいたら印象ががらりと違ってしまいそう。本書の持ち味である平易な語り口はそのままに、松岡さんって「めちゃめちゃ面白い人」なんじゃないかと思う。うんうん唸って誠実に苦しんで翻訳なさっているとは思うのですが、、このセンスには脱帽です。

 

ところで話は変わりますが先日レベッカからの「断崖」(ヒッチコック)を観て「なんじゃこの終わり方?」と思ったらやっぱり原作から大幅改変(ゲイリークーパーを悪役にできない事情)があったそうで、ふーんと原作を調べたらフランシスアイルズという人の「レディに捧げる殺人物語」という小説だという。うわぁぁぁこの邦題素晴らしいじゃないですか?!

読むしかない!!

 

さいきん映画なんかもカタカナそのまま(しかも原題と違ったり)なんかでロマンがない。もっとこの素晴らしい日本語を縦横無尽に生かしてほしいですねーコロンボやホームズも吹き替え版の方が面白いですもんね。この文化が滅んでほしくない。いま、日本家屋の掃除を覚えたくて昭和の家事本を読んでいますが、はるちゃんに「蚊帳の外(かやのそと)」という言葉の意味を説明するのに、まず蚊帳というものを見たことがないのか―(子どもには面白そうですよね蚊帳って)、、と思いました。まだ小さいうちに体験させてあげたいな、、なんて。つれづれでした。

 

※わかると思うけど蚊帳の外っていうのは仲間外れのことですー