雪組雪組の全国ツアー『仮面のロマネスク/Gato Bonito!!』を見に行ってきました。
4月27日(土)午後3時。初めてのウェスタ川越。


乗り換え電車は少ないものの、それなりに遠かった…けど、とてもきれいな劇場でした。
この日は1階席…わあ!めちゃめちゃセンターバンザイ


やったー!と思う一方、頭によぎるのは幕間休憩のお手洗いへの動線。悲しい習性。。。
1階席はお手洗いの個数もあったようですし、何しろ他のお客様が足を引っ込めてくれればスムーズに進める広さが確保されていたので、無事に行けました。
初めての劇場に行くとお手洗いの話をしちゃう、悲しい習性。。。


さてと。
前の方の頭がまったく気にならない、しっかりした傾斜がついた客席。最高!
1階席のわりに舞台がちょっと遠くは感じるけれど(最近多い縦型の劇場だから仕方ない)、でもセンター!
開演前…明らかにジェンヌさんな方々が5名来ましたキラキラ
男役さん2名、娘役さん3名。
娘役さん2名が前方へ、残り3名は中程に座られたのですが…どなただったんだろう。
私は最初、前方へ行かれた娘役さんが愛すみれちゃんかと思ったんですが、愛すみれちゃんはムラで月組を見ているとかで…分身できない限り無理…なわけで、見間違いでした。
マジでどなたたちだったんだろう。。。

そして、私の後ろを見ると小学校低学年らしき女の子おとめがお行儀よく座っていました。
『仮面のロマネスク』で大丈夫だろうか。そわそわ。


そして開演。
おや?

マイクのボリュームが…小さい??
かなり集中しないとセリフを取りこぼしてしまいそう。

『仮面のロマネスク』に関しては物語もセリフもよくわかっているから…
えーと、私が見たのは2012年の宙組
大空祐飛退団の知らせを聞いて、名古屋だから行かないという手はない!名古屋なんてすぐ!と、慌ててチケットを取って(当時は取れた)名古屋日帰り初遠征。
花組は意外と映像でしか見ていなかったわ。自分でびっくり。
で、
まあ物語もセリフもよくわかっているから…
セリフを聞きこぼしても行方不明になることはないし、脳内補正もできるのですが…
初めて見る作品だったら非常にしんどい。
まして音楽がなったら、音楽はしっかりガッツリ大きいので…ほぼほぼ聞き取れない反省パンダ
ところが場面が盛り上がるほど音楽がなったりするし、歌ったりするから、大事な場面ほど聞き取りにくい…なんということでしょうaya
PAさん…がんばってくださいませ。。。

というわけで、ややストレスがあり、自分の気持ちが物語に入るのに少々手間がかかりました。
でも何しろ、
あーさ(朝美絢)はひたすらイケメンだし…危ない匂いのするイケメンというにはまだ少々「悪い人じゃないわ、この人」感が勝っていたものの、
(大空祐飛を見ているから余計にそう思ってしまうのかも…)
恋愛を遊びととらえている感じ、少年がゲームを楽しんでいるような感じはあったし、かと思えば…

本当に楽しんでます?感もありました。
自分本位に話を進めているようで、やっぱりメルトゥイユ公爵夫人に実は振り回されている感じもあったし、、、
…でも結果として、やっぱりなんか

別に女を弄ぶことを楽しんではいなかったかも。
自分の心のスキマ…メルトゥイユがいないスキマを埋めるために、メルトゥイユにふさわしい自分であるという自我を保つために、いい女をどんどん落とそうとしているような感じ。
ちゃんとメルトゥイユと付き合っていたら、全然一途でいい人だった気がする。

そして何と言ってもラスト!
軍服姿が最高でしたキラハート
アンドレバラかと思ったわ

(今度のベルばらではオスカル演じるけども)
なんか、今までも『仮面のロマネスク』を見てきたはずなのに、
軍服を着て

「これでも近衛隊に軍籍を置いているので」と言った時の説得力といったら!
ヴァルモンって軍人だったんだ!!と、初めてのように知りました。今までスルーしすぎてたわ。
まったくもって「これでも」ですよ、ヴァルモンさん。
でも、ここに説得力があるのは、あーさからにじみ出る「真面目さ」だと思いました。
ヴァルモンとして恋を弄んでいても、イヤな奴にはなってなかったし、いやらしさも…本当はいやらしさをめちゃくちゃ感じさせたいだろうとは思うんですが…いやらしすぎず…で、

だからこそメルトゥイユよりももしかして年下なのでは??なんて思ったりしたくらいなんですが、
この辺もやっぱりあーさからにじみ出るものによるかなーと思い…
そのおかげで近衛隊に軍籍がある軍人であり、最後は負け戦とわかっていてもちゃんと任務を全うする人間であることが説得力をもって伝わってきたのでした。
しかも近衛隊…
オスカル様じゃん!
あーさってば、アンドレのような見た目でオスカルのようなお仕事を早くも!!
それにしても、最後の凛々しい軍服姿は表情も急に誠実になって素敵でした。
仮面をはずしたヴァルモン…絶対、自分自身の心のバランスを保つためだけに女を利用していたじゃん!です。
メルトゥイユさえこっちを向いていたら、女たちが泣くことはなかったでしょうに。。。


で、そんなヴァルモンを手のひらの上でコロコロ転がすメルトゥイユ公爵夫人。
あやちゃん(夢白あや)にピッタリだったかも。
なんかもう…年上のお姉さんのような色気と貫禄!!
おいくつの設定なのかしら??
「あ・た・し」にゾクッとしちゃったラブ
「ジェルクール…!!」にもゾクッとしちゃったたましい
お顔がクールビューティーだから、より心のうちが読みにくくて、計算を働かせている間は怖い女性っぽさがあり、でも自分の気持ちに素直になる…ついに仮面をはずす最後は表情が柔らかくなって…この人もこの人で一生懸命生きてきたんだなと思ったり。
とはいえ、まあ、なかなかな女性ではありますがうさ。
それにしても、貴族の気高さと美しさが完全にそこにあります!って感じで、ためいきものでした。
お二人とも仮面の使い分けがお見事でございますパチパチ
勝ち気さとプライドで、ヴァルモンに甘えることは難しかったのかもしれないけれど、最初から素直に甘えていてくれたらねぇ。
ま、そうなったら物語にならないわけですがうさ。


あがちん(縣千)は、想像以上に愛らしくてびっくり。
ダンスニーをやると聞いて、あがちんは若々しさはあるけれど、あのモジモジ感は出るかなー?と思っていたんですが、モジモジしてました(-∀-)イヒッ
純粋!純朴!素直!
いつもより表情も柔らかく、キョトンとしていて、本当に可愛かったー。
でも「男」になり、そしてヴァルモンに「決闘だ」と言うときはグッと迫力があって!
ま、自分だってメルトゥイユとねぇ…なのに、決闘も何もさぁ…なんだけども、当時の男はそんなもんだねぇ。うん。
それにしてもあがちんも、表情の使い分けが見事で素敵でした。
ちゃんと大人に、男に、なってた!!骨が急に太くなってた!!


そんなダンスニーが愛したセシル、さなちゃん(華純沙那)
ああ、もう、可愛らしい!可愛いの具現化!!
本当に本当にダンスニーとお似合いだったのに!!
ジェルクールからは上手いこと逃げられそうだったのに!!
ああ、もったいない。
鍵を開けちゃったのは仕方ないとはいえ、、、好奇心に負けちゃったというか、ヴァルモンへの興味に勝てなかったかぁ。
ヴァルモンだから無理やりってことはさすがにないと思うので…強引だったにせよ受け入れてしまったんでしょうね。
正直…そこも見せてほしいんだけどねきゃ
でも、大丈夫!
ダンスニーとこれから、本当にきちんと幸せになれると思う!!
ああ、可愛かった。
なんであんなに可憐なんでしょ。


ジェルクールのさんちゃん(咲城けい)は、おヒゲ姿で、なかなか重々しさもある雰囲気の登場で、結構びっくりしました。
ちゃんとみんなより大人に見える!!
しかもなんか…オジ的いやらしさがある!!

やるやん、さんちゃん!!
さんちゃんも…何歳設定よ!?


ともかちゃん(希良々うみ)のトゥールベル夫人は…なんていうか、

雰囲気がもう、ものすごくちょうどいい!!
りーしゃ(透真かずき)なんて、あの優しさの塊みたいな雰囲気の旦那様がいて、恋はしてなくてもちゃんと穏やかに落ち着いていて、でも別に落ち着いたからといって枯れてはいなくて、、、という、

薄い肌の一枚奥に潤いを秘めているような感じがものすごくちょうどいい!!
ガツガツなんてしてないけど、ちゃんと艶っぽいハート
なんか今回、こちらもちょっと新鮮な発見だったんですが、
思いのほかトゥールベル夫人って頑張ってた!!
もっと早めに陥落してた気がしてたけど、、、

結構耐えてた!!
あーさヴァルモンは「いい感じ」みたいに言ってたけど、いやあれ、だいぶ難しいよ、全然いい感じじゃないよって思って見てました。
あーさヴァルモン…やっぱりそれほど手練れじゃない…のでは??結構無理して頑張ってた…のでは??

ともかちゃんトゥールベル夫人がめちゃくちゃ頑張ってくれたおかげで、
修道院に行かなくてもいいよー…りーしゃに甘えようよー…ヴァルモンめー…っていう気持ちがより大きくなったように思いますうなずく☆


それから印象的だったのは、まなはる(真那春人)の執事ロベール。
ルイ(風雅奏くん)、ジル(琴峰紗あらちゃん)、ジャン(海咲圭くん)の小間使い三人衆にため息をつきながらも、ヴィクトワール(千早真央ちゃん)と寄り添い助け合う大人の男ロベール。
さすがの安心感GOOD執事に欲しい安心感GOOD
「そろそろお出かけになりませんと」のセリフが、やっぱり『仮面のロマネスク』全体をさ、締めると私は思うわけです。
そこからの「そっとしておいて、私たちの時間よ」の、この2つのセリフがどう聞こえるかに9割かかってると思うわけです。
だから、まなはるの低音ボイスで、落ち着いたトーンで、このセリフ。最高でしたGOOD

あ、小間使い三人衆のアドリブ
「ここに川があるぞー」「川を越えるー」「川越ー」
可愛かった。笑ったわahaha*

それにしてもまあ、被害者の会ができてもおかしくないくらい、被害者多数のとんでもないお話なわけですが、
全然「まあ、いやらしい興奮」とかならなかったのは、

やっぱりあーさヴァルモンが苦しそうだったからかなぁ。
なんか苦しそうだったんだよねぇ。
嬉々として口説いてはいないんだよねぇ。
なんで俺こんなことしてるんだろ…って思ってそう。
イケメンを持て余してるような。
だから「いやらしい」っていうより、無理しちゃって…早く幸せになれよって感じで。
今まで、決闘で空砲を撃ったのも、さすがにダンスニーへの罪悪感なのかなとか、年貢の納め時的な諦めなのかなとか思っていたけど、
本当はこのチャンスにダンスニーに殺されて楽になりたかったんじゃないかなとか思いました。
そりゃ、負け戦にだって出向きますわ。。。
まさかの思いが通じちゃったから、負け戦に行くのツラくなっちゃっただろうけど…でも幸せを抱いて死ねるよね。うん。
あーさヴァルモン…思いのほか闇深かったなぁ。
でも、よく考えたら『海辺のストルーエンセ』もそんな男だったわ。
あーさってば…自己肯定感高いお役ももらってね。