母親からの関心を向けられずにシャナは一日一日と、悲しみと不安が積もっていった。
もちろん寂しさも悲しさ在るが、子供にとって親に関心を持ってもらえないという事は自然界に置き換えればそのまま死に直結することを意味する。
故に、本能的に生と死の境を感じ取り心の深層部分には命を守ろうとするための恐れの感情、いかに生き抜くか?というための戦略やルール、それに伴った行動パターンを作り上げていくのはごく自然なことで、
その中で作り上げていった行動は母親との関係を尚更こじれさせる方向へと向かわせていた。
母親との関係がこじれる度に、生と死の天秤を揺らすほどの恐れの感情が生まれ、シャナの奥にある男の子の魂とも呼応していくのである。
そして、その感情の繋がりから男の子の魂を呼び起こそうという策が講じられようとしていた。
男の子の魂の記憶の中で、悲しさと寂しさと生死の境目にある恐怖を感じているワンシーン。
それを、シャナに見せることで揺さぶりをかける作戦だ。
まず手始めに、男の子が牢屋に閉じ込められ目の前にある牢屋の鉄格子を見つめながら誰も助けには来ない寂しさと、いつ殺されるかと怯えている場面を再現することにした。
シャナの種族は人間と同じように口から栄養を取り入れ下から排泄する生命体である。
なので、文明が発達するとトイレの様に決まった場所で用を足すという文化も自然と出来上がっていった。
そして、この種族のトイレは家の外に作るのが一般的で、
電灯は付いていないため夜になれば、家から漏れる光を頼りに薄暗い中で用を足すのが日常である。
ライヌ達はその薄暗さを利用して、シャナがトイレに向かおうとした際、入口の一角にある空間に牢屋の鉄格子の幻を映し出したのだった。
お話会の開催のお知らせです♪
日時:10月28日(土曜日) 13:00~16:00
場所:東京メトロ千代田線
湯島駅から徒歩一分
(参加者の方に詳細をご連絡いたします)
定員:8名(先着順)
参加費:12,000円(当日、現金支払いにて)
詳細とお申し込みはこちらをクリック⇒☆★☆★
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