ここは高崎芸術劇場のロビーです。
パンフレットと同じ映像が映し出されています。
そこに、
コバケン85 × 群響80
とあります。
コバケンとは指揮者の小林研一郎氏
のこと。
演奏会の最後に、
小林研一郎氏から、その、説明がありました。
群響は創立80周年
85は小林研一郎氏のお歳。
その数字に感慨を込めた演奏会であったようでした。
最初から驚かされました。
観客はもちろんのこと、
一番驚いたのは演奏家の方々だったかもしれません。
演奏に入る前に、
「一番。三番くらべてください。」と、
突然一番だ、三番だと、少しずつ演奏させられたのですから。
曲想が違うのに、
たちまちその世界に入って全員が一つになっての演奏。
さすがプロだーと、
そんなところにも感激して演奏会が始まりました。
群馬交響楽団の創立80周年シーズン開幕。
ベートーベン交響曲全曲演奏会<全5回>の
一回目でした。
第一番と第三番「英雄」
指揮者に特別な思い入れのある演奏と感じました。
拍手やブラボーを
指揮者はどう感じているか。
それは想像するのみでしたが、
この演奏会では
マイクを握った指揮者の口からそれを聞けました。
なぜか昨年の暮れに聴いた第九の最後の感動を思い出します。
パーカッション金管弾けて
くるくると玉の緒回り
「第九」終結
奈織美
外に出ると明るすぎるような上弦の月
今夜は「清夜」だそうです。
24節句の一つ・春らしい日、
というには寒いのですが、
澄んだ思いをもって帰路につきました。
小林研一郎という指揮者の、
曲への・作曲者への、
80周年を迎えた群響への、
その団員への尊敬の念が
心に沁みて残っていました。
85歳という指揮者の後ろ姿も。