前回の続きとして脂肪肝について記載します。

 

脂肪肝の症状

もともと肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、異常があっても症状が出ないため、肝臓の病気のことをサイレントキラーと呼ぶこともあります。ですから、脂肪肝の場合も、初期には「これといった自覚症状が無い」というのが、症状といっても過言ではないでしょう。では、なぜ肝臓には症状が出にくいのでしょうか?それには主に肝臓という臓器の特徴が関係した2つの理由があります。

1.肝臓の再生能力・・・肝臓の細胞はダメージを受けても、すぐに修復しようという機能が働きます。また、ダメージを受けた細胞の代わりに他の細胞がカバーをして働いてくれます。肝臓には約3000億個の細胞がありますが、その半数がダメージを受けても肝臓は問題なく機能してくれると言われています。ですから、かなり症状が進まないと、自覚症状は現れないのです。

2.肝臓には神経がない・・・肝臓には痛みを感じる神経が無いので、多少のダメージを受けても、肝臓そのものが痛むということはないのです。もし肝臓が痛いとはっきり感じるときは、肝臓を覆っている腹膜やその周辺の筋肉や神経から痛みが出ているということなので、症状が重いか症状が進んだ状態だと考えられます。

 

 

疲れやすいのは、脂肪で血流が悪くなるから

脂肪肝になると「疲れやすい」という症状がでるようです。これはなぜかというと、脂肪肝になると血液中に脂肪分が増えることにより血がサラサラではなくなり、血流が悪くなるからです、血流が悪くなると、肝臓だけでなく体全体の細胞に酸素が行き届かなくなると共に、老廃物やCO2の排出が悪くなり、筋肉に疲労物質が蓄積します。そうすると筋肉痛や疲労感が自覚症状となって現れます。

ですから、最近肥満傾向になってきた方や生活習慣が乱れ気味の人で、疲れが取れない、体がなんとなく痛い・だるいと感じる場合は、脂肪肝についてちょっと思い浮かべてみると、早めに病気を発見できるかもしれません。

 

 

肩がこる 特に右側の肩こりに注意

脂肪肝になると「肩こり」が症状として現れる場合があるようです。特に右側の肩がこる場合には、要注意かもしれません。脂肪肝と肩こりの関係は、脂肪肝で肝臓の代謝機能が低下するために血流が悪くなり、筋肉や腱の動きが低下することで起こります。

体の筋肉は骨と骨を連結してスムーズに動かす役割を果たしていますが、筋肉の動きが悪くなると、体が硬くなります。体が硬くなると、さらに筋肉も硬くなり、痛みやコリ、ぎっくり腰になることもあるようです。ですから、長引く肩こりや肩の痛みなど筋肉疲労を感じるある場合には、脂肪肝が隠れている場合があるということです。

 

 

脂肪肝が進むと、「頭がぼうっとする」「集中力がない」「イライラする」などの症状が起きてくると言われています。これも、倦怠感や肩こり同様、脂肪肝による血流障害が原因で起きると考えられるようです。

また、よく似た症状として、脂肪肝による肝機能障害が進むと「頭がのぼせる」「夜間眠れない」「昼間に眠気がでる」などの自律神経症状を訴える人もいるようです。これは、肝臓の働きには副交感神経(自律神経のひとつ)が関係しているためで、肝臓の機能が低下すると自律神経失調気味になる場合もあるようです。

 

 

 

脂肪肝の治療

肝臓の細胞に脂肪が長く蓄積したままだと、ケースによっては肝臓の細胞に炎症が起きたり、肝硬変(かんこうへん)になるリスクがあるようです。肝臓が肝硬変の状態になると、肝臓の細胞が変性して、代謝や解毒、消化液の分泌など肝臓本来の働きをしなくなり、肝臓全体が小さく硬くなってしまいます。また、肝硬変から肝臓癌に至るケースもあります。

ですから、脂肪肝を指摘された場合にまずやるべき治療は、「肝臓の脂肪を減らすこと」です。脂肪肝は早期に治療をすれば、肝臓を元の健康な状態に戻すことは可能だと言われています。

 

脂肪肝の治療では、食事療法が最も重要だと言われています。食事の習慣を変えることで、肝臓に蓄積した脂肪を減らすことが、食事療法の目的です。具体的にはどのような調整が必要なのでしょうか?ポイントをご紹介します。

1.アルコールや甘いものの摂取を控える(アルコール性脂肪肝ではアルコールを絶つのが望ましい)
2.低カロリー・低脂肪の食事に変える(肥満を解消する、肝臓に負担をかけない)
3.ビタミンやミネラルなどもきちんと摂る(不足すると、肝機能が回復しにくくなる)
4.バランスのいい食事を心掛ける(炭水化物のとり過ぎに注意!良質のタンパク質をとる。野菜を多くとる。脂肪は控え気味がいい)
5.一日3回規則正しく食事をとる習慣をつける(早食いやドカ食いはNG)。

 

 

運動療法で肝臓の脂肪を減らす!

脂肪肝の治療のポイントは、食事療法と運動療法をうまく組み合わせていくことがポイントだと言われています。運動療法の目的は、運動によって肝臓に溜まった脂肪を消費し、さらに余分な脂肪を蓄積させないことです。

運動をすることで体重を減らしたり痩せたりといった目に見える効果を期待しがちですが、脂肪肝の治療の場合、急激に体重を減らすことはさほど重要ではないようです。脂肪肝の運動療法のポイントは、運動を習慣的に行い、脂肪を継続的に消費させていくことです。

脂肪を燃やすうえで最も効果的なのは早歩き、ジョギングや、サイクリング、山登り、バドミントンなどの有酸素運動です。有酸素運動の具体的な方法については後で詳しく説明します。

 

 

脂肪肝を予防・改善・回復する方法

肝臓に蓄積された脂肪を減らすには、有酸素運動が欠かせません。有酸素運動は内臓脂肪を燃焼させる効果がが高いので、脂肪肝の人にはぴったりの運動です。有酸素運動の中でも「早歩き」は、通勤途中や家の近所などで手軽にできるので、おすすめです。早歩きで肝臓の脂肪を燃やすポイントは、次の通りです。

1.早歩きは、継続して20分以上行うと効果的(運動開始20分後から、内臓脂肪が本格的に消費され始める)
2.一日に1時間くらい早歩きをすると、非常に効果的
3.早歩きの速度は、呼吸が荒くなって、ハアハアするくらいの速さが必要
4.腕を前ではなく、後ろに振るようにして歩くと、肩甲骨が動き、脂肪の燃焼率が高くなる
5.運動の前・途中・後に水分をこまめに補給する

 

 

野菜や果物に含まれる抗酸化物質が、脂肪肝の予防に効果があると言われています。抗酸化物質には、肝臓での脂肪の分解を促進し、脂肪の産生と蓄積を抑制する働きがあるようです。しかし、バナナやブドウ、リンゴなどの果物には抗酸化物質だけでなく、果糖も多く含まれているので、食べ過ぎると脂肪を作る原因になってしまうので注意が必要です。

おすすめは、野菜を豊富に食べることです。例えば、緑黄色野菜にはβ―カロチン、ブロッコリーにはスルフォラファン、トマトにはリコピン、キノコにはβ―グルカゴン、大豆にはイソフラボンなどの抗酸化物質が含まれています。

 

食事の際に気を付けることは、1.炭水化物をとり過ぎない:ご飯はごはん茶碗1杯でやめておくのがおすすめ。女性は茶碗の大きさを小さめにするといいでしょう。
2.食材の工夫:肉は脂肪分の少ない部位を選ぶ。鶏肉ならささみ、豚肉や牛肉ではもも肉が低カロリーです。
3.ヘルシーな調理法:蒸す・煮る(砂糖の入れすぎに注意)がおすすめ!また、網焼きで油を落とす工夫や、油を使わなくても焦げ付かないフライパンを使用すると良いです。

 

この他にも推奨すると、豆腐やビタミンEやA.などの豊富なものを摂取するとよいでしょう。

 

 

以上、脂肪肝について長々となりましたが、ダイエットするに当たって必要なことかと思います、無理なく、楽しくやるのが望ましいでしょう。

 

 
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