こんにちは。
昨日今日とものすご〜〜く寒いですね。
私はずっとなんだか胸につかえていたものー
それはつまりいつまで経ってもリプレイの基幹が意味するものを自分なりにとらえることができないーというもどかしさなのですが、
それに何とか一区切りつけることができ、それを言語化もすることが出来て、ほっとしました。
なんかそれが出来ないとなかなか他のことに本腰入れて取り組めないぜ、
っていう気持ちが続いていたので、良かったです。
そして自分がマネージメントしている仕事とは別に、
外に勤めに出るというダブルワークを始めて初の確定申告も無事に終わりました。
年度末はまた色々雑務に追われて忙しいのですが、でも大きな山場を超え、ひとまず胸をなでおろしているところです。
そしてそんな折ドイツから友達カップル二人がうちにやってきていました。
色々興味深かったので、やっと気持ちに少し余裕もできたことだし、書いてみようかな〜と思いました。
羽生君は関係ないので、もしよかったら暇な人だけ読んでください←
パレスチナ問題のこととかなので。
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さて。
友人カップルは私たち夫婦と同世代
男性はアメリカ人で私の旦那さんの友達です。
うちの息子のゴッドファザー(後見人)でもあります。
N君。社会学者で大学で教えてます。
学会などで結構頻繁に来日します。
ただコロナで海外移動がなくなり、今回の来日は久しぶりでした。
女性は生粋のドイツ人。
Jさん。教育関係職です。
彼女も来日は久しぶり。ピカチューが好き。
今回は3週間のホリデーをとって来日。
一週間くらい我が家に滞在したいとのことで普段だったらOKなんですが、3月後半から10日間旦那さんのお兄さん夫婦がアメリカから来日してうちに来るので今回は断りました。
なので短期滞在でしたのであんまりじっくり話せなかったのが残念でした。
うちに来る前に東京のアパホテルに何泊かしていた二人。
アパホテルのサービスは価格と質が釣り合っていてとても満足だったそう。
そして「日本は変わったね!」と。
まず外国人労働者がものすごく増えたね!びっくりした!と言ってました。
私は地方在住なのでそんなに身近に変化を感じることはないのですが、都心部に出かけるとやっぱり随分増えたなあ〜という感じはします。
そして、スーパーに代替肉の商品増えたね?
前回来た時は一個もなかったし、カフェやレストランでベジタリアンオプションなんて全く無かったよ!と。
日本もこんな風に変わるなんて驚きだな、と言ってました。
彼らが言うにはドイツはほんとに代替肉の消費が盛んで、外食するとメニューの三分の一はベジタリアン対応(ビーガン含む)になってる、とのことでした。
日本は対応はずっとまた後になるのかなあとは思いますが、気候変動対策の一環として肉食文化を見直すっていうことについてはこれから先どんどん進んでいくと思います。食べるのをやめることはなくても量を減らしたり、生産や流通の方法を変えていったり、ですね。
伝統的な畜産業、酪農業、漁業などの文化を保存しつつ、あまりにも工業化されて消費されるだけの環境にも人々の健康にも負荷がかかる産業はこれから少しずつ見直されていくのかもしれません。
難しい問題だと思うけど、この惑星の存続がかかってるっていうことになると、無視できることではなくなっていくんじゃないかなあと私は思ってます。
(繰り返しますが日本は報道量も少ないし、なかなか真剣に議論されることがない話題なのでずいぶん他の国々と温度差があるんじゃないだろうか、と感じています。)
そして、プラスチックバッグ(ビニール袋)を渡さなくなったね!びっくりだよ!とこれが一番驚いたと言ってました。
前回来たときは買い物するたびに全部ビニールに入れてくれたので、それを大事に全部とっておいてドイツに持って帰って再利用して何度も使った、というのですね。
ドイツではもう店にはほぼビニールは置いてなくて、どうしても必要な場合は紙袋を購入するそうです。
でもその紙袋も高いよ、30円くらいもしくはもっとはするんじゃないかと言ってました。(彼らは買ったことないからはっきりした値段はわからない、と言うのです)
私が、「え、でもさ慌てて家を出て袋持ってくこと忘れることあるじゃん、そしたらどうするの?」と聞くと
「忘れないよ。だって裸で家を出ないでしょう?服を必ず着るでしょ?」と言われて
「え?うん。」とは言ったもののなんかよくわからなくて混乱?←
そしてサイゼリヤに行きたい、丸亀製麺に行きたい、HARDOFFと2ndstreet(2つともリサイクルストア)に行きたいとか言うので全部連れていきました。(お金あるだろうにそういうところに行きたがる人達)
丸亀製麺に行った後は、「こんな安くこんなに美味しいものが食べれるところが本当に日本はすごい、すごすぎる。最高すぎるうう」と興奮していました。
N君は色々レビューを書いてトラベルサイトに投稿してるらしく、ヤサイテンプラ、この世のヘブン、みたいなこと書いて投稿してました。
外国の友達がうちに来て一緒に外食するといつもほんとに外食が安い、とみんなびっくりするんですが、人件費が違うんですよね。
Jさんがドイツの最低時給は大体16ユーロくらいかなというので、換算してみたら
時給大体2600円くらいでした。
そりゃ外食したって高いですよね。てゆーか日本の最低時給はやっぱり安すぎなんでしょう・・。
二人共、前回来たときからものすごい円安になってるから僕達にとってはめちゃ安いよ、大丈夫かなと言ってましたが
ええ、、ほんと簡単にもうアメリカ帰れないよね・・と前回里帰りしてからかなり絶望的な気持ちになってます。
そして夜は色々お話をしました。
私は二人が来たらパレスチナ問題について色々聞いてみたかったのです。
それは普段色んな海外のニュースをざっくり読んだりしてると「ドイツで異様なことが起きてる」みたいなのを何回か見ていたからです。
でも私はパレスチナ問題についてそもそも全然良くわかってないし、何がどうなってるのかとにかく読んでもよくわからなくて、それなら実際そこに住んで学問や教育に従事している人達に直接聞いてみようと思ってこの機会を待ってたのです。
まず、今イスラエルがパレスチナを攻撃していて、一般市民の虐殺というレベルであり、これはもう民族浄化である、と非難されていますよね。イスラエル側はパレスチナのハマスという武装テロ組織がイスラエルでテロ行為をした報復であり、これは自衛であると言っています。
こないだはイギリスのウィリアム皇太子がガザの戦闘の停戦を訴えるという異例の声明を出した、と報じられていました。
英国のウィリアム皇太子は20日、パレスチナ地区ガザで「あまりにも多くの人々が殺害された」とし、戦闘を停止するよう訴えた。英王室は通常政治に口をはさまないとされており、極めてまれな発言となる。
↑
ほんと、稀なことだと思います。
国際的にイスラエルに非難が集まる中で、ドイツでは「一切のイスラエル批判が許されない社会状況である」
というのを私は読んでいたのです。
で、はま寿司(ここも二人のリクエスト)で夕飯を食べてる時に「それは事実なのか?ほんとにドイツではイスラエル批判が出来ないのか」と聞いたら
「出来ない」「しない」
とはっきり。
私はほんとにそうなんだ・・。とびっくりしました。
そこから色々疑問に思ったことを私なりに聞いていったのですが、とにかく私のパレスチナ問題や第二次世界大戦後の世界の政治に対する理解があまりに浅いため、ここに書いてもあんまり参考にならないかもしれないですが、読んだ人の誰かがなにか興味を持つかもしれないなと思って書いてみます。
*まず、私がここに書いている何十倍も複雑な事情があり、そもそも私が彼らの回答を正確に理解できていたかもちゃんと自信がないし、複合的な見方もできてないだろうということを念頭に読んでください。
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*どうして批判できないのかー
ーホロコーストの反省があるから。
国としてユダヤ人迫害の歴史があるからユダヤ人国家(イスラエル)を公に批判することが出来ない。もうそれはドイツ人としてのアイデンティティのようなものだ。そもそもの原因を作ったのがホロコーストだから。贖罪意識だよ。
(つまりこれは、私の理解ではー
例えてみると、自分がかつて虐げ、魂を殺してしまった人が、違う相手に対して虐待をしているのを目撃していても原因を作ったのは自分だから、言えない、っていうことなのかな、と思います。ざっくりしてますが。そしてその行為に対する悔恨を社会全体で国是としてきたから批判できないというか、そういう考えに及ばない??)
*でも、反ユダヤであることとイスラエルが人道上許されないことをしている、と批判することは別なのでは?
ー理論としてはそういう風に言うことは出来るかもしれないけど、もうそれは同一のものになっていて、誰にもどうすることも出来ない。
*もし批判したらどうなるの?
ー反ユダヤ主義のレッテルを貼られ社会から抹殺されるリスクがある
*でも自分たちの虐殺の歴史を心から悔いているならば、イスラエルがしていることは同じようなことであり、それこそが許されない、という風に思う人達はいないのか?
ーメディアはイスラエルは自衛を戦っていると常に報道しているし、それが真実だと信じている人も大勢いる。
とは言え、それぞれ皆考えはあるが、公の場で思っていることは言えない、ということ。
話す相手を選ばなければいけない。
*それってすごく窮屈なのでは?
ーSNS社会の弊害も大きい。実際親パレスチナではなくても、イスラエルに懐疑的な姿勢を見せただけで顔写真や個人情報をネット上で晒され、職を追われる教育者やアーティストもいる。発言に対するリスクが噛み合っていない。
*大きな括りとしてユダヤ人、そしてイスラエル批判ができないというのはなんとなくわかったけれど、もし例えば個人としてのユダヤ人が犯罪をおかしたとして、その個人をドイツ人が批判することも難しいのか?
ー出来ないことはないけれど普通は皆やらない。もし批判する場合はものすごく差別にあたらないよう、その批判が「人種的バイアス」から来ていないということを意識しながらではないと出来ない。少しでもユダヤ人側が差別に当たる、と言えば反ユダヤ主義のレッテルを貼られ、ナチスと呼ばれてしまうから。
そしてN君はー
自分はドイツ人ではなくてアメリカ人だからドイツ生まれのドイツ国民よりはまだ少し思っていることを言いやすい。
でも、「罪のない一般市民を殺害するのは許されない」というところまでが限界である、と言ってました。
*何でそんなことになってしまうのか私にはほんとによくわからないんですが?
ーユダヤの人達は何世代も迫害され差別されてきた歴史があって、ドイツにはそれに対する大きな責任がある。
そして今のように彼らが一箇所に集まって武装し、自分たちを脅かすものは抹殺しなければならないと思うに至る理由も十分に理解できるし、それほどに残酷な歴史を背負ってきた。
アメリカは自分たちのパワーを誇示するためにはイスラエルに強くいてもらわなければならない(この辺も説明してもらったんだけどここに言語化出来るほどには私には理解できなかった・・)
し、政治なんだよ、全部は・・。
とN君は言ってました。
私の混乱した様子を見てJさんはN君がドイツに来て間もない時に、ドイツ人達との食事会でこう言った事があるのよ、と話してくれました。
「ドイツだけじゃない、アメリカだって迫害や虐殺の歴史がある。先住民を迫害したし奴隷制度もあった。」
と。
そしたらそこにいたドイツ人達が皆
「ホロコーストはジョークじゃないんだ。アメリカの歴史と一緒にしないで欲しい。」
と言ったと。それ以来N君はそういう発言はやめたそうです。
私はそれを聞いてほんとーーーにびっくりしました。
そしてN君は自分で撮影したこの写真を見せてくれました。
これは第二次世界大戦中、ドイツに住んでいてその住居を追われて迫害されたユダヤ人の人達個人の個人情報だそうです。
それが道路にこうして記念碑のように刻まれていて、定期的に磨かれているのだそうです。
常に、迫害の歴史をビジュアルで捉えながら生活しているんだよ。
と言われました。
でも、でもさ、それじゃあさ・・
ドイツはホロコーストという悲劇を生み、二度と繰り返してはいけないという教訓を「イスラエルを絶対に批判しない」という行為では活かせないんじゃないの?
と私が言うと
「そういう単純な問題じゃないんだよ」
と二人に言われました。
すんごい難しかったです。
今もまだなんかぐるぐるしています。
この問題はこれからどうなっていくのか・・。アメリカ大統領選の行方にも大きく影響しそうです。
二人と話してから、ほんとにまた、色んなことを、考えました。
下に貼ったNHKの記事に書いてあったのですが
<社会全体でナチスの反省を共有し、「ホロコーストを繰り返さない」という誓いを受け継いできました。>
というこの姿勢が「反ユダヤ主義は絶対に受け入れられない」=「イスラエル批判は許されない」
という風になっていってしまい、今の閉塞した言論状況の大きな一因になっているのだろう、ということはなんとなくわかりました。
贖罪、悔恨、反省ー償いの気持ちの強さからこうした現象が生まれているのならば、なんという歴史の皮肉でしょうか。
私の拙い文じゃあんまりなので、興味があったら色々記事読んでみるのも勉強になるかも、と思って貼っておきます・・。
↓このNHKの記事はわかりやすかったです。
<「イスラエルの国家の存立と安全のために立ち上がることがわれわれの使命だ」
これはイスラエルと強い同盟関係にあるアメリカ大統領の言葉ではありません。
ドイツ・ショルツ首相の言葉です。
イスラム組織ハマスとイスラエルとの軍事衝突で、一貫してイスラエル寄りの姿勢を示すドイツ。
そこにあるのは、ナチスによるあの負の歴史です。>
<サイードさん(パレスチナルーツの方)
「ドイツにおいては、ホロコーストの責任を忘れてはならないし、反ユダヤ主義をどんなかたちであっても許してはいけないと思います。ただ、いまの問題は、ドイツ政府や政治家が『反ユダヤ主義』と『イスラエル批判』を混同し、声を上げないことです。民主主義国家として戦争犯罪を非難し、少なくとも停戦を求める責務があるはずです」>
<その背景には、ナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺に対する「負い目」がある>
<大半のドイツ国民は民間人の犠牲を望まないので、早く戦争が終わることを願っていて、世論と政府の公式見解は食い違っている。
それがドイツ政府の姿勢にすぐに影響することはないだろう。しかしドイツや米国などイスラエルを支援する国では将来的に内政の危機が起こるかもしれない。政治が人々の考えからかけ離れているからだ。>
↑
人々の声と政府の見解は食い違っている、政治が人々の考えからかけ離れているから・・
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はあはあ。
なんかこんな事書いても良かったのかなと今更ながら思ってきました。
でも書いたから一応あげてみます・・。
お付き合いくださりありがとうございました。
詳しい方がいたらもしよかったら教えてください。
それでは皆様どうぞ良い日曜の夜をお過ごしください。
また後日。
えこでした。