作曲をされるみなさん(少なくないと思うのですよね)、どうやってイメージを得られますか。どこから湧き出てくるのでしょうか。風景ですか、それとも、なにか物語ですか。歌詞があると、そこからふくらみますよね。
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
イメージ
楽曲によっては、そのイメージというか、原風景みたいなものってあると思うのです。
この風景を見なければ、ここに行ってみないことには書けない、みたいなもの…
以前に紹介した『しおかぜのマーチ』を書いたとき…
あれって日本海なんですよ。太平洋や瀬戸内海ではダメなんですね。
どうにもトリオが書けなくて、これは海を観に行くしかないと敦賀湾を目指したのですが…
大雪に阻まれて断念した、そんなことがありました…
真冬の愛知で書いた、真夏の日本海のイメージのトリオ…
どうしてもあそこに行ってみなければ…
そんなことって、あるように思うのです。
詩
もともと歌詞があるもの、歌の曲って、その詩が、イメージをくれます。
そればかりではありませんね。
その詩を、声に出して読んでみると…
そこには言葉の抑揚、イントネーションがあります。
それが、メロディを生み出す大きなヒントになるのですね。
逆に、言葉の抑揚に逆らっている、逆行しているようなメロディだと、
きっと歌いにくいでしょうしね…
以前、創作は制約があった方がやりやすいということを書きましたが、ほんとそうです。
人
人が見えるとき。
この人(たち)のために、この人(たち)の音楽を…
それってイメージのとっても大きな手がかりだし、エネルギーになるように思います。
そもそも、誰が演奏するのかも、それどころか、演奏されるかどうかもわからない曲って…
書くモチベーション、エネルギー、なかなか湧かないですよね。
ぼくはそうなのですが…
人の『顔』が見える、それは、とても大きなことだと思うのです。
楽曲の風景
その楽曲の風景って、作曲者が抱いたものもあるし、のちの人が考えたものもありますよね。
その風景や情景からインスピレーションを得て書かれたもの…
特定のイメージを持って書いたわけではないのに、のちの人がイメージ付けをしたもの…
じつは自分の書いた曲に、みごとに物語りというかイメージを語られたことがあって、
なるほどと妙に感心してしまったことがあります。
聞く人がそれぞれに捉えればいいのですよね。
でも…
「鼻から牛乳」とか言われたら、「そんなつもりで書いたんじゃあない!」と、
きっとバッハは言うのでしょうが…(笑)
イメージを
取り組む楽曲のイメージをふくらませるのに、歌詞や物語りをつけてみるとか、ありますよね。
声楽の先生に、コンコーネでこんな課題をもらったことがありました…
「次回のレッスンまでに、この曲の物語を考えてきなさい」
また、コンクールの課題曲にみんなで考えた歌詞をつけている吹奏楽部もありましたね。
そういうのも、イメージをふくらませたりするのには役立つかもしれません。
さて、書く立場でいえば…
ぼんやりと生まれてくる抽象的なイメージを具体的な音に組み立てていく過程が、
産みの苦しみだったりするのですよ(逃)。
さて、取り組んでいる曲、イメージの風景はありますか。