IE Business School留学記(Class of 2017)

スペインのマドリッドにあるIE Business Schoolでの留学記です。受験時から生活のことまで書き綴ります。

卒業式

2017-07-23 07:47:32 | MBA授業
7月21日、ついに卒業式の日がやってきた。
今まではMBAとそれ以外のマスターのコースは別に卒業式を行っていたらしいのだが、
今回から初めての取り組みとしてIE全体のマスターとしての卒業式を行うことになったらしい。
そのため人数が生徒だけでも1,000人以上、生徒1人当たり3人まで関係者を招待できるので合わせて4,000~5,000人は集まるという、
非常に大規模な卒業式となった。
会場はマドリードの空港近くにある国際展示場の1ホールを借り切っての開催である。
合同にしたことの利点としてはLLMや他のマスターのダブルディグリーに進んだ日本人学生とIntakeの時期は違うものの、
同じ卒業式に参加できるというのもある。
中々他の機会では会うこともそれほどないので、最後にまたここで会うことが出来たのは個人的には良かった。


他のマスターとの合同卒業式ということで、今回から海外の卒業式でよく見かける、
ガウンと帽子を被っての参加が強制になった。
今まではそういったやり方はとっていなかった+見た目がイマイチということで、
(後はガウンのレンタルに30ユーロ強支払わなければならないというのもあったかもしれない。なお帽子は持ち帰り可能)
セクションによってはボイコット運動のようなものもあったらしい。
とはいうものの、当日行ってみればほぼ9割がたの生徒はガウンと帽子を着用しており、
何だかんだで最後は合わせるんだなと何となく最後にはある同調性を感じていた。


一応式自体は18時からスタートの予定で、17時過ぎくらいには会場に向かうようにという連絡があったのだが、
実際に式が始まったのは18時30分過ぎ。
最後までスパニッシュタイムだと皆で言い合っていた。
学長の挨拶や来賓の祝辞を終え、その後に学位の授与の時間となった。
生徒が1,000人以上もいるのにどうやって1時間で配り終えるのかと思っていたが、
結局それぞれのマスター毎の副学長がそれぞれのマスター毎に学位を授与するというスタイルで、
同時並行的にMIM,MBA,LLMといった具合に4,5か所で学位の授与がセクション毎に流れ作業で行われた。
よって一人当たりの持ち時間は約10秒もない。
副学長と握手をして、写真を撮って終了である。
一応この一連の流れはストリーミングで流されていてインターネットでも見ることが出来るし、
会場の後ろの方にいる関係者たちも、後方にモニターが設置されているのでそれを通して、
それぞれが学位を受け取る姿を確認することはできる。
その際には生徒によっては子供を関係者席から連れてきて、一緒に写真を撮ったりして、
その度に会場から拍手が送られたり歓声が上がったりする。
やはり家族がいるのにMBAやその他の課程にチャレンジしたことに対する皆からの賛辞なのかもしれない。


その後は最優秀学生の発表や、最優秀ベンチャープロジェクトの発表、
最優秀教授の発表などが行われ、終幕となった。
結局30分から40分押しの運営で、終わったのは21時前後であった。


その後セクションの皆で写真撮影をしたりし、
人によっては会場に軽食とドリンクが用意されていたので、関係者も含めて歓談する姿が見受けられた。
個人的には何だか疲れていたのと、卒業したということで少し気が抜けてしまったのか、
それ以上会場にあまり残る気になれず、写真撮影を終えた後は家へと帰ってしまった。


ここで会わないともう会えない生徒も実際には多いことを思うと、
もっと彼等とコミュニケーションをとったりというのもあるのかもしれないが、
実際ここを離れて今後もずっと連絡を取り合える生徒がどれだけいるだろうか?
自分はMBAにて毎回日本ネタについて何らか触れるたびに、日本に来る際は是非我が家に寄ってくれと言っていたが、
本当にどれだけの人が連絡を取ってくれるのだろうか?
今の世の中は多くの人がFacebook等を通して繋がっているので、
何となく本当に分かれた気がそこまでしないのだが、
400人いたMBAの学生のうち、今後また実際に会えるのがどれだけいるのかと思うと、
ふと寂しさを最後には感じてしまっていた。












ファイナルケース総括

2017-07-22 10:59:33 | MBA授業
どこのMBAスクールでもあるのかは知らないのだが、IEの場合卒業のためにはエレクティブが終わった後に、
FINAL INTEGRATIVE EXERCISEという形で何等か卒業試験のようなものを受ける必要がある。
選択肢としてあるのが下記の3種類。

1 Final Case
2 Venture Lab Business Plan
3 Impact Project

自分自身は1のファイナルケースを選択したものの、一応他の選択肢についても解説。


2のベンチャーラボビジネスプランは、エレクティブ期間にベンチャーラボに進めたプロジェクトに参加している生徒しか選べないはず。
勝手にスタートアップの提案とかを行ったとしても、それは受け入れられないものと思われる。
というのもスタートアップの企画案自体についての評価はベンチャーラボにて行われ、
並行して卒業間際にあるベンチャーデイという投資家や生徒に対するピッチをするイベントへの参加を目指すことになるはず。
それとは別に事業性(ビジネスプラン)自体のプレゼンを行うというのがこの2の選択肢であり、
評価自体もベンチャーラボとこのビジネスプランのプレゼンとでは独立して行われるようだ。
そのため一方では高評価でも、もう一方ではそれほどでもないということもあり得るようだった。
とはいうものの、自分自身がこれを選択していないので、聞きかじりでありこれ以上の解説は無理。


3のインパクトプロジェクトは、自分たちでグループ(2~5人)を組み、
会社やNGO等外部組織と組んで、そこへのコンサル提案を行うというものである。
組織については特にスペインのものである必要はないようではあるが、
最後のプレゼンの際にその組織の人に参加してもらう必要があるため、それが可能でないと選択は出来ない。
なので社費の方で自分のいた会社についてやろうとしても、普通は日本からこの最終プレゼンのために誰かが出張で参加してくれるとは思えず、
ファミリービジネスでよっぽどコミットしてもらえる様な親族等がいない限りは難しいのではないかと思われる。
実は1,2,3の中で一番人気のプロジェクトがこの3で、多分半数以上がこれを選んだ模様である。
その理由として聞いたのが、実はこれを選択した場合、他のプロジェクトよりも早く最終プレゼンを終えることが出来るという理由があるらしい。
1,2を選んだ場合、そのプレゼンの日程は7月の中旬頃になるため、それまではエレクティブの授業が終わったとしても、
旅行に行ったり、もしくは卒業式にも参加せずに帰国してしまうということも不可能なのだが、
3を選択した場合、早いケースだと6月下旬にはこの最終プレゼンを行えるため、
上手くエレクティブの授業を組めれば7月がほぼフリーという状況を発生させることが出来るようだ。
それを知らない(+何となく前から準備するのが面倒)日本人の多くが結局1のファイナルケースを選択したのだが、
事情をよく知る外人軍団は3を選択したというのが実情のようだ。
日本人でも3を選択した人がいたので、話を聞いたのだが、事前準備もそこまで大変ではなかったようだ。
(とはいえこれはそれぞれのコミット具合にも拠ると思われるので、当然かなり力を入れたグループもあると思われる)
そもそも選んだ企業がメンバーの一人の旦那さんが中南米にて経営する会社という、
スーパー身内感あふれる中で、最終的に来る会社のメンバーもその人という状況。
発表に向けた事前の打合せは3,4回程度。
事前にかなりの根回しをし、当日のプレゼンでは前向きなコメントを連発してもらうという、
ある意味すごい状況であったようだ。
これは特別なケースなのかもしれないが、上手くやれば非常に楽をすることが出来そうなのがこのプロジェクトである。


そして最後に解説するのが1のファイナルケースである。
ファイナルケースを選択した場合、一番の困難は人集めである。
4人1組でメンバーを集めないといけないのだが、2,3に既に人が大幅に流れているため、
探そうとしてもなかなか人が集まらない状況が発生する。
例えば自分のセクションの場合は50人弱いる中、結局これを選んだのは3,4人しかいない。
よっていざコアのセクションからメンバーを集めようとしても、全然集まらず、
結局ラボ期間のクラスや日本人ネットワークを活用してメンバー集めをしたというのが実際である。
こういった苦労をしたくない場合は、なるべくラボ期間前後からファイナルケースをやる生徒集めに走るべきである。
基本的に良いメンバーは既に動いてしまっている。
そんな中結局自分はラボ期間に一緒のクラスにいたナイジェリア人(女)、そのつてで見つけたナイジェリア人(男)、日本人(男)、ここから声をかけた日本人(男)というメンバーでひとまず登録を行うことになった。
ただその後メンバーを見つけられなかった元同じセクションのメンバーから、このグループに入れてくれないかという申し出があり、
運営サイドに確認してOKが得られるならいいという話をしたところ、承認を得られたため結局1人増えて5人組のグループとなった。


ファイナルケースを選択した場合、基本的に何をするのかというと、最終プレゼンの数日前に何らかのケースが与えられ、
それについての提案の要約の作成、およびプレゼンを行うというものである。
今までに習った教授陣から3人(1人は副学長)が評価者としてプレゼン会場に現れ、
グループ毎の評価を絶対評価で行う。(これらの卒業試験については多分どれも相対評価ではなく絶対評価が行われる)
彼らはケースに登場する会社の経営陣という設定であり、ケースに書かれている問題について、
MBAの生徒がMBAで学んだ知識を活かして、解決案を提案していくというのが基本的な流れである。


今回のケースはクラウドサーバー事業を行う会社(架空)に関するケースで、
その分量自体は6ページ程度と非常に短く、逆に言えば情報が非常に限られたケースであった。
これを基にストラテジーやマーケティングで学んだ知識を基に解決案を皆で考えるというのが基本ではあるが、
結局3,4日しか準備期間が無いので、大まかな流れを皆で決めた後は、
それぞれで担当個所を決定し、文章作成、パワーポイント作成をするという流れでの作業になった。
分割すれば担当する要約も最大2ページ程度なので、そこまでは時間はかからない。
それらを最終的に統合し、皆で確認したうえで若干修正、提出。
そしてプレゼン自体については前日及び当日に練習し、最終プレゼンに臨むことになった。
プレゼンにおける1人当たりの持ち時間が大体3分程度になるので、英語の下手な日本人でも事前に練習さえすれば、
これくらいならばほぼ画面を見なくとも何とか英語でもプレゼンできるように最終的にはなっている。
結局本番もそこまで緊張することもなく自分のパートも一応終了。
5分程度の質疑応答を終えて、卒業試験もあっさり終了。


その後は卒業式まで10日程度あったので、マルタ、イタリアに同期の日本人数人で行くことになっていた。
MBA生活もその卒業旅行に行き、後は卒業式への参加を残すのみとなった。




エレクティブ総括

2017-07-19 15:49:14 | MBA授業
ラボピリオドが終了し、それから続くイースター休暇が終わった4月中旬からエレクティブ期間に突入する。
期間自体は7月の1週目までにすべての科目が終了するように設定されている。
授業のコマ数で120~145コマになるよう授業を選択する必要があり、
大体1つの科目が10~20コマで構成されているので、大体8~10前後の科目を選択することになる。
なおIEの場合スタートアップラボから継続、もしくは新規で起業アイディアを提出し、
選ばれると進めるベンチャーラボというのがあり、それに選ばれた場合強制的に30単位がそのラボに割り当てになるので、
実際に選べる科目数は若干減ってしまうことになる。


この科目の選択はラボ期間中に何回か行われる入札を通して行われ、
大体100前後の科目からそれぞれの希望に合わせて入札を行っていくことになる。
(公式には150前後と書いてあるが、スペイン語でのみ開校される科目も含まれるので、そこまで実際には多くない)
1人当たり1,000点が与えられ、希望度の高い科目に高い点数を入札するという制度で、
他の学校ではどのようにエレクティブの選択を行うのかは分からないが、
少なくともIEにおいてはこのような制度がしばらく続いているようだ。


1回目の単なる人気投票のような仮入札、2回目の授業の重なりを考慮した上での仮入札を経て、
やっと3回目にて本入札となる。(ここで決定した授業は原則変更が出来ない)
大体2回目の結果で、どの授業が人気があるのか、平均何点入札で入ってるのかといった事が分かるので、
それを見たうえで3回目の入札に臨むことになる。
だいたいその数字を見れば、どれくらい入札すればいいかはわかるので、
少なくともどうしても取りたい上位の科目については、入札で落とすということはまずないとは思われる。


とはいえどうしても人気のある科目というのは出てくるもので、
今回でいうとビッグデータ関連の科目が元々2回分(同じ内容で時期をずらして)用意されていたにも拘らず、
結局人があふれてしまい、生徒からの申し入れと調整の結果、3回目としての科目が設定されることになったりと、
ある意味入札結果に応じて柔軟に運営サイドにて対応されるところもある。


自分自身は結局エレクティブとして以下の9科目を選択。
ADVANCED NEGOTIATIONS WORKSHOP
B2B MARKETING
BUSINESS AT THE BOTTOM OF THE PYRAMID
BUSINESS TRENDS FOR MANAGEMENT IN ASIA AT SMU
GEOPOLITICS & BUSINESS STRATEGY
HOW TO WIN THE SERVICES MARKETING CHALLENGE
LEAN THINKING
MARKETING STRATEGY FOR DECISION MAKING
PROJECT MANAGEMENT


選択に当たっては基本的には個人的な興味で選ぶことになるので、
かなりマーケティング、オペレーションに偏った科目選択になってしまった。
全体的にはファイナンスやアントレ関連の科目に人気があるので、
どちらかというと点数的には余裕のある入札になったというのが実際である。


また授業の選択に当たってはそれぞれの授業のシラバスを読むというのも重要なのだが、
結局のところ授業の質は多分にして教授の良しあしに拠るところも大きいので、
例えばコアの授業で受講して面白かった教授の科目を選択するだとか、
後は過去の科目に関する評価集のようなものが出回っていたりするので、
そこで高評価の科目を選んでいくとそこまで外れの授業には出会わないというのが実際である。
そもそも全体的に専門的な話になっているので、
コアの科目に比べても元々自分自身の興味がある分、面白いと思える科目が多かった印象がある。
(それでもつまらない科目も当然あるのだが・・・)


エレクティブ期間でもグループでの発表やレポートがある科目が多いため、
この期間のグループワークはある意味困難を極めてくる。
皆同じような時間割というわけではないので、5人いたとしたら3,4人集まれればいい方、
全員が集まれたというグループワークはほぼ無かった印象である。
今までに一緒になったことのない人たちと組んで仕事を出来るという点ではいいのだが、
ともかく集まりが悪く、皆それほど力も入れてこなくなるので、
個人的にも何となく力が入りきらなかったような気がしている。
グループ自体は教授側で勝手に割り振っている場合と、自分たちで勝手に組んで良いとされる場合があるのだが、
個人的には前者の方が何も考えなくていいので、気楽ではあった。
(ここまでくると大体誰が出来る、出来ないというのは皆何となく分かるので、出来る組に入るのは私の場合難しかった)


一番忙しい日には1日6コマ授業があったりと、かなりきつい日が発生したりもするのだが、
最後のほうになると、1日1,2コマという日もざらになってきたので、
かなり自分の時間を作ることが可能になった。
多分多くの生徒はこういった時間を活用して就活の面談を行ったり、
その準備を進めたりしているのだろう。
社費の自分は結局その時間で本を読んだり、走ったりと、リラックスする方面に使ってしまったのが正直なところだ。
とはいえ1年制のコースで最終的にはかなり余裕は出てくるので、
2年制の学校の場合最後は一体どうなっているのだろうと他の日本人生徒とも話したことがある。
まぁ想像する通りなのだろうか。


これらのエレクティブ期間が終わると、最終試験、そして卒業である。







Lab Period 総括②

2017-07-18 11:41:26 | MBA授業
ビジネスインパクトラボでは学校側から勝手にグループが割り当てられ、課題を進めていくことになる。
今回のメンバーは下記の通り。


日本人(男)
スペイン人(コンサル出身・男)
アメリカ人(医療系分野出身・男)
モロッコ人(IT系出身・男)
ブラジル人(コンサル出身・女)


皆今までとはセクションが違うので、組んでみるのは初めてのメンバー。
一応以前から知ってるメンバーもいたものの、基本的にはまた1からのスタートである。


ラボ期間は意外と授業量が多く、1日4コマとか入る日もざらにある。
5週間という限られた期間で、一定の成果を出す必要があるので、それなりに詰め込みにせざるを得ないのかもしれない。
授業以外にもコンサルの事務所に行って話を聞いたり、
Telephonica傘下のインキュベーター企業に話を聞きに行ったりと課外活動もあり、
それなりに毎日が早く経過してしまう。


一応ビジネスインパクトラボでは毎回会社の課題に合わせたお題がコーポレートチャレンジという形で提示され、
それに対して最終的にグループとしての提案を行っていくというのが一番の目標となる。
今年の課題は「The Circular Economy」に関わる提案を行うというものだった。
循環型経済とでもいうのであろうか?元々コンセプト自体あまり知らなかったのだが、
それをこの通信会社にどのように当てはめるのかというところでより皆混乱させられた思いが強い。
どうやら会社の既に保有する使われていない資産(遊休不動産、3G通信網等)を活用して、
何か新しいビジネスを提案してほしいということであったようだ。
ビジネスインパクトラボのある意味悪い点でもあるのだが、
このお題があまり面白くないと、そもそもラボ期間自体の最大のチャレンジが面白くなくなってしまう。
実際今回はあまり面白くなく、皆からの評判も正直良くなかった。


結局のところ、コンサルプロジェクトといっても会社を改善するというよりも、
新しいプロジェクトを提案するというところに主眼が置かれ、
なんだか制限のあるスタートアップラボといった印象をどうしても受けてしまった。
途中で実際のコンサルの人がメンターとしてつき、週1回相談をするという機会が設定されているのだが、
この制限がよく分からない、つまらないといった具合のことをグループで発言したメンバーがいたのだが、
それに対してこういったことはコンサルならばよくあると回答され終了。
本当にそうなのか分からないので、何となく納得のいかないまま皆最後まで走ることになった気がする。
これなら制限なく、好きなプロジェクトを、好きなメンバーでチャレンジ出来るスタートアップラボのほうが、
正直最終課題へのモチベーションという意味では高くなるのは仕方ない気がする。


ラボ期間中には一応授業も行われ、既存企業における人事論や交渉術、コーポレートガバナンスといった、
会社の変革者として求められるような知識を教える授業もあったのだが、
実は授業の大半はIT系の最近の知識(ビッグデータ、デジタルインターフェイス等)やそのビジネスでの活用方法についてや、
リーンスタートアップといったアイディア出しからビジネスに繋げる手法について等、
どちらかというとコンサル体験を主眼とするビジネスインパクトラボで学ぶべきことなのかというのが、
イマイチ腑に落ちない授業も個人的には多かった。(別にそれらの手法や知識を否定するものではないが・・・)
多分これもよりIT系の知識が求められる現代の企業に対する変革を与えるための知識等を、
生徒に与えようという考えから設定されたのだろうが、あまりにデジタル寄りになってしまった感は否めない。
実は今後は新たなラボとしてそういったIT寄りのことにより特化したラボが設定されるようなので、
そういった事を学びたい人にはより集中的にそういった事を学ばせ、
旧来のコンサル的なことをやりたい人にはよりそういった知識や手法をといった具合に、
ラボの授業の再編成も今後はあるようなので、これを読んでビジネスインパクトラボは避けようというのは短絡的かもしれない。


ラボ期間の頃になると、生徒の中には就活を進めだし、
日中でも面談等が入ってきてしまうことや、会社へのレジュメの作成などが忙しくなる者も多くなってくる。
また世界のMBAで優秀な成績を収めた人達が入れるベータ・ガンマ・シグマという団体があるのだが、
その成績(全体のTop20%)というのはコアのTerm1とTerm2までの成績で決定されるので、
ここから先の成績はその団体に入るためには影響しなくなるというのもあり、
それまではかなり頑張っていたにも拘らず、ラボ期間になってから手を抜き出す生徒も実際増えてくるのだ。
(一応それを防ぐためかは知らないが、学校独自のTop10%に入る生徒を表彰する制度があるが、
 そちらはラボ期間、エレクティブ期間を含めた成績での評価となっている)


今までのグループでは正直フリーライダーというのはいなかったので、
あまりそういった生徒がいることに気を付けたこともなかったのだが、
今回のラボ期間からグループワークの時間に集まると言ってるのに来ない、
課題をやらない、でも後から意見だけはするといったことをするメンバーが実際同じグループにいて、
今までそういった経験をしていなかった分かなりのストレスを感じた。
コアの時期にそういったことが発生するグループはよくあると聞いていたので、
自分のところにそれが無かった分ラッキーだと思っていたら、ラボ期間でこれである。
そのため正直グループ内の雰囲気はそこまでいいものではなかった。
それが最終的に最終課題への取り組みの差、出来栄えの差に繋がってしまった気もする。


こういった事態が発生した時に、どこまで軌道修正しようとコミットするのか、
それは人それぞれかもしれないが、そこがリーダーシップの差であり、主体性の差なのかもしれない。
正直日本人でこういった時に上手くコミットできているメンバーはそこまでいないのではないだろうか。
それが文化的な物なのか、言語能力的に難しいのかは議論の余地があるのかもしれないが、
それで結局不満をためるのは自分自身なので、本来ならば解決する方がいいことではあるとは思う。


ラボの最終日にTelephonicaの本社で、その社員に対して自分たちの提案を行い、
そのプレゼン、内容、展示手法等が総合的に評価され、
クラスの最優秀提案と、全体としての最優秀提案がプレゼン後1,2時間程度で最終的に発表され、ラボ期間は終了となった。


うちらの案は当然それに選ばれることもなく終了。
閉会式の時には全体の6割程度の生徒しか残っておらず、
これなら自分も午前中で抜け出して、早めの飛行機で日本に帰れば良かったとある意味後悔した。
(ラボ期間が終わると1週間のイースター休暇となるので、皆旅行の予定を入れている)
何となくそれほど満足感の得られないラボ期間であった。



Lab Period 総括①

2017-07-06 14:16:30 | MBA授業
Term1と2のコアの授業が終わった後に、Lab Periodと呼ばれる約5週間のプログラムに突入する。
9月入学の場合ここで1週間の休みがあるが、1月入学の場合試験後の金曜日だけが休みで3連休にしかならないようだ。
まぁその後長い夏休みがあるのだからと思えばいいのだろうか。


さてIE Business Schoolの目玉の一つである(と思っている)Lab Periodだが基本的には下記の3つより選択。

・Business Impact Lab(コンサル体験)
・Startup Lab (起業体験)
・Social Impact Lab(社会問題解決体験?)

一応その他の選択肢としてインターンを行うという選択も可能ではあるが、
9月入学の場合3月から4月初頭という時期及び5週間(延ばしても6週間)という期間がそもそもインターンシップに向いていないことから、
クラスでもインターンに行っているのは2,3人という具合だった。
ちなみに2016年9月入学の日本人がどういった選択を行っていたかというと、

ビジネスインパクト:2人(うち社費2名)
スタートアップ:6人(うち社費1名)
ソーシャル:1人
インターン:1人

と圧倒的にスタートアップラボを選択する生徒が多かった。
やはりアントレ教育に強いと言われるIEを選ぶ生徒はスタートアップの起業体験を出来る選択肢を選ぶケースが多いのかもしれない。
ちなみに2017年1月入学の3人は皆私費でというのもあるのかもしれないが、全員インターンを選択されている。


インターンをして早めに仕事探しに関わるのがいいのか、
それともこのLab Periodも含めて授業料を払っているのだからLabの授業を選ぶべきなのかは難しい判断ではあるが、
個人的には折角の機会なのでLabの授業を選択することをお勧めする。


さて自分が何を選択したのかというとBusiness Impact Labを結局選択した。
社費でこちらに来ており、最終的に会社に戻るということを考えると、
ビジネスインパクトラボの掲げる「Transformer(変革者)」になるというコンセプトがしっくり来たというのと、
そもそも起業にあまり興味が無いというのが実際の所だった。


このLab Periodに突入すると、再度クラスがそれぞれのLab(スタートアップとビジネスインパクト)で設定される。
そしてビジネスインパクトの場合はグループも学校側から5,6人の構成で勝手に設定される。
ビジネスインパクトの場合は大体1クラスが30人強といった人数で、全体でスペイン語クラスも入れて4クラス。
そう考えると約30%前後の生徒がビジネスインパクトを選んでいるので、そこまで少数派というわけではない。
他の生徒に選んでいる理由を聞くと、コンサルに将来なりたいからという理由を挙げる生徒は実際多かった。
また中にはやはり起業にそこまで興味はなく、普通の事業法人で働くだろうからという理由を挙げる生徒もいた。


ただ逆に選ばなかった理由としてパートナー企業が嫌いだからという理由を挙げる生徒が多かったのも事実である。
今回は「Telephonica」というスペイン最大の通信事業会社(日本のNTTのイメージ)と組んでコンサル提案を行っていくことになったのだが、
特に南米圏の生徒がこの会社は嫌いだからビジネスインパクトを選びたくないという理由をよく話していた。
実際のところはどうなのかは知らないが、そういった南米の国で独占企業として、
特にサービスも良くないのに高い金をとっているといった事を話す生徒がいたのを覚えている。


まぁ確かにどこの会社とパートナーになるかによって、ビジネスインパクトの人気が上下するのは避けられないのだろう。
自分の覚えている限りで、マオウ(スペインのビール会社)、イベリア航空、エリクソン、と今まで組んでおり、
2017年の1月入学の場合マイクロソフトと組むようで、聞いた中では人気があるように感じられた。


ちなみにこのLab Periodからスパニッシュクラスの生徒が、インターナショナルのMBAに合流することが可能となっていて、
今までに知らなかった生徒と交流が増えることになる。
彼等がスパニッシュクラスを選択している理由は、一つは語学の問題がある生徒も実際にいるのかもしれないが、
多くはまた南米圏に戻るので、そのネットワーク強化を行いたいという理由があるようだった。
そのため基本的には彼らの多くは英語能力にも全く問題はなく、普通にそこらの日本人生徒よりは全然喋れるというのが普通である。