
ドートマンダーが単独で盗みに入った貴金属店。
目ぼしい物を手に入れて意気揚々と恋人のメイが待つ自宅に帰ったものの、たまたま持ち帰った大きなルビーの指輪は実はとんでもないお宝、アメリカがトルコに返却予定だった「ビザンチンの炎」だった。
そうとは知らず呑気な様子のドートマンダーですが、そのルビーの指輪と自身が狙われている事を知って右往左往する様子が、まさに命がけだけに実に可笑しいです。
NY市警は盗んだ犯人を探すために街中の悪党を引っ張り締め上げ、悪党たちはそんな状況に追い込んだ犯人を恨んで警察に引き渡すべく動き出します。
警察やFBI、ルビーの持ち主であると主張する国々や、宗教的な理由から犯人の命も狙う集団、更には仲間である悪党たちからも追われ、まさに四面楚歌なドートマンダーですが、ケルプの助けを借りつつ起死回生の一手を打つ事ができるのでしょうか。
いつもはドートマンダーから疫病神扱いされているケルプが、健気にも今回はドートマンダーを助けるために一緒になって危険な状況に飛び込む姿、その友情は胸を熱くさせてくれます。
もっとも、どんな状況でも陽気なケルプです。身を潜めた先でもドートマンダーをイラつかせるのはしょうがないですよね(笑)。
そして誰もが恐れる大男のタイニー。
今回、ルビーを盗んだ者を探すために街中の悪党たちから情報を得ようとリーダーシップを発揮する様子や、仲間たちを守ろうとする行動には、単なる力自慢で恐怖の対象でしかないのかと思っていただけに、意外性のある人物だったんだなと印象的でした。
それからドートマンダーを追う警察やFBIの個性的な面々のやり取りも可笑しかったですね。
特にマロ―二―警視正が、ドートマンダーからの電話を切ってしまう場面では思わず笑ってしまいました(笑)。