〈シェフ探偵パールの事件簿〉2作目。
クリスマスを目前にしたウィスタブルの街の住人たちに、悪意あるメッセージが記されたカードが送られてくる。
果たして差出人は?!
友人のネイサンもそのカードを受け取っており、パールは調査を依頼されるもクリスマス時期の忙しさもあって断るのですが、パールの会計士であるダイアナが教会のイベントで毒殺されるという事件が起き、ダイアナの甥から請われて調査を始めます。
実は殺されたダイアナも悪意のあるカードを受け取っていた事、そして隣家とのトラブルを抱えていた事から、まずは隣人に疑いの目が向くところですが、怪しい人物が次々と。
更には新たな殺人事件も発生し…。
犯人については結構意外な人物でしたが、読んでいた引っ掛かっていた部分というのはやはり示唆されていたんだなと、読み終えてみれば一目瞭然な訳で、その辺を見抜けきれなかったのがちょっと悔しかったりも(笑)。
それにしても慌ただしくも希望に満ちたクリスマス時期の港町ウィスタブルを、本当に観光しているかのような気分にさせてくれる描写が鮮やかです。
そして何より美味しそうな料理の数々にはうっとり。
その美味しそうな料理、名前だけではよく分からないので誰か食べさせて欲しいw
そして進展しそうでなかなか進まないパールとマグワイア、二人の距離感は微笑ましくもありました。
その中でもパールが、手入れしてもらったものの気に入らない眉毛の変化をマグワイアに気付かれないようにする様子は、可愛くも可笑しい場面でしたね。
また、ちょっとしたすれ違いに気分が沈んだり、相手のふとした言動にイラついたりしつつも、それ以上の魅力を相手に感じ、そして相手を理解しようとする様子が印象的です。
次作ぐらいからはもっとグッ距離が縮まるような予感もしますし、今後もますます楽しみです。