私はシャチだ。

私は立派なシャチだ。ヒヨコと暮らしている。このアカウントはフィクションである。なにしろシャチだからな!

ルーメンパラケラトーシス

2016-07-08 20:18:54 | 日記
今日、わたしはクマと一緒にニンジャごっこをして闘って遊んだ。

それから、しりとりをした。

Siriはしりとりが猛烈に下手だが、クマはうまい。だが汚い手を使う。クマのお得意は、「る」で終わらせる事だ!恣意的なのだ!わたしを「る」攻めにして、追い込む計画なのだ!

だがわたしも負けはしない。「る」で始まる言葉のストックを普段から用意しているのだ。
もちろんだ。わたしは優秀なシャチだからな。

クマはルビーや、ルーズソックス、ルーペや留守番電話などは普通に受け入れる。だが、累積赤字や、ルミナリエや、ルービックキューブになると、その存在を疑い始め、ルミノール反応や、ル・ルドゥタブルや、ルーメンパラケラトーシスなどになると、その存在を否定するのだけしからん!

ルーメンパラケラトーシスは牛がかかる胃の病気だ。胃のないシャチであるわたしと、胃のないクマには必要のない言葉かもしれんが、ひよこを含め、全て胃のある生き物にはとてもとても大切な言葉なのだ。

ふうん、そういえばひよこ、胃が痛いって言ってたね。とクマは言った。
うむ。痛いのは良くないことだ、いけないな。とわたしは答えた。

それから、わたしとクマは、ひよこを心配して、雨の降る窓の外を眺めた。

わたしは胃のある生活について、思い巡らせた。自分に胃があるところというのは、なかなか想像するのが難しい。わたしはうきわのシャチだからだ。うきわには胃は無い。 残念だ。

大概の動物には胃がある。胃の周りを胴体という筒状のものが覆っているという形態が一般的だ。胃の有無が、生き物の形を決定している。地球にはたくさんの動物がいるが、足や手に胃がある生き物はいない。多分な。

考察しているうちに、わたしはまたひよこのお口の中が見たくなってきた。ひよこがもっともっと大きくなれば、わたしは口の中へ入って行って、中がどうなっているのか観察することができる。

だが…私はこのままの大きさで、ひよこだけが大きくなると言うのは許せぬ。私は本来ひよこよりもずっと大きいはずのシャチだからだ。

ひよこが大きくなるのなら私も大きくならなければならない。
だが私が大きくなるとひよこの口の中に入れない。だからひよこはさらに大きくならなければならない。しかしそうすると私もさらにさらに大きくならなければならない。負けるわけにはいかぬ!

だが聡明な私には分かっていた。それではひよこの胃の中を見るという私の本来の目的が果たされない。わたしは寛大になり一時的にひよこに勝利を譲らなければ!

そんな訳でひよこは大きくなり、わたしはこのままのサイズでお口の中へ出かけていく。お口の奥を通り、しばらくすると胃に到着する!
なかは真っ暗だが大丈夫だ。IKEAのセンサーライトがあるからな。胃に到達した私は叫ぶ。
クマよ見ろ、素晴らしい!これが胃だ!

よし、大きくなるのは、それからだ。そうしよう。

シャチ…とクマが言った。
なんだ?とわたしは言った。
ひよこの胃、なんで痛いのかなあ。
!!!
私が胃の中で大きくなったからだ!そうかもしれん!いかん!困ったことだ!!

我々はこの上なく深刻な面持ちで、ひよこの帰宅を待った。

そこへ、ひよこはまあまあの機嫌で帰ってきた。朝より元気になっている。胃の痛いのは治ったらしい。良かったな!
危なかった。私は小さいままで。胃を脱出したのだ。
良かった!本当に良かった!!

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