京王線千歳烏山駅から、徒歩10分程度。
閑静な住宅街の一角に、その店は存在する。
店の名は、「たかや」
正式名称は、「新中国料理 たかや」となるようで、高級感を醸し出している。
しかしこの店は、千歳烏山の地に根づいて20年超の、れっきとした町中華なのだった。
入店。
店内は奥行きがあり、テーブル席、カウンター席ともに、かなりゆったりとした配置で配置されている。
僕が入店したのは開店直後だったこともあり、まだ空いていたが、このあと、どんどんテーブルは埋まって、満席になった。
やはり、地元で20年超の歴史はダテじゃない。
カウンター席は、コロナ禍の名残なのか、隣席とボードで区切られている。
ボードには、入店のお礼と「どうぞゆっくりとお過ごしください」のメッセージが掲げられていた。
1人あたりのスペースも広く、ゆったりと座れる。
カウンター席に座ると、氷入りの麦茶グラスと、袋入りの布おしぼりが出てきた。
補充用の麦茶がたっぷり入った、ステンレスボトルも提供。
カウンターの1人客に、ここまで手厚く対応してくれる町中華はなかなかない。
高級中華料理店並の対応ではないか。
一品料理は、皆、1,000円超。
この店は、千歳烏山という町に根づいた中華料理店ではあるけれど、いわゆる《町中華》というよりも、少しだけ本格中華料理店的なベクトルを持った店なのだろう。
でも、ランチの価格はリーズナブル。
僕は、これらにもちょっと心惹かれたものの、餃子注文がマストなので、諦めることにした。
僕の弱い胃は、定食+餃子に耐えられない可能性があると思ったからだ。
ということで…。
何はともあれ、餃子を注文してから考えることにした。
餃子の価格は、4個600円。
これもちょっと高いような気がしたが、後に、それは誤解だったことを知る。
この日僕は、諸般の事情でビールが飲めなかった為、餃子のお供はライスにした。
ライスの価格は250円だったが、セットにすると、ザーサイ、スープ、杏仁までついて350円。
これはめちゃめちゃお得だ。
ということで、僕は、「餃子+ライスセット」という組み合わせで注文。
合わせても950円だから、これならばなかなかコスパの良いのではないかと思う。
餃子が焼き上がるまでにはちょっと時間がかかったため、店内を見回したり、読書をしたりして時間をつぶした。
待つこと10分ぐらいだろうか。
餃子が出てきた!
いやぁ、素晴らしい焼き色ではないか。
手作り感溢れる餃子で、ボリュームも十分。これならば4個で600円でも高くない。
ライスセット950円は、やっぱりお得だ。
餃子のヒダも美しい。
丁寧な手作りの本格焼餃子が味わえそうだぞと思いながら囓ってみて…驚いた。
ネギの量がスゴイ!
からだった。
この断面図で緑の部分は、一見ニラにも見えるが、その殆どはネギ。
僕はこれまで、さまざまな店で、多種多彩な具の餃子を経験している。
一晩で15種類の餃子を食べたこともあるから、大抵の具材には驚かない。
しかし、特に具材を強調していない、店のレギュラー焼餃子で、ここまでネギが強い餃子を食べたのは初めてだった。
通常、餃子のベースとなる野菜と言えば、キャベツ、白菜が2大巨頭で、ニラも欠かせない。
しかし、この餃子のベースは圧倒的にネギであり、肉と堂々渡り合っている。
これはもう、「ネギ餃子」と呼ぶべきなんじゃないかと思うぐらいの、強烈なネギ感を主張する餃子だった。
いやぁ、でも、それがいい。美味しかったなぁ。
肉もたっぷり入っていて食べ応えがあったし、もちもちでカリカリの皮も含めて、実に気に入った。
是非また訪れて、今度はビールとともに味わってみたい。