生野タイムズ ふちもと稔 (竹田城・生野銀山)

生野タイムズ ふちもと稔 (竹田城・生野銀山)

天空の城・竹田城や生野銀山をはじめ、朝来市内の出来事、議会の模様について、随時報道します。

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生野庁舎の建替えは木造で

 

生野庁舎の建て替えは、市の「森林ビジョン」に掲げる公共施設の木質化のシンボル的な建築物にすることが必要です。

 

国は木材の使用、脱炭素社会の実現に向けたグリーントランスフォーメーションを進めるため、CLT工法による建築木材の量産化をめざす方針を明らかにしています。県も同様です。

 

市は鉄骨とすると逆行しているが、1業者に頼らず相見積もりをとり行政の公平性を保つべきです。

 

【築50年を超え、耐震性に劣る生野庁舎】

 

 

生野庁舎の建替えについて、渕本は多くの町民が望む地元産木材をたっぷりと使った木造庁舎にすべきと主張しています。

 

市は、既に基本設計を委託している業者に、木造庁舎と鉄骨庁舎の比較を依頼し、その結果、鉄骨の方がコストが安いとしています。

 

国や県は、木材を直交に組み合わせたCLT工法にすれば鉄骨と同様の強度があり、コストも安く工期も短縮できると推奨し、各種穂補助金も用意されています。

 

2025年の大阪万博でも日本館は、CLT工法の建築が予定されています。朝来市は国や県とは逆行しているので、最低限複数の業者から相見積もりをとり、行政の公平性を担保すべきです。

 

予算がないといいますが、市は公共施設再配置基金に17億円も積んでおり、その0.1%だけでも取り崩せば、十分相見積もりをとることができます。なぜ、しないのでしょう。

 

生野庁舎の建替えは、今後の50年間を見据えた国家百年の計として重視し、地元産木材をたっぷりと使用した環境配慮(国連のSDGs)と、林業の振興を図るべきです。

政策提言①公共交通の充実を

 

過疎化、人口減少になる地域ほど、民間の路線バスやJRの列車が少なくなり、ますます公共交通が使いづらいものになっています。

 

私は合併した時からこの問題を訴え、ようやく市独自のコミュニティバス「アコバス」を運行することになりました。

 

 

しかし、民間の路線バスの既得権益が優先されるため、住民の要望にそったコース・時刻が組めないのです。

 

一方で、朝来市は公共交通を維持するために、路線バスの赤字路線に対する補てんとして約4000万円、アコバスの運行経費約4000万円、アコバスを運行することによる路線バスの逸失利益分補てん約2000万円を毎年つぎこんでいます。

 

JR播但線については現状を維持するのがやっとで、JRの「赤字路線削減」方針に巻き込まれないよう、毎年要望を続けています。

 

このような状況の中で、充実できるのはアコバスしかありません。たとえ、路線バス会社に支払う逸失利益補てん分が増えたとしても、あえて取り組むべきです。

 

 

その理由は二つあります。第一に、団塊の世代と呼ばれる最も人口の多い年代の住民が、2025年からは全員が75歳以上の「後期高齢者」になります。病院通いも増えるでしょうし、運転免許証返上も進みます。

 

そうした時に、公共交通としてのアコバスの必要度はますます高まるので、必要な予算をつぎ込んで、高齢者の日常生活を守らなければなりません。

 

第二に、市内高校生の通学を支援するために、通学を主体としながらも、通院等に使う住民との混乗のアコバスを走らせるべきです。

 

生野高校は生徒の減少が続いていますが、過去からの基本的な課題として山東町からの通学が難しいという問題があります。山東町から生野高校までの、直通バスが必要です。

 

和田山高校においても、和田山駅から高校まで距離があることで、大雨や積雪時の通学に苦労しています。ここも通学バスが必要です。

 

こうした通学バスを確保することによって、市内の高校を選択する生徒を増やしていかなければなりません。

 

朝来市は毎年、4億円程度の黒字決算なので、現状のアコバスに係る経費が2倍になったとしても、十分対応できる範囲です。

 

高校生議会

 

朝来市議会主催の高校生議会を8月5日、市役所の議事堂で開催しました。

 

県立生野高校、県立和田山高校から生徒代表が議員となり、日頃の地域課題探究の授業の中から気づいた朝来市の問題について、鋭い質問・提言が行われました。

 

答弁するのは市会議員であり、経緯や現状については担当課に確認した上で答え、今後の取り組む方向については個人の考えもまじえました。

 

議長役も、それぞれの高校から選出してもらいました。

 

 

前半、生野高校から6人の議員が質問席に立ちました。一人6分間(答弁も含めて)の持ち時間で、下記の通り高校生らしい視点から鋭い質問が行われました。

1.議会のペーパーレス化について

2.観光地としての生野町の魅力について

3.朝来市に人を呼ぶ取り組みについて

4.旧4町合併の効果と問題点

5.今後の新型コロナ対策について

6.どのように予算を決めているのか

 

市会議員の役割分担で、私は4番の合併についての質問(2年女子生徒)に答弁しました。

 

問)合併に至る経緯と理由について

答)住民ニーズの多様化・高度化の一方で、人口減少、少子高齢化、過疎化が進み、単独の市町村で解決が困難な課題が多くなり財政も厳しくなってきたこと。そのような時代背景の下で、合併特例債という有利な債権が発行できるようになり、平成の大合併が促進されたこと。旧朝来郡の生野町・和田山町・山東町・朝来町も2年間の合併協議を経て、2005年に合併しました。

 

 

問)合併して目的通りの効果はあったのか

答)合併特例債を活用して中学校や小学校の建設・改修、こども園の整備、福祉施設の改修、市役所の建設などができ、住民サービスの充実に努めていること。

 

正規職員を合併時の500人から330人にまで縮減して、行政経費の大幅削減が実現していること。生野銀山や竹田城など市内各地にある史跡・名所を一体的に観光資源として活用できるようになり、227万9000人の観光客が来訪しています。

 

問)合併が原因で起きた問題について

答)住民からは「行政が遠くなった」という声が聞かされており、支所における決済権限の問題を気にする住民もおられます。

朝来市では地域自治協議会を概ね小学校区単位で設立し、地区だけでは解決できない問題を広範囲な地域全体で取り組み支え合うという、住民主体の組織が運営されています。

 

また、住民票や印鑑証明などはコンビニでも取得できるようにしたり、J R と交渉を重ねてきて播但線の生野・竹田・和田山の各駅でICOCAが使えるようにしました。

このような取り組みをもって住民の不安を解消し、朝来市の発展をめざしております。

 

以上、答弁しましたが、3分間で収めるために相当省略し、言いたいことの骨子のみとしました。これ1回で終わるのではないので、今後、議会カフェや出前講座等を通じて、さらに意見交換していきたいものです。また、全体の質問を精査して、議会として取り組むべき課題を明確にしていきます。

高校生議会は、毎年継続して取り組む予定です。

業者まかせでいいのか

 

但馬広域行政事務組合の決算審査を7月20日、豊岡市役所で行いました。

 

     【豊岡市役所の稽古堂】

 

但馬広域行政事務組合とは、但馬地方の3市2町で構成する行政組織で、ふるさと但馬づくり事業、但馬公平委員会の運営、但馬行政不服審査会の運営、市町合同職員研修等を行っています。

 

但馬広域行政事務組合議会には、構成市町の首長と議長が参加しており、構成自治体の分担金による予算、決算議案を審査しています。

 

その中で、私は監査委員という役割なので、決算審査を行なったのです。

 

あらかじめ決算資料が送られていたので、決算の金額については十分精査しておりましたが、当日はいくつかの事業内容について質問しました。

 

その中の一つ、但馬ふるさとづくり事業の中の情報発信について報告します。

 

ウエブサイト「但馬情報特急」のアクセス数について、pv数は年間866,764件でした。業者への運営管理委託料は150万円です。この効率、効果がどうなのか。

 

朝来市のホームページは140万円の業者委託料で、年間のアクセス数は4,330,389件です。

 

但馬3市2町を束ねる但馬広域行政事務組合のウエブサイトアクセス数が、一つの市のホームページのアクセス数よりも桁違いに少ないのです。

 

私は、「業者まかせにせず、効率的、効果的な運営に努める」よう意見を述べてきました。但馬地域の発展を期待して。

 

 

 

子育て支援

 

朝来市議会6月定例会に提案されている補選予算案の中で、特徴的な子育て支援、中小企業者等緊急経済支援事業を紹介します。暮らしやすい朝来市をめざして、教育や中小企業者支援予算の充実をはかります。

 

 

◉低所得の子育て世帯生活支援特別給付金事業

 

■目的

新型コロナウイルス感染症による影響が長期化する中で、低所得の子育て世帯に対し、食費等支出増加の影響を勘案し、子育て世帯生活支援特別給付金を支給します。

 

■対象者

①児童手当または特別児童扶養手当の受給者であって、令和3年度住民税非課税者。

②上記の対象児童の養育者であって、令和3年1月1日以降に家計が急変した者。

 

■給付額

児童一人あたり一律5万円。

 

■補正予算額

1,248万円

 

 

◉中小企業者等緊急経済支援事業

 

■目的

新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が6月20日まで延長されたことに伴う人流抑制等の影響により、売上が減少する事業者に対し事業継続の支援を行います。

 

■対象者

市内に事業所を有する者で、4〜6月の売上が前年または前々年同期と比べ30%以上減少した事業者。

 

■支給額

平均売上額を対前年または前々年の同期の平均売上額から差し引いて得た額。

支給限度額30万円。

売上が50%以上減少者は50万円。

 

■補正予算額

3,925万円。

 

 

不妊治療・がん対策

 

朝来市議会6月定例会に提案されている補選予算案の中で、特徴的な子育て支援、医療費助成の事業を紹介します。暮らしやすい朝来市をめざして、教育・福祉関連予算の充実をはかります。

 

 

◉低所得の子育て世帯生活支援特別給付金事業

 

■目的

新型コロナウイルス感染症による影響が長期化する中で、低所得の子育て世帯に対し、食費等支出増加の影響を勘案し、子育て世帯生活支援特別給付金を支給します。

 

■対象者

①児童手当または特別児童扶養手当の受給者であって、令和3年度住民税非課税者。

②上記の対象児童の養育者であって、令和3年1月1日以降に家計が急変した者。

 

■給付額

児童一人あたり一律5万円。

 

■補正予算額

1,248万円

 

 

 

◉特定不妊・不育症治療費助成事業

 

■事業目的

不妊の検査および治療にかかる費用の一部を助成し、安心して妊娠・出産できる環境づくりを推進するため、不妊治療ペア検査費助成事業および一般不妊治療費助成事業を実施します。

 

■対象者

①法律上の夫婦または事実婚の夫婦であり、いずれもが市内に住所を有していること。

②夫婦ともに医療保険に加入していること。

③前年の夫婦合算の所得額が400万円未満であること。

④夫婦ともに市税等を滞納していないこと。

 

■助成額

医療機関で受けた保険適用外の不妊の検査に要した費用の7割。

一般不妊治療の場合は、自己負担額の5割、1年度あたり6万円を上限とする。

 

■補正予算額

121万円

 

 

◉がん対策事業(医療用補整具購入費助成事業)

 

■事業目的

がん治療による外見変貌を補完する補整具の購入費用を助成することにより、心理的負担を軽減するとともに就労等社会参加を促進し、経済的負担の軽減を図ることを目的に助成事業を実施する。

 

■対象者

①市内在住で、がん治療を受けていること。

②対象補整具を令和3年4月1日以降に購入した者。

③所得額が400万円未満であること。

 

■助成額

①医療用ウイッグ     5万円。

②体形補整具(人工部位) 5万円。     

 

■補正予算額

32万円

国が10割補助

 

朝来市議会6月定例会に提案されている一般会計補正予算案の中で、生活困窮者に対する自立支援給付金が計上されました。その内容を紹介します。

 

 

■事業目的

新型コロナウイルス感染症による影響が長期化する中で、生活困窮世帯に対し、その実情を踏まえた生活支援を行う観点から、すでに総合支援資金の再貸付を借り終えたなどにより、特例貸付を利用できない世帯への影響を勘案して、新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金を支給する新規の事業です。

 

■事業概要

社会福祉協議会が実施する総合支援資金の再交付を受けた者で、再交付の申請をしたが不決定となった方、申請ができていなかった方等が対象となります。

 

■支給金額

単身世帯 月額6万円

2人世帯 月額8万円

3人以上世帯 月額10万円

 

■支給期間

3ケ月

 

■申請期限

令和3年8月31日

 

■補正予算額

125万円(国補助率10割)

 

本日の文教民生常任委員会・予算決算特別委員会で審査されます。

 

生野支所庁舎の建替計画

 

朝来市の生野支所庁舎は、1967(昭和42)年の建設で54年経過しており、しかも耐震基準を満たしておりません。

 

朝来市はまちづくりの基本として支所機能の充実に取り組んでおり、そのためには支所庁舎が信頼のおける建物でなければなりません。

 

        【生野支所庁舎】

 

朝来市議会6月定例会に提案される議案の説明会が、6月9日に行われました。その中で、庁舎整備事業として補正予算計上されたのが、生野庁舎建替えのための基本設計業務委託費3,100万円です。そして来年度に実施設計、2023(令和5)年度から工事に入る計画です。

 

現在の生野庁舎を建替えると同時に、公共施設再配置計画に基づき庁舎裏の別館も解体し用途を廃止、庁舎対面西側にある老人福祉センターも解体し、機能を隣の保健センターに移管します。

 

耐震性・老朽化の問題から庁舎の建建えは必要な事業ですが、新しい庁舎は生野の歴史・文化を象徴し、周辺の井筒屋・浅田邸・甲舎宅等と整合性のあるものにして、観光振興につなげていかなければなりません。

 

また、森林整備・林業振興の観点からもCLT工法(繊維の方向が直交するよう積み重ねられた板)による木材の使用(高知県梼原町の様な木造庁舎)等、地域振興につながるものにするため総合的・多角的に検討すべきです。

 

この事業は、公共施設再配置計画を実施していくにあたっての試金石となる重要なものです。住民にしっかり説明し、理解を得て、みんなで創りあげる庁舎にしたいものです。

皆さんの声を、ふちもと稔にお寄せください。

あいつぐ住宅火災

 

南但広域行政事務組合(朝来市と養父市で構成)の臨時議会が6月4日、養父市役所の議場で開かれ、消防ポンプ自動車と高規格救急自動車の取得等の議案を可決しました。

 

 

消防ポンプ自動車は、すでに稼働している1台が規定の15年を超えて18年も走っているので、新たに取得しようとするものです。

 

C D−1型水槽付というもので、4輪駆動で乗車定員は5名。総排気量4000cc、ディーゼルエンジンで、水槽容量は1100ℓ、電動ホースカーおよび動力昇降装置が付いています。

 

C A F S(圧縮空気泡消火システム)というものは、少量の消火薬剤を加えた水に圧縮空気を送り込んで発泡させる装置で、少ない水で高い消火効果が得られるものです。

 

5社の指名競争入札の結果、長野ポンプ(株)大阪営業所が4,350万円で落札しました。納期は来年3月になります。

 

 

すでに稼働している救急自動車の1台が11年経過し、16万4000km走行しているので、新たに高規格救急自動車を取得しようとするもので、全会一致で可決しました。

 

総排気量2700cc、4輪駆動、磁気式防振ベッドで患者への負担を減らし、自動心臓マッサージ器が備え付けられます。

 

条件付一般競争入札の結果、兵庫トヨタ自動車(株)特販営業所しか応募がなく、3,200万円で落札しました。納期は来年3月になります。

 

いずれも特殊車両のため高価なものとなりますが、南但消防本部管内で住宅火災があいついでいることや、買い替えの対象となる車両が酷使してきたものであることから、住民の生命と財産を守るため適切な取得議案であると判断して全会一致で可決しました。

若い視点で提言

 

今年の3月定例会で、朝来市議会が合併して発足して以来100回目の開会を数え、その記念行事をすることになりました。

 

議会運営委員会で協議の結果、よくある議場コンサート等ではなく、今後の朝来市の発展につながるものにしようとなり、私が提案した高校生議会の開催が了承されました。

 

           【生野高校】

 

法改正により18歳選挙権が実現しており、高校3年生はその対象となります。選挙管理委員会からも、議会として主権者教育につながるものに協力を求められておりましたので、それに応えることにもなります。

 

そして、1回限りの行事ではなく、今後につながるものとして毎年継続して取り組むことも確認しました。

 

このことを、朝来市内の生野高校、和田山高校の校長先生にお願いしたところ、両校とも積極的に受け止めていただき、協力を得ることになりました。

 

両校とも地域課題探究の授業を行なっており、朝来市の魅力や課題について勉強されています。それを高校生の視点から、議員という立場になっていただき、議場において一般質問の形式で問題提起してもらおうとするものです。

 

          【和田山高校】

 

答弁は議員が行いますが、当局ではない立場でどう答えるか、高校生の質問・提言を今後の議会活動の中でどう反映するか、朝来市議会の力量が試されます。冷や汗をかきながらも、議会としても成長したいと思います。

 

高校生たちが、朝来市の魅力と課題について深く考え、それに取り組む主体的な人財として成長していただくことを期待するものです。

 

夏休み中の8月に開催する予定ですが、それまでに議会カフェ等を通じて意見交換を行い、準備していきます。当日は、ケーブルテレビ放送、ネット中継も行う予定です。

 

議会モニター制度の導入、文書共有システムとタブレット端末導入による仕事効率化・ペーパーレス化、議会報告会のケーブルテレビ活用に続く大きな取り組みであり、ぜひとも成功させたいものです。