いい気ってなに？食べるの？って思った方。
西麻布の名店隠れ家。
と聞くだけで、いかにもだなぁ笑、なんて感じる方、もしいらっしゃったら大間違い。
食通さんや芸能人の方々だけではなく、同業者である料理人をも虜にしている、只者じゃないお店です。
(ちなみに当日も某有名料理人さんと鉢合わせ)
こちらのオーナー渡辺ひと美さんは、
フリーアナウンサー、飲食プロデュース、店舗デザインなど多くをこなし、更には唎酒師というスーパーウーマン。
何より入れ替わりの激しい西麻布で10年も店を構えていることこそが既に、この店のレベルの高さを証明してる。。！
楽しみで震えてきた。
下町のレモンサワーまずは乾杯。
このレモンサワー、なんとソルティードッグのようにフチに塩が！
これがまた癖になってついぐびぐびいってしまう。
最初から意表突かれた..(ごくり)←飲み干す音
大根の厚みが均一。素晴らしき職人芸を感じる。
豆の味の濃さがいいアプローチをしてくる。
1粒でも満足感は十二分。
これがまた絶品！
臭みのない新鮮なレバーを濃厚なムースに、とろける甘さの無花果が相性抜群。
干し葡萄の酸味甘みのアクセントも光る。
それら全てを支える生地の厚みも絶妙で、互いの良さを引き立て合ってる。素晴らしい
思わず「ワンホールください」笑
釣りあじ 生姜 / カツオ燻製 辛子 / 平目の薄造り ポン酢
特筆すべきはアジ。
こんなに身が厚いなんて！
1切れがいつものアジの刺身2枚分。笑
そしてそれだけ分厚いから、噛みしめるごとにアジの持つ本当の旨味を実感した。
アジってこんなに美味しかったんだ..
フルーティーな甘みが美しい。
日本酒は唎酒師ひと美さんに全てお任せです。
これもまた素晴らしい！
脂の旨みが上品に身に馴染んで、溶けていくような口当たり。
どちらも美味しいのは前提だけど、個人的には卵がない分、実直に旨みを感じることができるオスが好みでした。
澄んだ味わいからの芳醇なふくらみがししゃもの脂とマッチ。
長芋唐揚
揚げ物三種。
特筆はやはりカキフライ。
ざくっとそしてじゅわっと、牡蠣の濃厚なスープが口内に広がります。
おおぶりだけど上品なサイズ。
旨味がぎゅっと詰まった、黄金比のカキフライ。
フレッシュな甘み、、かと思いきや最後キリッと流れてすっきり完結。
揚げ物とベストマッチ。
そしてメインは鴨しゃぶ！
びっしり美しい鴨に笹打葱とお豆腐。
吉野葛でとろみがついた出汁にゆらゆら潜らせると、、みるみる鴨がロゼピンクに。
舌だけでなく、目でも楽しませてくれる気ですね..！
美味しさを多角的に感じることが出来る、贅沢な鴨しゃぶ。
旭川淳工房の酒器でいただく菊姫のひやおろしもまた、舌で目で楽しませてくれる。
味わいはファースト爽やかで、セカンドがふんわりやわらか。
(高校球児の説明みたくなってしまった)
鍋で火照った身体に冷酒はいいクールダウン。
うん、こうやってトータルで見るとひと美さんオススメの日本酒って、合わせるお料理ごとにストーリーがしっかり構築されてるなぁと。
あまりにも自然な流れにプロフェッショナルな仕事が垣間見えます。
酒器にもこだわりをお持ちで多種取り揃えていらっしゃるので、これは日本酒好きさんには堪らないんじゃないかな。
..と、ここまで来るともうされるがまま、ただひたすら美味しいです。泣
細麺に、上品な鴨の脂が溶け出した吉野葛の出汁が美しく絡みます。
あますことなく恵みをいただきました。
お鍋も美味しくペロリと平らげ、満足満足。
と、思いきやここで土鍋の秋刀魚ご飯！
お腹いっぱいでも、一粒一粒しっかり立った豊かな甘みのご飯と、ふっくらジューシーな秋刀魚がするっと胃に落ちていく。
美味しいものってどんなにお腹膨れてても入ってしまう。
うーん。大大大満足！！
そしてすごかった..
この雰囲気でこのお料理のクオリティで、コースは6000円前後からご相談いただけて、2.3軒目使いも快く対応してくださるという懐の広さに、またつい甘えてしまいたくなる。
お料理は絶品、お店の雰囲気はオーナーひと美さんの人柄そのものでアットホーム、それでいて上品。
ときたら、長く愛され続ける理由にも納得。
だからこそ一度ここを知ったら、教えたくないけど教えたい複雑な気持ちにかられる。笑
それでもやっぱり大事な人に教えたい、大事な人と共有したい特別なお店です。
