昔の札幌のニューハーフバーでのアルバイト | 宮崎留美子のソロ活動

宮崎留美子のソロ活動

最近「ひとりで活動する(ソロ活)」ということがちょっとしたブームになっています。
以前だったら「ぼっち」なんていわれていたのですけれどね。ただ、私はずっと以
前から、ひとりで行うことが好きでした。その私のソロ活を紹介します。参考にして
ください。

 札幌が、今みたいな200万都市ではなかった頃、130万弱の人口だった頃の、当時のニューハーフバーの話です。
 ニューハーフ(トランスジェンダー)が今みたいに認知されていなかった時代ですから、女装をしている人というのはまだめずらしく、数少ないニューハーフのお店には物珍しさで通ってくる人もそこそこいました。当時はほとんどのお客さんは男性です。今は、ニューハーフのお店の大半は女性客みたいです。女性が自分で自由に使えるお金をもてるようになったことと、女性が夜の街で「遊ぶ側」になりうるという時代変化があると思います。
 当時の札幌のニューハーフバーのニューハーフたちは、だいたいは年配の方です。若い子は東京に出て行っていました。札幌の女装環境は東京に比べると貧弱だったのだと思います。私は札幌で学生生活を送っているわけですから、ニューハーフのアルバイトをするというと札幌でやる以外にありません。
 なんてったって、若さというのは「美」につながります。しわくちゃの「おばあさん」ニューハーフよりも、20歳のピチピチギャルのニューハーフの方が、少なくとも見栄えはいいわけです。会話力もショーの能力もなくても、若さというだけで「美」を獲得できて、ツウではないお客さんにはモテモテということになります。今ももちろんですが、当時であっても、女装している人に萌える男性はいました。反面、気持ち悪がって嫌う男性も多かったわけですけれど。女装している人の数に比べると、女装している人に萌える男性の方が比率が高いわけですから、そして、若い女装(ニューハーフ)の人と話せるというチャンスはなかなかないわけです。ネットもないし女装者が集まるお店もありませんから。そのとき、私は20歳ぐらい。そりゃ貴重な存在だったと思います(と、今から振り返ると分析できる)。他の若い女装(ニューハーフ)を選ぶことができないわけで、若い子といったら、私しか選択肢がなかったということになります。もちろん、熟した色気のあるニューハーフがいいという男性もいたでしょう。でも、若いというのはそれだけで「武器」だったのです。

 自分でいうのは気がひける部分はあるのですが、当時の状況を語るうえで言います。今や、ニューハーフで大学生や学卒者というのはゴマンといると思いますし、東京であればまたちがったかとも思います。たとえば、私と一緒にトークショーをやったニューハーフの方はW大学卒業の方でした。
 都会ではあっても、札幌という地方都市で、また当時は、大学進学率も今みたいに、誰も彼もという時代ではありません。私は、札幌にある大学に通っていましたから、ニューハーフとしては稀少だったのだと思います。ニューハーフのお店には、大銀行の幹部クラスの人だとか大学教授などという方もいらっしゃっていて、どうも、お店のママさんは、そういう人たちに、私を接客相手につけていたみたいでした。そういう方との話にマッチできると考えたのかもしれません。実際、それは意味をもったようです(今から振り返っての分析ですが)。金融のいろいろな話題だとか、歴史的ないろいろなテーマだとか、エリート的なお客ほど、そういう自分の専門をさらっとひけらかしたりするのは好きなものです。そういう専門が門外漢の分野であっても、私の場合は、大学での一般教養として学んでいるわけですから、酒場での四方山話ぐらいであればついていけるわけです。

 接客のホステス相手に、そんな自分の専門話ができるわけですから、そういうエリート的な客にとっては、私という存在はうれしかったのだと思います。何度も通ってくださって親密さも増していきます。大学の学生、20歳というピチピチした若さ、もともとゴツゴツした男的な顔つきではなかったので化粧映えしたということという条件を兼ね備えるのは、当時の札幌では、自宅でひっそりと女装しているという方は把握できませんが、お店に出ている人ということでは、私以外のニューハーフの人はいなかった(かもしれない)こともあって、それなりの数の男性客から口説きを受けることは必然だったのかもしれません。といっても、私にはそういう分析ができるようになったのは、ずっとあとの時代ですから、当時は「舞い上がっていた」というのが率直な気持ちだったのだと思います。

 今、200万都市という大都会になった札幌。そして、ニューハーフ(トランスジェンダー)が、テレビでも、ネットでも、そして街中ですら、トランスジェンダーでないとしても、カワイイ男の子が増えてきている昨今では、札幌でも、若い頃の私のような人はどれだけだっている時代になっていると思います。私の若い頃に経験したような「舞い上がった」ような環境はなくなっていると思いますが、一方で、女装して街中を歩いても、それで非難を受けることもなくなりつつあります。女装への認知度は格段と高まっていて、女装者だからといって拒否されるということもなくなりつつあると思います。時代が大きく変わってきていることを身にしみて感じている昨今です。

 

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