日本史の勉強法の常識を疑う | これでも元私立高校教員

これでも元私立高校教員

30年以上の教員指導を通じて、未来を担う子供たち、また大人の思考などをテーマに書き綴っています。
日本史と小論文の塾を主宰し、小学生から大学生、院生、保護者の指導をしています。

「日本史の勉強法」

このテーマで生徒や保護者の方、先生方に話をするとき、まずはこの6つの間違いについてお話をする。

 

「え~?」

 

生徒も保護者も、学校や塾の先生もみな驚くし、簡単には信じてはもらえない。

そりゃそうであろう。

こんな話をする私も、31年間も学校で日本史を教え、もちろん受験指導も散々して、「日本史は暗記科目」という常識への思い込みの強さを十分に知っている。

 

いまから30年ほど前、当時私が勤めていた私立高校の生徒は、決して勉強が得意なほうではなかった.

むろんいい学校だった。

だが、模試を受験すれば、愛知県全体で140校中で100位から125位くらいが平均的な順位であった。

むろん、日本史も同じだった。

 

だからこそ考えた。

その140校のすべてで「日本史は暗記科目」だと、生徒も先生もみんな思ってる...それと同じことを考えていたら、ずっと勝てない、つまりは世の中と同じことをしていても、その差を縮めることはできない、そう考えた。

 

だから自分でテーマを作った。

 

「覚えない日本史」

 

常識の真逆のテーマだ。

 

「覚えない日本史」なんて、ほかの日本史の先生に伝えると

 

「わかります、興味関心ですよね」

 

とこれまた、常識的な「誤解」をされてしまう。

 

「常識」では測れない方法、でも論理的に説明して納得してもらえ、なおかつ驚くような結果に結びつく、そんな夢のような方法はないかと毎日のようにずっと何年間も考え続けた。

 

そんなある日、教室のなかのある景色にヒントを得た。

 

「入学してきな生徒同士は互いに知らない、でもしばらくするとみなお互いに名前も顔も知っている、しかも卒業後のクラス会でも覚えている可能性も高い」

 

この現象を日本史に応用できないかと思った。

もうひとつある。

それは、あまり勉強に熱心ではない生徒であっても、入学試験の当日は一生懸命に試験と向き合う。

この現象も日本史に応用しよう、そう考えた。

 

「漫画を読め」とか、「教科書を読め」とか、そういったどんな素人でもなんとなく言ってしまうアドバイスではない、そうではなく、だれからもアドバイスされたことがない方法、なおかつ劇的に偏差値が上昇するそんな方法の構築をしようと思った。

 

それから何年も何年もその模索が続いた。

そうしているうちに「年代暗記」の無意味さにも、データ的に確信を持つ。

世の中の常識では、「年代暗記」をしなければ、「順番並び替え」はできないと思い込んでいる。

しかしそれは間違いだと断言できる。

わかりやすくいえば、「順番並び替え」とは出題箇所が、最初から分かっている。

共通テストの出題も、明確に予測できる。

 

そうした模索をしているうちに、教材の不備に気が付くようになる。

もちろん、市販されている参考書は優秀でよくできている。

しかし、私の独創である「覚えない日本史」勉強法には、まったく不向きなのである。

さらには、「自分でまとめノートをつくれ」なんて、生徒に無駄な負担を強いるだけだ。

 

だから、一から教材、まとめノートを作ろうと決めた。

そんな負担は自分が請け負い、日本史の勉強時間を減らし日本史の偏差値をあげ、その分、英語を頑張ってもらう。

 

それが26年前のこと。

 

教材の作成はとてつもなく根気と時間がかかる。

最初の年に作った教材は全体で14000字。

すべてWordで入力した。

まとめ方を試行錯誤し、どうしたら独自の勉強法に適合させられるか、むろん市販されている参考書は一切見ない

見るのは入試問題だけだ。

つまりは、センター試験(現在の共通テスト)、私大問題、模試問題などあらゆる問題が、どのように出題されているかを集め続け全範囲を覆ってしまおう、そう考えた。

そんな作成を毎日3時間、仕事を終えて自宅に戻り取り組み続けた。

 

同時にその教材を使用して「覚えない日本史」の実践に挑み続け、また作り直し、また実践し、また作り直しを何年も何年も繰り返し続けた

その勉強法ための「日程」も作った

「自分で計画を立てろ」

ではなく、コーチがスケジューリングをするのである。

スポーツでは当たり前だ。

このスケジュールにも独自の「秘密」がある。

 

それから数年後、ある模試で勤務校の日本史は、愛知県で「16位」まで上昇した。

生徒はみんな日本史が得意科目だった。

平均的にはいつも日本史は愛知県で50位くらいだ。

さらに数年後、他の学校に転職しこの勉強法を実践し模試をうけてもらい、日本史は何度も他のトップ校を抜き去り愛知県1位になった。

 

「日本史は覚えるかしない」

 

そんな常識は間違いだった。

 

今年も日本史の2025年版の教材ができた。

ずっと作り続けている。

 

最初は14000字、2025年版は90万字を超えた。

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今年から「歴史総合」への内容も加えた。

 

確かに、「教科書を何度も読める」人もいるし、「年代暗記が得意」な人もいる。

それはそれで何の問題もない。

 

でも大切なことは「疑う」ことだろう。

「常識」は覆され続けて、人類は進歩してきた。

スポーツだって、科学技術だってそうだ

むろん勉強法も!

 

この日本史の勉強法を、英単語にも応用をしてみた。

それが「30日間記憶の定着法」。

誰もが、覚えることなく、30日間で300個の英単語を書けるようになる。

 

勉強だけが、昔からの「常識」に縛られ続ける必要もないし、公平に言って「漫画を読んで」偏差値なんか上がらない。

 

なにより独創的な勉強法の考案へのチャレンジ、さらには日本史への学問的探究、そしてその方法論の実践、統計、分析もせずに、

「とにかく覚えるしかない」

「流れが大切」

「教科書を読め」

「ゴロで覚えろ」

「年代暗記が大切」

「年表を作れ」

なんて曖昧で適当なアドバイスは本当によくない。

 

今年も新高校3年生の「日本史講座」が始まっている。

むろん90万字の教材を使用して、オンラインでも参加できるハイブリッドだ。

今日は東京の生徒が新たに参加してくれる。

 

その講座の中では一般的な授業はしないが、受験にはかかわりのない歴史の教養の話はする。

そして気が付けば日本が好きになる。

これは偏差値が上がる以上に嬉しい。

 

私はこんな日本史に取り組んでいる。