不登校の子供に対しては、静かに待ってあげるべきか | 不登校・引きこもり・家庭内暴力・いじめ問題カウンセラー エンゼルアカデミーのブログ

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十年以上の塾講師の経験と、子育て・教育カウンセラーの立場から、子育てと教育について述べていきます。

「不登校の子供たちはエネルギー切れですから、

待ってあげてください」

 

そんなアドバイスを、カウンセラーなどから受けたことはないでしょうか。

 

不登校カウンセラーをしていて、そして子供たちがよくなっていった事例を見ていて、

それを100%取り入れることは、不登校の状況を

長引かせる危険性があること

をお伝えしたいと思います。

 

確かに、待ってあげるべき時はあります。待ってあげるべき意味はあります。

 

一つが、子供たちの心が激しく傷ついて不登校になっていて、

その傷が深く、誰とも話したくない、と子供たちが考えている時です。

 

この場合は、子供たちを静かに見守り、あまり積極的にコミュニケーションを

とらないほうがいいでしょう。

 

もう一つが、「子供のペースで回復していくのを、親が急かすことなく

待つ」という意味です。

 

家にこもっていた子供が、「塾に行ってみようかな」と、外の世界に

関心を示すと、

「じゃあ、もうすぐ学校に行けるね」

と親御さんが急かしてしまうことがあります。

 

このように急かしてしまいますと、子供が「引いて」しまい、

再び部屋にこもってしまうなど、状況が振出しに戻ってしまうことが

あります。

 

親としてはうれしいのですが、

「子供のペースに合わせよう」

と待ってあげるべきです。

 

以上の二つの場合は待ってあげるべきですが、それ以外は、

積極的に子供にコミュニケーションをとるべきです。

 

何もせず待っていても、不登校の状況は長引くばかりです。

 

不登校の子供たちの多くが、さまざまな悩み・苦しみで

心がいっぱいになっています。そして、その悩みや苦しみの

出口を見つけられず、葛藤しています。

 

例えば、人間関係で悩み、傷ついて不登校になっている子供たちは、

「どうしてこんなに傷つけられなければならないのか」

「また外の世界に出ても、自分を傷つけてくる人間がいるのでは」

というふうに、出口のない葛藤の中にあります。

 

子供一人で、答えを出せるケースや、時間が経過することによって

なんとなく心が軽くなって、

不登校から脱出できるケースもありますが、

それは時間がかかります。

 

やはり、そこは、親御さんが積極的にコミュニケーションをとって、

子供の悩みや苦しみの出口を教えてあげるべきでしょう。

 

人間関係で悩む意味は何か、どう考えればいいのか、

勉強する目的は何か、

学校に行く意味は何か、

生きる目的は何か、

挫折や失敗にどう対処すればいいのか、

 

そうしたことを積極的なコミュニケーションの中で、

教えてあげるべきです。

 

そうすることで、子供が悩みや苦しみの出口を見つけ、

そこから出ていく時間を短くすることができます。