「朝…。起きたら…、布団の中。しかも…。着ぐるみで…。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.112.

ドキドキ 小埜瀬、腕組みしながら、
「朝…。起きたら…、布団の中。しかも…。着ぐるみで…。」

その声に峻、
「えっ…???」
小埜瀬を見て、武一を見て…。

武一も、目をパチクリとさせて…。頬を膨らませたように。
「朝、起きたら布団の中…。しかも…着ぐるみ…って…。…なんでまた…。」

小埜瀬、吉竹に、
「いや…。…って言うか、それが…、なんで、そうなっているのか…。当の私自身が分からなくって…。」

そして吉竹を見て、
「だから…、部長に朝…。」

武一、話を聞いて、
「あ、あ~~。なるほど…。…って言うか~~。私も…、歓迎会…、御開きになってから…。…まぁ…。いつもの事だけど…、若い子たちから誘われて、カラオケに…。」

峻、
「武一、こぅ見て、結構気前いいっすからねぇ~~。」
おだてるように。

武一、そんな峻を見てほくそ笑みながら、
「まぁ~~。…って、悪い気。しねぇだろうよ~~。てめぇの部下から~~。それに…、20代前半だぞう~~。しかも、会社は化粧品会社。若い女性から好かれて、誘われて~~。それで仕事が上手く行くんなら、喜んで誘われるけどね~~。」
そこまで言って、
「…とは言え、まっいつもの子たちだけどねぇ~~。」

峻、顔をふんにゃりとさせて…。
「はいはい。そういう事。…承知してますよ。」

小埜瀬、吉竹に、
「何人…くらいで、行かれるんですか~~???…その…。」

武一、
「カラオケか…???…まっ。俺合わせ4、5人…ってとこかな…。」

峻、
「まぁ~~。音痴じゃねぇくらいって~~、とこかな…???…けけけけけけ。」

「…って言うか~~。小埜瀬さん…、朝起きたら、布団の中…。…なんでまた…。」
武一、刺身を食べて、右膝をカウンターに。そして箸を持った右手の甲に顎を乗せて。

「いや。」
小埜瀬、
「だから、それが僕にも…。」
両目を閉じて、右手を高く。そして振り下ろすように、
「全然…。わか…。」
そしてまた頭を下げて考えるように、
「全く~~。…まぁ…お店で気持ちよく、ビール、飲んでいた…ところまでは覚えているんですけど…。えぇ…。最後の方…???…滝田君のバンザイで締めて…。それから、またちょっとだけ…飲んで…。…あそこ…くらいから…かな…???…記憶が~~~。」

峻、いきなり、
「どうして、私は着ぐるみのままで…、しかも、布団の中に眠っていたので、しょうか~~。そういう事…???」

小埜瀬、峻に顔をコクリと。

 

武一、
「誰かに送ってもらったんじゃないですか~~???…家まで~~。」

その声に小埜瀬、すぐさま左手を振って、
「いやいやいや。そんな人…。東京には、いませんよ~~。まっ。仙台でも、同じですけど…。」

峻、
「えっ…???…前の…、その、仙台では…。飲んで、酔って…、その…、今日の朝のような…。」

間髪入れずに小埜瀬、顔の前で左手を振って、
「いやいやいやいや。全然…。ありません。」

峻、すぐさま、
「おっと~~~。」

武一、
「まっ。今朝の事が頭の中に。…このまんまじゃ…。その事が頭の隅にこびり付いてって…???」
両眉を歪めて…。

小埜瀬、ぐんにゃりとした顔で、
「そうなん…すよね~~。な~~んか…。今まで、そういう事、なかったから…、妙に…。気持ち悪いって言うか…何と言うか~~。…とにかく、誰かが、何かを…どうなって…。か…???…ん~~~~。」
そして小埜瀬、吉竹を見て、泣きそうな顔で、
「部長~~。」

武一も、空を見ながら、
「…とにかく、誰かが、何かを…どうなって…。かぁ~~。」

「…とかなんとか言って~~。」
焼き鳥を焼きながらチラチラと武一を見て峻、
「おま…。案外、何でもかんでも、知ってんじゃねぇのか~~。そんな…、とぼけたような顔して~~。実はな…、本当のところはな…。…って言う顔…、してると思うんだけどな~~。」
そして峻、仕上がった焼き鳥を皿に、
「ほぃ。3番さん、もも、ねぎま、かわ~~たれ注文、上がったよ~~。」
皿を別の角度のカウンターに。

小埜瀬、そんな峻の話を聞いて、いきなり吉竹に、
「えっ…???…うそ…???…部長~~???」

武一も、峻の声に、ニコニコしながらも、
「な~~に言ってんだか~~。」
また刺身をもぐもぐと…。そしてジョッキの中の最後の一口のピールを飲み干し、
「おか…。」
右手を、ジョッキを上に。

そのジョッキをすぐさま取り上げての奈菜、
「あいよ。」

武一、
「おっと。ナイスタイミング。」
ジョッキから手を放して手の平を縦に、クイッと。

奈菜、ジョッキを持って、
「あのさ~~、武一~~。あんた、正直に言いなよ~~。なんだかんだで、サッちゃんに箝口令、敷かれてんでしょう~~。」

その声にいきなり小埜瀬、吉竹を見て、
「うそっ!!!」

峻、
「かかかかか。図星だな。」








好きになれない。   vol,102.  「朝…。起きたら…、布団の中。しかも…。着ぐるみで…。」

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