「みんなが解散し始める。二次会やらカラオケやら。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.111.

ドキドキ 「でも…。最後まで。何とも平然と。…あれだけ飲んでも…。どんだけ飲んでんのよって、聞きたくなるくらい。」
佐津香。

優維香もその話に、
「へぇ~~~。」

「…で、宴もたけなわ。いよいよ締め。」
「うん。」

「みんなが解散し始める。二次会やらカラオケやら。」
「うんうんうん。」

佐津香、またピールを一口。
「まっ。私や愛結美さん。シニアマネージャーの。」

優維香、
「うん。今迄課長代理。」

佐津香、その声に、
「その通り。うん。…で、菜帆子さん。」

優維香、コクリと、
「ゼネラルマネージャー。ウチにも、何度か遊び来てるもんね。奇麗な人。」

佐津香、ニッコリと、
「その通り~~。まっ。この3人は、いつものごとく、最後まで…。幹事が愛結美さんだから尚更。」

「その3人の団結力は半端なし。」
「まっ。今迄何でも相談してやってきたからね~~。…で。」

優維香、口を尖らせて、
「うん。」

「さて、帰ろう…、かと…。」

そこまで聞いて優維香、
「うん…???…帰ろう…、かと…。」

佐津香。
「うん。…でも…。肝心の、今日の主役は何処行った…???」

いきなり優維香、
「おっと~~~。」
目をパチクリと。
「あっ。でも…、吉竹武一~~。部長の~~~は~~???」

その声に佐津香、何かしら凹んだ顔で、
「何々、武一~~。は~~。若い子たちから誘われて~~、当然、カラオケ~~。」

その声に優維香、
「はっ、はっ、はっ、は~~。なるほど…。まっ。気前がいいって聞くからね~~。」

鼻で笑うように佐津香、
「ふっ。まっ。確かに。誘われた、奢ってあげるって言うのが、武一のいいとこ。…でも、あるからね~~。…で。その…。」

優維香、唇を突き出すように。
「うん。」

「その向こうさん。私ら3人。主役がどうなったのか、全く分かんない。」
「わお。」

「…で、探そうって事になって。」
「何と。探す。」

「うん。他の客の迷惑なんないように…。」

「うんうんうん。」
そして優維香、思わず可笑しがりながら、
「どこかの客の中に紛れて…。」

佐津香、思わず顔を傾げて、
「まっ。…そういう事は…。」
クスクスと笑いながら、
「まっ。有り得ないって…。…でも。心配じゃん。…幾ら前、就任して1ヶ月…、経ってはいるけどさ…。初めて、部署のみんなで飲んで食べた歓迎会。」

優維香、頷きながらも、
「うんうんうん。…で…???」

「そぅしたら…。」
「うん…???」

「他の客が、トイレの方を見て何かしら…。」

優維香、キョトンと、
「おぅ…???」

「そんな客を見て、私と菜帆子。」
「うん。」

「そのまま、トイレの方に。そしたら。何と。」

優維香、口を横に、
「えっ…???」

「トイレのドアの脇で、腰を下ろしてんのよ~~。まぁ~~。右脚は膝を曲げて~~。左脚は九の字に伸ばして~~。」

優維香、思わず、口を開いて、
「おっと~~~。」

「私も菜帆子もびっくり。…で、愛結美さんにも教えて。」
「…で…???…でででで…???」

「まっ。何とか起こして…。本人も起きてびっくりしてた。」
「へぇ~~~。」

「申し訳ないって謝ってね~~。」
「ほぉ~~~。」

「…で、4人揃って店から出て~~。」
「うんうんうん。」

「まっ。私たちはお喋りしながら…。」
「うん。」

「でも。その時、うん…???…と、思って後ろを…。」

優維香、また、
「おぅ…???」

へ垂れた顔で佐津香。
「何と。」

「うん。」
「今度は正座したままで、道路に座って、倒れてんのよ~~。」

「ワッツ。」
思わず両手を開いて肩まで。
「オーマイガ。」

「3人揃って、大~~ぃ変~~。」

優維香、母の話に、
「わおわおわおわお。」

佐津香、
「しかもさぁ~~。何ともその方。」
グシャリとした顔で、
「重いの何の。ガタイがいい上に。…身長~~。180~~。」

優維香、口を横に、
「い゛~~~~。」

「その方の…、両脇の下に両腕を…。」
「うんうんうん。」

「持ち上げようとも…。」
「うんうんうん。全く…。」

優維香、途端に、
「あ~~~。」

「さすがに、武一に電話。」
「おっと~~~。」

「なんだ…けど~~。全然出もしない。」
「何で…???」

「歌ってんでしょう~~。」
「あ~~ん~。」

「…で、仕方なく、ウチの若いもんに。…で、電話したら、飛んできた。」
「さっすが~~~。」

「何とか4人でその方。」
「うんうんうん。」

「歩道り端まで。…で愛結美さんからタクシー呼んでもらって。やっとこさよ~~。」
「へぇ~~~。」

「まっ。でもね~~。」
また一口、ビールを佐津香。
「そこで、チャンチャン。で、終わる顛末ではなかった訳だ。」

優維香、目をパチクリと、
「ふん…???」

下唇をビロンと佐津香。
「だ~~ってさ~~。私らその方の家…。知らないし~~。」

途端に優維香、フィンガースナップ。
「なるほど、それ~~~~。」

「タクシーには、無事に何とか…。…なんだけど…肝心の家~~。住所、何も知らないし~~。」

優維香、
「やっば~~。」








好きになれない。   vol,096.  「みんなが解散し始める。二次会やらカラオケやら。」

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